佐賀県唐津市浜玉町に、高齢者と赤ちゃんが一緒に過ごす介護施設があります。その介護施設は「看護小規模多機能 むく」です。この施設では、赤ちゃんや子どもが高齢者に与える「癒し効果」を狙った活動をおこなっています。
◇ 子どもを連れて出勤もできる
むくは、2017年に「通所介護・ショートステイ・訪問看護」などを一体化した複合型サービス「看護小規模多機能居宅介護」を開設させました。むくは「高齢者が生き生きと暮らせる場所を作る」をモットーに多世代が集う介護施設を目指しています。また、子どもを連れての出勤も推奨しており、女性スタッフが赤ちゃんを連れて働いています。
◇ 利用者が穏やかになる
昨年から0~3歳の乳幼児と母親を有償ボランティアを招き、現在は4組の母子が登録しています。週1.2回、2.3時間程度施設に訪れ、高齢者と食事をしたり遊んだりします。
施設を利用している90代の男性利用者は、ベッドに寝そべる赤ちゃんに向けて「桃太郎さん、桃太郎さん」と童謡を歌い、それを見つめ返す赤ちゃんと、その様子を見ていた周囲の高齢者から笑顔が生まれました。他にも、スタッフが何か促してもあまり応じない高齢者も、子ども連れだと笑顔で受けれる方もいるということです。
むくの代表を務める「佐伯 美智子」さんは「子どもにしか引きだせない笑顔がある」。認知症研究に携わっている三重県立看護大「六角 僚子」教授は「子どもと接すると表情が和らいだり、気持ちが落ち着いたりする」と話しています。