運転免許の自主返納が東北6県で加速 65歳以上が9割

今年1月から5月末までに、東北6県で高齢者の運転免許証の自主返納が増えています。特に【秋田・岩手・福島・山形】の4県では昨年を上回る勢いで、東北6県で共通の返納傾向として、自主返納者の約9割が65歳以上の高齢者が占めています。

高齢者による重大事故の増加が背景か

昨今、高齢ドライバーによる重大事故が全国で相次ぎ、高齢ドライバーの運転免許証の自主返納が増加しています。それは、東京都内だけではなく、東北地方にまで及んでいます。

● 2019年1月~5月末までの東北6県の自主返納者

・福島県:2875人(前年同期比216人増)
・宮城県:2572人(4人減)
・山形県:1986人(50人増)
・秋田県:1892人(23人増)
・岩手県:1823人(148人増)
・青森県:1621人(12人減)

昨年、東北6県で最も運転免許証の自主返納者が多かった県である【福島県(5,964人)】は前年から953人増加し、その8割以上に当たる4,914人が75歳以上の後期高齢者で、前年より1,306人増えました。

今年も、5月末までの自主返納者のうち65歳以上の高齢者が97%を占め、特に5月は752人、前年同月と比べると231人も増えました。5月に増えた背景には、4月に東京・池袋で起きた高齢ドライバーによる暴走事故が背景にあります。

福島県警運転免許課の担当者は「交通事故は人ごとではないと受け止め、当事者にならないために、(運転免許証)自主返納をしようという気持ちになったのではないか」と推測しています。

福島県警によりますと、県内の65歳以上の運転免許証保有者は、5月末現在で33万7,001人おり、全体の26%を占めます。(全体:129万7,870人)

関連記事

高齢者の運転免許証の返納が過去最多 事故多発が影響