郷ひろみの母親(80代)が特殊詐欺被害に、特殊詐欺とその対策

今回の事件内容について

歌手の郷ひろみさんの母親(80代)が2018年2月に、郷ひろみさんを名乗る男から電話を受け、現金200万円をだまし取られるという被害に遭いました。

警視庁によると、同年2月5日、郷ひろみさんを名乗る男から、目黒区に住む80代の郷さんの母親に「かばんを盗まれた」と電話がありました。その後男から「かばんは見つかったが現金が必要だ」と再度電話があり、同月6日に郷さんの事務所関係者を名乗る男が自宅に訪問をされ、現金200万円を手渡してしまいました。

その後、母親が郷さんと連絡を取り、本人に確認したところ騙されたことに気付いたため、同月7日に110番したという事件がありました。なお、警視庁は、現在詐欺容疑として捜査を行っている状況です。

今回の事件については、一般的には特殊詐欺といわれるものです。特殊詐欺といっても一括りではありませんので、分かりやすく説明をしていきたいと思います。

特殊詐欺とは

 面識のない不特定多数の者に対し、電話、FAX、メールなどの通信手段を使用し、不正に入手した架空の口座または他人名義の預貯金口座に振り込ませたり、言葉巧みに騙し、誘導して現金を渡せるようなことを特殊詐欺といいます。また特殊詐欺にはさらに「振り込め詐欺」と「振り込め類似詐欺」の2種類が存在します。では、2種類の特徴について、説明していきたと思います。

振り込め詐欺

オレオレ詐欺
電話を利用して親族、市町村職員、警察署等を装い、金銭借用や金銭にまつわる被害を防ぐため等と話し、現金を預貯金口座に振り込ませたり、被害者と接触して現金、キャッシュカードなどを手渡しさせるなどして騙し取る詐欺です。

架空請求詐欺

インターネットやメール、郵便等を介して不特定多数の方に、架空の事実が記載された料金請求や文書等を送付し不安を与え、現金を指定の口座に振り込ませる詐欺です。

融資保証金詐欺

融資する旨の文書等を送付し、保証金等の名目に、現金を指定口座に振り込ませる詐欺です。

還付金詐欺

市町村職員等公的な機関を装い、税金の還付等があると話した上で、「還付をされるには手数料が必要」と被害者に伝える。そしてATMを操作させて、指定の口座へ送金させる詐欺です。

振り込め類似詐欺

主に電話を使用し、実際には対面をせずに不特定多数の方を騙し、架空の口座もしくは他人名義の口座に現金を振り込ませ、騙し取る詐欺事件です。では、振り込め詐欺の「類似」について紹介します。

インターネットやメールなどを介し、不特定の者に対して異性と会わせたり、架空の異性の情報を提供し、会員登録料や保証金、手切れ金等を口実に金銭を騙し取る詐欺です。

金融商品等取引

対価ほどの価値しかない未公開株や社債等の有価証券、全く架空の有価証券、外国通貨等について電話やメール等を利用し、虚偽の情報を与え、その購入の口実に金銭を騙し取る詐欺です。

ギャンブル必勝情報提供

インターネットやメール等を利用し、不特定の者に対してパチンコ攻略法等の虚偽の情報を与え、会員登録料や情報料等を口実に金銭を騙し取る詐欺です。

特殊詐欺全体の件数

今回事件となった特殊詐欺についてですが、現在どのくらいの被害があるのか、下記のグラフにまとめてみましたので、ご覧ください。

こちらのデータについては、警視庁から公表されているものであり、平成29年度版のデータを基に作成を致しました。平成28年度の被害件数は2,032件だったのに対し、昨年平成29年度の被害件数は3,510件で、平成28年度と比べ約1,500件も増加しています。では次に被害に遭った年齢層について、まとめたグラフを、ご覧ください。

グラフをご覧になられてたお分かりのように、高齢者が圧倒的に多く、中でも女性がずば抜けて多いことが分かります。今回事件になった郷ひろみさんの母親も高齢者で女性です。(女性は当たり前ですが

こうして高齢者に多く被害が出てしまっている背景としては、年々詐欺の手口が巧妙になってきていることにあります。では、どのようにすれば、被害を防げるのか。次は特殊被害の対策について紹介していきたいと思います。

身内の名前を言わない。

何気ない話をしても確固たる証拠がない限りは、身内の名前を自分からいわないようにしましょう。名前を言ってしまうと、詐欺グループに有利な情報を与えてしまうからです。例えば、何かと名前を使い言葉巧みに、あなたを混乱させてきます。そのため面識のない者に、安易に身内の名前を言うのは控えましょう。

合言葉を決めておく

被害に遭うわないためにも予め「合言葉」を決めておくことをお勧めします。身内を名乗る電話がかかってきた場合には、話を始める前に(電話を出たくらいで)「合言葉」を問うことで判別することが出来ます。古典的かもしれませんが、この手法は結構効果的ですので、お勧めです。

常に留守番電話にしておく

常に留守番電話にしておけば、詐欺グループと話すことはありません。また身内には予め事情を話し、電話をする際には留守番電話に「合言葉と身内の名前」を入れてもらうようにしておけば、判断がつきます。少し手間ですが、合言葉と名前が分かり次第、折り返しの電話をすればよいと思います。

折り返しの電話を!

万が一電話に出て、電話で身内を名乗る者から「お金を送ってほしい」「自分は今行けないので、自宅に来る者に渡してほしい」と言われた場合。また携帯を落としてしまったから別の電話からかけていると言われた場合。

一度要件をすべて聞き、一度電話を切ります。そのあと本人(本物)の連絡先に電話をしてください。しかしそこできっと「本物だったらどうしよう」などの考えが過るかもしれませんが、そこは「冷静」且つ「勇気」を振り絞って、本人(本物)に電話をして内容を確かめてください。

もしその話が本当であった場合でも、「最近詐欺が多いから」と話せば、「そうかそうか」と普通はなるはずですので。

ハローページの電話帳を削除

116番に電話をしますと、NTTへ繋がります。そこで電話帳の削除の依頼を行ってください。しかし既に出回っているものは、どうすることも出来ませんので、電話番号を変更するなどの対応をお勧めします。

身分を明かしてもらい、その場で確認を取る

電話以外にも訪問してくるケースもあります。例えば、警察官や市町村職員など公的な職種などです。そういった方が訪問してきた場合、まず身分証明書の提示を求め、その身分証明書を基に訪問に来ている所属の場所へ直接電話をして、在籍しているか確認してください。

見覚えのない請求や還付金などの書類は、身内や警察署へ相談

見覚えのない請求や還付金などを謳っている書類が届いた場合、自身で理解が出来るのなら即破棄。もし「本当だったらどうしよう」と不安になるのでしたら、身内や警察署へ相談してください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回の郷ひろみさんの母親が遭った事件も特殊詐欺の手口の一つです。グラフを見ていただけたらお分かりのように、平成28年度から約1,500件も増加しており、被害者の年齢層は高齢者が主となっています。また年々手口が巧妙化しており、対応に苦慮されることが予想できます。ここでの記事には、対策を載せておりますので、是非ご活用していただけると幸いです。そして私は大丈夫と思っている人こそ、騙されていますので、自分を過信せずに注意をして生活をしてください。