高齢者の消費生活相談が1万超件 75歳以上高額被害

2019年11月14日、静岡県が公表した県内の消費生活相談件数まとめで、2018年度に65歳以上の高齢者から寄せられた相談件数が1万件を突破したことが分かりました。特に、相談1件当たりの平均被害額は75歳以上になると高くなる傾向だということです。

加齢による認知力の低下が原因か

18年度の65歳以上の高齢者からの相談が1万662件寄せられ、10年度の集計以来初の1万件超えとなりました。

内訳では【65~74歳:6,340件/平均被害額:58万3,000円】【75歳以上:4,322件/平均被害額:80万6,000円】。相談件数は65~74歳までの高齢者が多いですが、金額は75歳以上の方が多く、年齢が上がるにつれて深刻化する傾向にあることが分かりました。※65歳以上全体の平均被害額は67万7,000円。全世代は78万3,000円。

県は「加齢によって認知能力が低下し、自らの力だけでは消費者被害を防げない高齢者が多い」と分析。今後の対策として、認知能力が高く、自力で被害を防ぐことができる高齢者(アクティブシニア)には啓発強化や自治会、老人会での出前講座を増やしていく方針です。認知能力が低い高齢者が被害に遭った場合は、近隣住民が早期に通報できる地域体制の構築に向けて、モデル事業を19年度中に3市町で実施する方向で準備をしているということです。