高齢者のスマホの普及率について 普及した原因とは

一昔前まで高齢者と聞くと体が弱り、ドリフターズのコントに出てくるようなザ・お年寄りというイメージがありましたが、今の高齢者はそうしたイメージとは違ってとても活発なイメージがありませんか?基本的に高齢者は65歳からなのですが、シニアという呼び方になると60歳以上が対象になることが多いです。

ただどちらにせよ、健康寿命が伸びていることを裏付けるように今の高齢者(以下、シニア含む)は一昔前より元気なのは確かです。ちなみに私の両親や祖母も高齢なのですが、そんなことはお構いなしに国内旅行を頻繁にしたり、運動を積極的に行っています。

さて、ここからが本題なのですが、高齢者のスマホ普及率がここ数年で急増し、携帯電話(以下、ガラケー)の普及率が激減しているのを皆さんはご存知でしょうか。
私がケアマネジャーとして利用者に関わっていた時も、利用者の多くがガラケーからスマホに乗り換えていました。よく、高齢者は情報脆弱などと揶揄されることが多いですがスマホを持つようになり、そうしたイメージも変わりつつあるのかもしれません。

ここでの記事では、スマホの普及率の調査を行ったMMD研究所や総務省のデータを基に、高齢者のスマホの普及率についてお伝えしていきたいと思います。

スマホの普及率が61.5%

冒頭で少し触れた、MMD研究所とは【(モ・M)バイル(マ・M)ーケティング(デ・D)ータ研究所】の略でモバイルに特化した調査研究機関です。調査データは無償でオープンに公開しており、業界発展に寄与することを運営ポリシーに掲げている機関でもあります。

さて、話は戻りまして、今年の始めにMMD研究所が2012~18年までを対象にした【高齢者のスマートフォン利用推移調査レポート】を発表しました。MMD研究所が調査したレポートが下記のグラフです。

2012年の高齢者のスマホの普及率が12.7%から年々増加し、2017年にはスマホとガラケーの普及率が逆転。そして、翌年の18年にはスマホが61.5%に増加し、ガラケーが38.5%減少と互いが正反対に推移しているのが分かる結果となりました。

なぜ、高齢者にスマホが普及したのか

たった6年の間でスマホとガラケーの普及率が逆転するというのは凄いことですが、これには理由があります。

一番の要因はガラケーの販売市場が縮小し、市場がガラケーからスマホにシフトしていることが挙げられます。さらに言えば、大手キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)自体がスマホを積極的に勧めているため、その影響は顕著に現れることは容易に想像ができます。

ここからは、私がケアマネジャーとして関わっていた利用者の方の話になるのですが、ガラケー持ちの利用者の方が【修理の依頼や、ガラケーの買い替えの相談】で携帯電話ショップに行った時に帰ってきた頃にはガラケーからスマホに変わっている人が多かった印象があります。

買い替えた利用者の多くは「スマホは便利だからと言われて勧められ、スマホにした」や、「これからスマホの時代になるからと言われ、スマホに買い替えてみた」、「今のガラケーは使えなくなる」でした。セールストークで買わされた感は否めないですが、月々の基本料金を減らためという理由で、格安スマホに乗り換えていた利用者もいました。

一昔前の大手キャリアでは、高齢者に【らくらくホン】のような簡単に操作ができるガラケーを勧めることが多かったのですが、今ではスマホを勧めているのが現状です。そうしたことからも高齢者のスマホの普及率が上がった要因でもあると考えます。

ただ、買い替えたまでは良かったのですが使い方が分からず、結局私が教えるという事態になったことは結構ありましたけどね・・・。

今後の高齢者のスマホの推移

結論から言いますと、スマホの普及率は伸び続けます。スマホの普及率については、総務省でも各年代ごとのスマホの個人保有率の推移の調査(※)を行っています。その調査によりますと、2013年時点での70代の保有率は3.7%、80歳以上が1.6%でしたが、2017年になると70代の保有率が【18.8%】、80歳以上は【6.1%】に増加していました。わずか4年で約6倍も増えていることが分かります。
※平成30年版情報通信白書より

40代の人が高齢になる頃には全員スマホ持ち

40代以上の人が高齢者になる頃には、恐らく全員がスマホ持ちになっていると考えます。

総務省の調査データによりますと、2013年時点での40代のスマホの保有率は53.9%、50代が33.4%でしたが、2017年になると40代の保有率が【85.5%】、50代は【72.7%】に増加しています。また、大手キャリアでは3G回線のサービスが終了してしまうため、ほぼガラケー(4G対応は別)は使えなくなります。※3G回線のサービス終了予定日程:ドコモ:26年3月末・au:22年3月末・ソフトバンク:24年1月末

こうしたことから、今の40代50代の人が高齢者になる頃には全員スマホ持ち、もしくは新たな通信機器に乗り換えていることでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
ここでの記事で、現在における高齢者のスマホの保有率について知っていただきたくお伝えしました。意外と言ったら失礼かもしれませんが、高齢者のスマホの保有率はここ数年でかなり伸びています。そして、これからは情報脆弱と呼ばれる高齢者は減っていくと考えられます。やはりそうした背景には、本記事でも紹介したようなハード面(市場縮小・3G回線の終了)だったり、大手キャリアのセールストークなどの影響があるのではないかと思います。