2020年の特殊詐欺が1万3千件 コロナで高齢者の被害が多発

警察庁によりますと、2020年の特殊詐欺の認知件数(暫定値)が1万3,526件。うち、被害総額は277億8,000万円に上ったことが分かりました。認知件数に至っては、2004年の統計開始以降最少だった2010年の6,888件のおよそ2倍で、新型コロナウィルスの感染拡大による便乗詐欺事件が目立っているということです。


※引用:読売新聞オンラインより

オレオレ詐欺が全体の半数を占める

特殊詐欺の手口別では、親族や銀行職員、警察官などになりすまし金銭などをだまし取るオレオレ詐欺が6,382件が、特殊詐欺全体の認知件数の半数近くとなっています。次に、高齢者宅を訪れ、高齢者の隙を見てキャッシュカードを別のカードとすり替えるキャッシュカード詐欺盗が2,833件、全体の2割だったということです。

こうした高齢者の被害が相次ぐ背景としては、新型コロナウィルスの蔓延による外出自粛で高齢者が自宅にいることが多くなったこと。それに伴う、詐欺の電話を取る機会が増えたことが考えられます。また、現金やカードを取りに来た犯人のマスク姿に違和感を感じづらくなったことも被害が続く要因としてあげられています。

新型コロナの便乗詐欺が多発

警察庁は、感染拡大に伴う給付金や補助金の支給名目で「口座を作り直す必要がある」などといったカード詐取事件が未遂を含め計55件を確認しており、被害総額は計約1億円にも上っています。

他にも「PCR検査で陽性になった。多額の入院費用がかかる」、「コロナでクビになった」、「ワクチン接種の予約ができる。予約金の○○万円が必要だ」などといったコロナに便乗して嘘をつき、現金をだまし取る被害が各地で相次いでいるということです。

アポ電強盗詐欺、約10万件

高齢者の個人情報や資産状況などを巧みに聞き出し、後日自宅を襲いに行くアポイントメント電話、通称アポ電の被害も多く、全国で昨年の認知件数が計9万8,757件確認されています。

全国の警察は、特殊詐欺の取り締まりを強化しており、注意喚起の広報活動とともに、NTT東日本などの大手電話各社の協力を得て、特殊詐欺に使われた固定電話の番号を利用停止する措置を進めています。