【愛知県警】VR活用 リアルな事故の瞬間を体験

愛知県警は、VR(仮想現実)を活用した「交通安全シミュレーター」の導入を行いました。愛知県は、くしくも昨年まで交通事故死亡件数が全国ワーストを15年連続を記録しており、また、事故に遭う高齢者の割合も高いことが分かっています。そういったことから、愛知県警は交通事故の危険性を実感してもらおうと、高齢者を中心とした道路に潜む事故体験をVRを使い実施しました。

◇ ドライバーや自転車、歩行者の視点で事故体験

11月18日現在までの愛知県内で起きた交通事故死者数は167人で、今年も全国最多となっています。そのうち91人(半数以上)が高齢者を占めているのが現状です。さらに、自転車に乗った高齢者の事故が多く、自転車利用中の死者33人のうち8割が高齢者でした。

このようなことから、高齢者を中心とした道路に潜む危険を少しでも理解してもらおうと、愛知県警は民間企業と協力し、VRシミュレーターの導入を行いました。

愛知県警が導入しているVRシミュレーターは、頭部に小型モニターを装着し、目の前の映像と頭の動きを連動し、「ドライバー」「自転車」「歩行者」のそれぞれの視点からの事故体験ができるものとなっています。

◇ 映像はよくある事故のシチュエーションを採用

VRの映像からは、実際のスタントマンらが、360度撮影できる特殊カメラを装着し、実際に車や自転車に乗った状態での事故を再現し撮影した映像です。

・交差点を横断中の自転車が右折してきた車にひかれる場面
・見通しの悪い十字路での、出合頭による衝突の場面

などのリアルな事故体験ができます。

◇ リアルな体験から考えを改めることも

従来の自動車シミュレーターは、ゲーム感覚で体験するような感覚のため、リアルな危機感を味わいづらい傾向にあります。しかし、今回お伝えしたVRシミュレーターは、実際の映像を使用しているため、従来型のシミュレーションとは訳が違います。また、1人称および当事者の目線で体験ができるため、より現実味があります。

こういった体験を行うことで、普段の運転や歩行の在り方を考え直すいい機会になるのではないでしょうか。