高齢ドライバーの本音 「自分は事故を起こさない」

全国各地で高齢ドライバーによる交通事故が相次いでおり、SNSやメディアなどでは高齢ドライバーへの対応などが常に議論されています。2017年3月から道路交通法の改正により、75歳以上の高齢ドライバーは認知機能検査などを受けることが義務付けられ「認知症のおそれあり」と判定されれば、免許取り消しの対象となる場合があります。

◇ 「自分が事故を起こすとは思わない」

4月24日、那覇市内の自動車教習所で、認知機能検査を受けた85歳の女性は「まぁまぁだった」と検査の手ごたえを感じていました。しかし、結果は100点満点中、49点「認知機能低下のおそれがある」第2分類でした。検査の結果で第2分類とされた人は、ドライブレコーダーを搭載した実技講習が義務付けられています。

この女性は、息子から「運転はしないでほしい」と説得されており、現在半年近く運転を控えているということです。しかし女性は「車がないと好きな場所に出かけられない。運転自体は怖くないし問題ない」と言い、高齢ドライバーによる事故ニュースは見るけど「自分が事故を起こすとは思わない」と運転には自信がある様子でした。

◇ 第1分類に近い第2分類者への懸念

女性が受けた教習所によりますと、認知機能検査を受けた約2割の人が「認知症のおそれ」「認知機能の低下」の第1、2分類に入るということです。また、49点未満(第1)の人は、医師の診断書の提出が義務付けられ、認知症と診断を受ければ免許停止などの対象になります。沖縄県内では、制度改正後から18年末までに計4件の取り消しが確認されています。

教習所の担当官は「点数が1点でもクリアしていれば運転をするなとは言えない」とした上で「家族が危ないと判断すれば、認知検査に関係なく運転免許証の返納を促してほしい」と話しています。

認知機能検査を受ける人の中には、第1分類に近い第2分類に入る高齢ドライバーもいるということです。