2019年4月19日、東京・池袋で起きた87歳の高齢ドライバーによる暴走事故後から世間では高齢ドライバーに対する議論がされています。
警視庁によりますと、高齢ドライバーが起こす交通死亡事故はほぼ横ばいの状態。2017年、75歳以上の高齢ドライバーによる死亡事故は418件、免許保有者10万人当たりでは7.7件で、75歳未満の3.7件と比べて2倍以上になります。また、80歳以上になると14.6件とさらに増加し、死亡事故を起こしやすい傾向にあります。
◇ 高齢になると交差点内での事故が多発する
高齢ドライバーの事故の特徴を見ると「交差点内での事故」が多い傾向にあります。理由としては、加齢の影響で物事を同時に行うことが難しくなってきます。それは、運転時にも言えることで、複雑な動作を行うも操作ミスをしたり、同時進行のあまり確認を怠るといったことが起こりやすくなります。よくあるのが「カーブの際に縁石に接触してしまう」「歩行者が来ているのにも関わらず停止せずに進む」「アクセルとブレーキの踏み間違い」などといった感じです。
・反応速度は鈍るのか?
20代と70代との反応速度差を調べる実験で「青信号でアクセルを踏む、赤信号ならブレーキを踏む」という単純動作を行います。結果は、0.1秒程しか反応速度の差はありませんでした。しかし、これはあくまで単純動作なので難なくできますが、運転は一度に多くのことを行うので(ハンドル操作・全ての確認動作・アクセルとブレーキなど)、実験のようにはいきません。
◇ 高齢者の過信が事故を起こす
調査で、運転の自信を問うたところ「自分の運転に自信を持っている」と回答した人が、30代男性は28.6%だったのに対して、80代以上の男性が76.0%、女性が58.3%だったことが分かりました。
自信があると答えた人の多くが「長い期間の運転経験があるから」としています。確かに、運転歴が浅い人よりかは運転技術が向上しているかもしれません。しかし、日常生活で使う運転技術は「とっさの対応力」が最も重要になってきます。
そして、その自信が過信を招き、体の衰えに気づかずにいる高齢ドライバーは多くいますので、今一度自身の運転の在り方について考えていただけたらと思います。
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