2015年度以降、全国の郵便局で局員の保険業法違反に当たる営業行為が68件発覚し、監督管庁の金融庁に届けていました。また、不適切な営業に至っては約440件に上り、保険の内容を十分に理解していない高齢者をターゲットに無理やり契約を結ばせていたことも分かりました。
◇ 不適切な営業が3年間で442件
金融庁に保険業法違反の営業として届けてた件数が「15年度:16件」「16年度:15件」「17年度:20件」「18年度:17件」でした。
16年3月、九州支社管内では局員が「88万円の保険料を支払えば、1年後に100万円がもらえます」などと虚偽の内容が記載された資料を示し契約を結んでいたことが分かりました。また、近畿支社管内(17年10月)に至っては、「85歳の認知症高齢者」に保険の内容を説明しないまま契約をさせていたなどが挙げられています。
これらのように「不適切な代書」「説明不十分」などで不適切な営業が行われていた件数が「15年度:124件」「16年度:137件」「17年度:181件」と3年間で計442件でした。
◇ 全国の郵便局に3年半で苦情が1万4千件超
全国の郵便局の営業に対する苦情が去年までの3年半で1万4,000件超に上り、その中で約6割が高齢者に関わる内容だったことが分かりました。特に目立った内容が・・・
● 「局員に『帰ってほしい』と伝えたが、4時間も居座られた」
● 「貯金と説明を受けて契約したら、保険の契約をしたつもりがないのに保険証書が送られてきた」
などといった強引な営業行為や契約締結への苦情が目立っていたということです。
こういった事態に、日本郵便は「不適正な営業が根絶できていないことは極めて残念。教材による指導など改善に向けた取り組みを強化している」と文書で回答しています。