高齢者をターゲットにした特殊詐欺事件。そうした中、手品のようにキャッシュカードを別のカードにすり替える詐欺が急増しています。
警察官を装い、安心させて忍び寄る
大阪府警北堺署の提供音声によりますと、(詐欺グループの男)「身に覚えのない引き出しをされているという通報が私ども警察の方に入っています。勝手に個人情報を悪用されて、偽造口座を作られている可能性があるという時点で被害者になります。私ども警察の方でしっかりと保護しますので、ご安心ください」と警察官を名乗る男から今年6月に、大阪府に住む60代女性宅にかかってきた電話内容です。
この音声内容での注意点は【個人情報の悪用】【口座やキャッシュカードが偽装されている】などといった不安を煽るような言葉の一方で【保護します】【安心してください】と信用させる言葉です。そして、この後詐欺グループがキャッシュカードを取りに行くと言い、自宅で【すり替え詐欺】を行います。
また、こうしたすり替えの方法が書かれたマニュアルが、詐欺グループの組織の間で広まっていることが分かっています。
すり替え型詐欺の手口とは
①:警察官を装い「キャッシュカードが偽造されている恐れがあります。悪用されているキャッシュカードを取りに人を向かわせます」などの電話がかかってきます。
②:金融庁職員もしくは銀行職員などを装った人物が自宅を訪れ「キャッシュカードを利用停止するので、今使っているカードを封印します」などと言い、キャッシュカードと暗証番号を書いたメモを被害者に用意させて封筒に入れさせようとします。
③:入れた後「封をするのに割り印が必要」と言い、印鑑を取りに行かせている隙に事前に用意していた【偽のカード入りの封筒】とすり替えを行います。
大阪府警捜査第二課特殊詐欺対策室・川畑慶和室長は「封印が終わった段階で間髪を入れずに【封印をしますので印鑑を持ってきて下さい】と言います。印鑑を取りに行かせ、封筒から目を離した瞬間がポイントなんです」と警鐘を鳴らしています。
また、被害に遭わないための対策として「キャッシュカードを渡しても暗証番号を言わなけば、被害に遭わない。これだけは分かってほしいです」としています。