厚生労働省は22日、加齢が影響して心身の活力が低下する「フレイル」を防ぐために、65歳以上の高齢者が1日に摂るタンパク質の目標量を引き上げることに決めました。目標量は、おおむねの目安として「体重1kgあたり1g」が望ましいとしています。
◇ フレイルは、要介護の一歩手前
フレイルとは「健康な状態と要介護の間の虚弱状態」。いわゆる、要介護の一歩手前の状態のことをいいます。フレイルの予防には、軽い運動や食事の改善が有効とされており、その1つがタンパク質の摂取が影響していると考えられています。
◇ 新基準は2020年4月より
厚労省の検討会で、目標量などを盛り込んだ報告書がまとめられました。現在、1日の食事の総エネルギーに占めるタンパク質の目標量は、1歳以上の全年代で「13~20%」ですが、今回の検討会で海外の研究などを参考に、65歳以上の高齢者の目標量を「15~20%」に決めました。
また、厚労省はフレイル予防推進を目的に、新年度予算案に3,600万円を計上。その計上した予算で、管理栄養士の研修のほか、食事を例示するパンフレットなどを作成する予定です。食事摂取基準は、5年に一度改定され、新しい基準は2020年4月から使用されるということです。
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