兵庫県明石市にある介護付き有料老人ホーム(24時間スタッフ常駐)に入居していた90代の男性が居室で「孤独死」していたことが分かりました。男性は、遺体で見つかる約2週間前に死亡していたということです。この介護施設での「孤独死」に、明石市は施設の対応に問題がなかったかなどを調査する方針です。
◇ 家族は「見守り」を求めていた
施設や明石市などによりますと、5月22日午前9時ごろ、2階の居室で男性が倒れているのを施設職員が発見。夜勤の担当職員が「最近、見ていない」などと話したため、男性の居室を訪れたことで分かりました。医師の検案では、今月10日ごろに亡くなったと推定されており、死因は不明とのことです。
今月4日に、男性の家族が面会した際に、本人の顔色が悪く、腰が痛いなどと訴えていたため、家族はスタッフに「本人は嫌がると思うが、様子を見てほしい」と伝えていました。しかし、施設側は、数日後に男性を見かけたという報告がスタッフからあったため、体調が回復したと判断し、その後は、男性の居室を訪問するなどの安否確認はしていなかったということです。
◇ 本人は「自立」していた
この施設には、夜間帯も看護師や介護職員(ヘルパー)が常駐しており、いわゆる24時間体制の介護施設です。しかし、男性は介護の必要のない「自立」だったため、施設のレストランで食事をせず自室で調理し、室内清掃のサービスなども利用していなかったということです。
現在、施設には100人近くの入居者がいて、このうち介護サービスを利用していない入居者が2割程いるということです。家族から連絡を受けた明石市は、家族や施設側から事情を聴き、対応などが問題なかったかなどを調査する方針です。
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