金融庁 人生100年を見据えた資産形成が必要と提言

今月3日、金融庁は人生100年時代に伴い、「これまでより長く生きる以上、多くのお金が必要」とした上で、生活水準を維持するには保有資産の運用などの「自助」の取り組みが重要と指摘し、金融資産の不足が生じないための提言を盛り込んだ報告書を取りまとめました。

◇ 今後30年の人生で、最低2,000万円は必要

金融庁は、「現役期」「退職前後期」「高齢期」の3世代に分けて自助活動を実施すべきと例示しました。

報告書には、夫65歳以上、妻60歳以上の無職世帯、毎月平均5万円の収支不足が生じるとして、今後30年の人生を仮定した場合、単純計算で2,000万円が必要と試算。

老後の収入でもある公的年金が主軸とした上で、支出の再確認や保有資産を活用した資産運用などで、資産寿命を延ばす取り組みが必要とされています。

◇ 金融庁がまとめた具体的な提言

● 現役期
・早い時期から資産形成を行う「重要性」と「有効性」を認識する。
・信頼できるアドバイザー、長期的に取引できる金融サービスの会社を選ぶ。
・少額からでも資産形成の行動を起こす。

● 退職前後期
・退職後の人生が長期化していることを認識する。
・資産の目減り防止や計画的な取り崩しを検討する。
・受け取れる「退職金」や「年金」などを再確認(計算)し、老後資金が不足する可能性がある場合は就労継続を検討を行う。
・住居費や生活費が安い地方への移住も選択肢にいれる。

● 高齢期
・認知・判断能力の低下に備えておく。
・資産の管理方針を事前に決定しておく。
・資産の管理方針や通帳の保管場所などを信頼できる人と共有しておく。
・老人ホームなどの施設入所などは、想定よりも介護・医療費用が高い可能性があるため、マネープランを見直しておく。