夏は脳梗塞が多発 水分量が少ない高齢者は特に注意

連日、列島各地で真夏日や猛暑日を観測し、多くの人は熱中症対策を念頭に生活をしていると思います。しかし、この暑さに気をつけたい病気は熱中症だけではありません。実は、暑さで脳梗塞になる人も多く、脳梗塞患者およそ2万人を調べた脳卒中データバンクの資料によると、脳梗塞の発症は夏が最も多いことが分かっています。では、何故夏に脳梗塞の発症が多くなるのか?

猛暑で起こる脳梗塞のメカニズム

脳梗塞は、脳にある血管が血栓によって詰まる病気です。一見、血管が縮み、血圧が上がる冬の寒い時期に多くなる病気と思いがちですが、実はちょっと違います。

猛暑になると、脱水傾向に陥りやすいため血中の水分量が減少し、血液の密度が濃くなります。いわゆるドロドロ状態と言われるものです。そうなると、血液同士の摩擦などの刺激により、血小板(血液を固める作用)が活性化され、小さな塊が作られます。これを【血小板凝集】と言い、これに赤血球や白血球などがくっつくことにより血栓ができます。そして、その血栓が脳動脈を詰まらせ脳梗塞を発症させるのです。

暑い日こそ、高齢者は特に注意が必要

この暑さだとビールなどといったアルコールを飲む頻度が増えるため脳梗塞の発症リスクが上がります。また、高齢者の方に多い高血圧症などといった生活習慣病(旧:成人病)の持病を持っている方はさらにリスクが上がります。

そして、高齢者の方は若者と比べて体内の水分量が少なく、それに加えて喉の渇きが感じにくくなるため水分補給を怠りがちになります。そうしたことからも夏に、高齢者は脳梗塞にかかりやすいと言えるので、熱中症対策と並行して脳梗塞対策としても小まめに水分補給を行う必要があります。

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