仙台市:止まらぬ高齢化 救急搬送の約半数が高齢者

宮城県仙台市の救急車の出動件数が5年連続過去最多を更新し、2018年に至っては5万件を突破しました。また、搬送者の約半数が65歳以上の高齢者で、高齢化の進展が救急搬送の出動件数を押し上げています。

◇ 熱中症による救急搬送が倍増

仙台市内で熱中症を訴え、救急搬送をされた人は17年で255人。18年は記録的猛暑もあってか565人に倍増しました。また、65歳以上の高齢者の救急搬送割合については、「17年:46.3%(118人)」「18年:45.0%(254人)」と全体の約半数が高齢者でした。

熱中症以外(心筋梗塞・肺炎・脳梗塞・転倒など)の救急車の出動件数は、18年に5万件を突破し、搬送人員は前年より2,468人増え、高齢者の割合が全体の「63.4%」を占めました。

◇ 増加の背景には「老老介護」の限界

現在、仙台市内の高齢化率は「23%」と全国の政令指定都市の中では3番目に低いですが、年々高齢化率は上昇しています。2050年には高齢化率が38%に達し、2.5人に1人が高齢者になると予想されているため、救急車の出動件数が増えるのが確実です。

仙台市内で、高齢者の救急搬送を積極的に受け入れている医療機関の院長は「老老介護の結果、自宅で介護が出来なくなり、救急に助けを求めるケースが増えている」としたうえで、「高齢者施設と医療機関を近接させ、救急車に頼らない仕組みの構築が必要」と提言しています。