認知症高齢者へのマッサージ 脳に活力が認められた

2019年11月3日に開催された日本ヘルスプロモーション理学療法学会第9回学術集会で、一般社団法人日本介護美容セラピスト協会が【上肢と下肢に対するマッサージが認知症高齢者の脳波活動に及ぼす効果】を発表しました。脳波計測の結果では、腕部と脚部へのマッサージが認知症高齢者の幸福感や快感に関わる脳領域に活力を与えることが分かり、奨励賞を受賞しました。

脳波計測で客観的な効果が判明

マッサージを行うことで、高齢者の心理症状や言動面などの改善に効果があることはアンケート調査などで明らかでした。しかし、アンケートに答えるのが困難な認知症高齢者の反応は数値が取りづらかったため、今回行った脳波計測で客観的な効果が明らかになりました。


※計測結果はツイート投稿画像を引用

評価方法については、下記のとおりです。
● 対象者:認知症高齢者17名(アルツハイマー型認知症15名・脳血管性認知症2名。)
● 性別/平均年齢:男性3名・女性14名/84.9±4.5歳
● 施術者:日本介護美容セラピスト協会所属で5年間の実務経験がるビューティータッチセラピスト
※ビューティタッチセラピストとは、日本介護美容セラピスト協会の認定を受けた、介護美容に関わるマッサージ技術や知識を習得したセラピストのことを指す。
● マッサージ方法
・腕部マッサージ15分【①~③までをそれぞれ5分間軽擦】
(①手首から肘まで前腕全体・②指先から手首まで手全体・③・手指つけ根から先端にかけて手指1本ずつ)
・脚部マッサージ15分【①~③までをそれぞれ5分間軽擦】
(①足首から膝まで下腿全体・②足先から足首まで足全体・③足指つ根から先端にかけて足指を1本ずつ)
● 計測時の状況:腕部、脚部のマッサージの前後に座位姿勢。開眼状態で90秒間安静時の脳波活動を計測。