千葉県船橋市で、高齢者の健康状態を細かく把握するために「元気度」という独自の指標を全国で初めて導入しました。これは、10項目の質問に「はい」「いいえ」を答えてもらい、これを性別や年齢を加味して3年後の要支援・要介護リスクを示す「元気度」を算出するものです。
◇ 船橋市は「健康寿命日本一」を掲げている
船橋市は、2016年健康寿命社会を目指した「日本老年学的研究プロジェクト」に参加。このプロジェクトには、全国39市町村が参加し、その中で船橋市は「運動機能低下者の割合」が1番少なく、「要介護リスクの割合」は3番目に低いという特徴を持った市ということが分かりました。
◇ 元気度の算出方法とは
日本老年学的研究プロジェクトの全国調査結果を基に、千葉大学予防医学センターが「バスや電車を使って1人で外出ができるか」「15分くらいは歩き続けていられるか」など、生活機能評価「基本チェックリスト」に近い質問事項10項目に「はい」「いいえ」で答えるという「要支援・要介護リスク評価尺度」を開発しました。
船橋市は「要支援・要介護リスク評価尺度」に加え、性別や年齢を加味して3年後の要支援・要介護リスクを示す「元気度」を算出。元気度を表す単位は「スマイル」となっており、全国平均を100スマイルとし「0~160.8スマイル」で評価を行うということです。
◇ 来年6月から市内在住の65歳以上に周知
船橋市は、来年6月から市内在住の65歳以上の高齢者約15万人のうち「要支援・要介護認定」を受けている高齢者と「65.70.73歳」「75歳以上」計7万9000人に、上記でお伝えした質問事項を郵送。質問の回答者に「スマイル」値や3年後の要支援・要介護のリスクを知らせるのが目的です。また、運動機能や口腔機能に不安がある人に対しては、健康教室などへの参加を促し、健康づくりや介護予防につなげていく方針だということです。