「老人イジメ」高齢者の免許返納に大学教授が苦言

2019年4月23日放送のTBS系情報番組「ゴゴスマ」に出演した、コメンテーターの「武田 邦彦」中部大教授(75)が高齢者に対する運転免許証の返納を求めることについて「老人イジメじゃないの?」と指摘。この発言がTwitter上で議論になっています。

◇「20歳代には、何で返納を求めないの?」

23日に放送された番組では、高齢ドライバーによる重大事故が多発している現状を特集し、「75歳以上になると運転に自信があると答える人が増える」という調査結果が紹介されていました。

この調査について、武田氏は「年齢がいくと、自信がなくなるという根拠はどこにあるの?」と不満をぶつけ、「何かみんな先入観があるんじゃない?老人になると自信を失ってほしいとか」と発言し、さらに「むしろ20歳代が免許を返納すべきじゃないか」と持論を展開させていました。

この発言で、司会を務めている石井亮次アナは「これは何と答えればいいんでしょうか?」と戸惑っていてたところに、武田氏は「これ、老人イジメじゃないの?」と発言していました。

◇ 交通安全白書のデータを紹介するも・・・

特別解説委員の「石塚 元章」氏(61)は、交通安全白書による資料では「運転ミスは75歳以上になると倍に増える」と紹介するも、武田氏は「それはね、情報操作なの、警視庁の」と認めず、「運転を安全にするってのは、技術だけでの問題じゃないですよ。心理的な問題ですね。20代の事故率が何故高いかと言えば、乱暴だからですよ。だから、その調査の中に乱暴性も入れなきゃいけない」。武田氏は、高齢者は運転ミスが増えても、慎重さが上がるため事故率は低くなる傾向だという考えを示しています。

石塚氏は「警視庁も高齢者をいじめようなどとは思っていない」と指摘するも「間違いなく思っています」と反論した上で、「免許返納をしたら人生の一部を無くすことに繋がり、地方に住む高齢者はバスもなくなっている中で生きる希望を失う」「高齢者差別」などと指摘しています。

◇ 武田氏の発言にTwitterなどで波紋を呼ぶ

これらの武田氏の発言に対してTwitter上などでは波紋を呼んでいます。その一部を紹介すると「こういう考えの高齢者が事故を起こすのでは?」「何が差別?被害者意識強すぎだろ」「池袋の件は、都会なんだから返納でいいでしょ」という声に対して、「高齢ドライバー全員を非難みたいな流れは良くない」「免許返納したら地方に人はどうする?」などといった武田氏を擁護する意見も書き込まれています。

しかし、これらの意見を見ていても疑問や批判が多いことから、武田氏の考えとは違い、多くの人が高齢者の運転は危険という考えを持っていると言えます。