2019年10月12日に台風19号が上陸した影響で、特別養護老人ホームやグループホームなど高齢者が入所する7都県の26施設が未だに復旧出来ておらず、他施設等へ避難していることが厚労省のまとめで分かりました。台風上陸から1か月が経ち、避難生活が長引く中、介護が必要な高齢者の生活をどのようにして支えていくかが大きな課題になっています。
避難の疲労で死者も
避難が続いてる高齢者施設は【長野:7、栃木:6、福島:埼玉・静岡:3、東京・群馬:1】で、いずれも浸水被害を受けました。
埼玉県川越市の特別養護老人ホーム【川越キングス・ガーデン】では、近くの越辺川の堤防が決壊して施設が浸水し、入所や職員が一時孤立。現在、入所者は別の施設に分散されましたが、1人は避難先で老衰のため死亡しました。福島県でも何か所も避難先に移動を重ね、体調を崩し認知症が悪化し3人が入院。うち1人が入院先で死亡したということです。
同志社大の立木茂雄教授(福祉防災学)は「高齢者を分散して避難させることも考え、複数の施設と協定を結ぶべき」と指摘。茨城県では、東日本大震災を教訓に高齢者らが利用する福祉施設を対象に条例で【地域住民や他施設との協力体制構築】を努力義務と規定するなど、災害時の連携を模索しているということです。