政府は、今月中にまとめる予定だった認知症施策の大綱で、認知症の予防に関する数値目標を取り下げる方針を固めました。その背景には、認知症の人への配慮不足を指摘する関係団体などからの声に配慮したものだということです。4日の自民党部会に大綱の案を示し、月内に開く関係閣僚会議で決定する見通しです。
◇ 認知症の有病率6%を掲げるも・・・
5月に有識者会議へ示した大綱案に、70代での認知症発症を10年間で1歳遅らせ、2018年~24年までの6年間で、70代人口に占める認知症の有病率を6%減らす目標を掲げました。
しかし、当事者団体「認知症の人と家族の会」から「『認知症の人は努力が足りなかった』と受け止められない」と偏見を助長する懸念を表明しました。また、公明党も「誤った受け止めをされないように十分配慮すべきだ」と政府に要望していたということです。
※ 大綱は2015年に定めた認知症の国家戦略「新オレンジプラン」の後継で、予防と認知症になっても自分らしく暮らせる「共生」を2本柱にしています。期間は、2019年~25年の6年間です。
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