【厚生労働省】介護保険制度の改正議論が始まる

2019年2月25日、3年ごとの介護保険制度の改正に向けた議論が、厚生労働省の社会保障審議会部会で始まりました。厚生労働省は、介護予防や認知症予防の推進などのテーマを提示し、給付と負担の見直しは挙げませんでした。国民負担に繋がる案件の議論は、夏の参院選後に先送りした形になります。

◇ 負担増に繋がる項目はなし

現役世代の減少に伴う「医療・介護サービスの確保」や「社会の活力維持・向上」という新たな課題に対応するために、厚生労働省が挙げた制度改正の検討対象となったのは、以下の5項目です。

● 健康予防・健康づくりの推進
● 保険者機能の強化
● 地域包括ケアシステムの推進
● 認知症の「共生・予防」の推進
● 持続可能な制度の再構築・介護現場

3年前に議題に挙がった「保険料の支払い年齢を40歳から引き下げる案」などの負担増に繋がる案は、挙げられませんでした。

一方で、在宅高齢者のケアプラン作成の有料化(自己負担の設定)や、要介護1・2の高齢者が利用する生活援助を介護保険から外し、市区町村運営の「地域支援事業」へ移行することなども盛り込まれています。また、自己負担額を原則「1割から2割」への増額も含め、今後の論点になるのは確実とされています。