岡山の「人喰い用水路」高齢者の転落が多発

今、岡山県で用水路による事故が多発しており問題となっています。事故の原因は「柵がない」ということです。道路と並行した用水路にも関わらず安全柵もなく、最大幅が1メートル・深さ2メートルを超える大きさのもあるということです。

◇ 転落事故の70歳以上が7割

岡山県は、2013年に用水路への転落事故死亡数が13件となり、全国ワースト1位となった時期もあります。さらに、2016年の大雨時には、道路と同じ高さまで増水した用水路を道路と間違えて車が転落し、水没する事故が多発。この事故の多さから「人食い用水路」と呼ばれるようになりました。

2013から15年の3年間で79件の転落死が発生し、転落事故全体では1,143件。その事故の年齢の内訳を見てみると、50歳以上が9割(70歳以上が約7割)、時間帯では午前6時から午後6時までの明るい時間帯での発生が8割にも上っています。

◇ 資金面で全てに設置は難しい

岡山県は元々農業が盛んで、他県よりも用水路が多く作られており、全てに柵を設置すると多額の費用がかかるため難しいということです。

そんな中、岡山県は『ストップ!用水路転落』をスローガンに、自治体、県警、消防とが連携し、2018年に「用水路転落のガイドライン」を作成。柵の設置を進めるとともに、安全教育の啓発を開始し、2019年度には用水路300か所への安全対策も予定しているということです。

しかし、現役の用水路(農業用水)については、柵が付けづらい場所もあるため、完璧な対策を講じるのが難しいのが現状です。そのため、歩行者やドライバーの心がけが一番重要となってきます。