兵庫県淡路市で社会福祉法人「千鳥会」が運営する養護老人ホーム「北淡(ほくだん)荘」(入所定員168人)で、74人がインフルエンザに集団感染し7人が亡くなった騒動で、1月28日で発覚から1週間経ちました。兵庫県からの立ち入り調査や関係者からの証言で、集団感染をした経緯が明らかになりました。
◇ 1月8日、施設職員が発症
最初のインフルエンザの発症は、施設職員の看護師でした。1月8日に職員は体調不良を訴え、その後インフルエンザと発覚。施設は、その職員を出勤停止の指示と、施設が併設するディサービスも休止を決めました。
しかし、翌9日に、職員1人と入所者5人が新たインフルエンザを発症。施設側は、感染症対策委員会を開き、発症した入所者を個室に隔離し、他入所者には部屋から出ないよう張り紙や口頭で指示。面会については、原則禁止を決めました。
◇ 11日、洲本健康福祉事務所に報告
10日に、職員2人と入所者7人が新たに発症。翌11日、インフルエンザに感染していた99歳の女性が脱水症状で死亡し、さらに13人が新たにインフルエンザに発症するなど、感染はますます拡大。同日に山田正司施設長は、洲本健康福祉事務所に事態の報告を行いました。
◇ 職員のみ抗インフル薬を投与
洲本健康福祉事務所の立ち入り調査を受け、福祉事業所より発症していない全ての者に、抗インフル薬の予防投与を行うよう助言を行うも、施設側は職員のみしか予防薬の投与を行いませんでした。そして、12日に新たに20人が発症し、感染は拡大。
施設が、予防薬の投与を職員のみしかしていないことが分かったのは、18日に行われた、県と嘱託医との面談の時でした。その後、県から再指導を受け、翌19日に入所者へも予防薬の投与を行い、事態は収束に向かいました。
◇ 重度の患者のフロアに集中
インフルエンザが拡大したフロアは、重度の要介護らが入る2階のフロアに集中していたことが判明。感染した人の7割、亡くなった7人全てが2階の入所者でした。2階のフロアでは、看護師や介護職員らが非感染者と感染者の部屋の行き来していたということです。
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