高齢者世帯の同時死、一体何があったのか

高齢者世帯の同時死一体何があったのか・・・同時死の原因について解説します

東京都で「同時死」が6件

・東京都で平成30年2月から3月にかけて、2人暮らしの高齢者世帯が立て続けに亡くなっている出来事が少なくとも6件相次でありました。警視庁によると、いずれも病死などで事件性はないとコメントされています。またよくありがちな介護による「共倒れ」ではなく、高齢世帯の「同時死」という扱いになっています。何故「同時死」が起きてしまったのかを見ていきたいと思います。

○2月1日・・・豊島区:姉(86)と妹(79)
○2月3日・・・東村山市:夫(76)と妻(81)
○2月13日・・・町田市:姉(87)と弟(77)
○2月19日・・・豊島区:母親(86)と娘(60)
○3月6日・・・北区:姉(85)と80代の妹とみられる女性
○3月13日・・・北区:夫(83)と妻(85)

それぞれの死については、数日から1カ月が経過していました。いずれも死亡状況については、2人は間を置かずに亡くなられた可能性が高いといわれています。

どのようにして発見をされたのか

2月19日豊島区で発見された件では、2月5日から新聞が溜まっているのを、新聞職員が不審に思い通報したことから分かったといわれています。

他の件については現在分かりませんが、よくある例としては、「腐敗臭」や「賃貸の未納により催促を行ったが連絡が取れない」、「日課にしている活動の休みが続いている」等による通報で、発見されることがあります。

高齢者世帯にある死亡ケースとは

貧困による飢餓などありますが、比較的に高齢者世帯で多いとされているのが、老老介護や認認介護をしている高齢者世帯での「共倒れ」です。

介護における「共倒れ」とは

介護を行っている介助者が何らかの病気などで死亡してしまい、介護を受けている者が必要な介護を受けられずそのまま亡くなってしまうこと「共倒れ」といいます。

介護を受けている人は本当に助けを求められないの?

介護を受けている者が外部へ連絡するという手段について、例えば「認知症により外部へ助けを求める行為が出来ない
といった状況や「寝たきりの状態で動くことが出来ない状態
が挙げられます。

2人暮らしという安心感

遠くに住んでいる家族の考えでよくありがちなのが、「2人暮らしだから大丈夫」という考えです。
1人がダウンをしても、ダウンしていない方から連絡をもらえるだろうという認識が大なり小なりあるため、安心してしまうケースがあります。
また今回は年明けから間もないことから、年末年始に訪問し「元気だったから大丈夫」という過信が生まれてしまい異常に気づけなかった可能性も考えられます。

死亡した原因とは

インフルエンザによる可能性がある。

今季の冬はインフルエンザ患者数が過去最多を更新しています。東京都のインフルエンザ罹患数だけでも、129,345人です。
※東京都健康安全研究センター東京都インフルエンザ情報より10月9日~3月25日調べ(3月12日~18日データなし)。

インフルエンザの感染力はとても強く、免疫力が低下している高齢者は罹患しやすいとされています。またインフルエンザによる肺炎を併発すると死亡リスクが大きく上がります。

警視庁による死亡解剖によると、詳しい死因について不明であり、病死の可能性が高いと判断されています。ウィルスによる死亡では、数日経過してしまった遺体についてはウィルスが検出されないといわれています。
そのため、今回は特定の病気による死ではないため、今季大流行しているインフルエンザの感染によるものではないかと考えられます。
また感染力が非常に強いため、1人が発症してしまうと、免疫力が弱い方だと直ぐに移ってしまうため、今回の件のように2人が同時に死亡してしまった可能性が十分に考えられます。

ヒートショック

2月3日東村山市(夫)・2月13日町田市(妹とみられる女性)・3月6日北区(姉)は、浴槽や脱衣所で亡くなっており、何れも気温の寒暖差による「ヒートショック」によるものでしたが、他の場所で見つかった同居人の死因については不明でした。
こちらに関しては、同時死がヒートショックによるものとは考えづらいですが、気温の寒暖差は冬では多い事故であり、例えお風呂場や脱衣所ではなくても起きる可能性はあると考えられます。