有料老人ホームの種類と特徴

老人ホームには公的機関が運営を行っている施設と民間企業が行っている施設があります。基本的には高齢者の介護をする施設ですが、それぞれ特徴に違いがあります。ここでは民間企業が行っている有料老人ホームの種類と特徴についてご紹介していきます。

民間企業の老人ホームとは

有料老人ホームの種類は3つ

まず有料老人ホームには制度があります。

〇老人福祉法第29条第1項の規定に基づき、老人の福祉を図るため、その心身の健康保持及び生活の安定のために必要な措置として設けられている制度です。

○ 設置に当たっては都道府県知事等への届出が必要であり、設置主体は問わない(株式会社、社会福祉法人等の参入が可能)。

となっています。その中でも有料老人ホームには大まかに分けて3つの種類があります。「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」です。ここではその3つについてご紹介をしていきます。

介護付き有料老人ホームとは

特別養護老人ホームの民間企業版

介護付き有料老人ホームの特徴としては、身体介護や生活支援(家事全般など)から広範囲なサービスを入居者の状態や状況に合わせて提供が可能となっています。公的機関でいう「特別養護老人ホーム」に近いです。
また介護付き有料老人ホームにも更に2種類に分かれています。

・介護専用型・・・要介護度が1~5までの高齢者が対象。

・混合型・・・自立している高齢者から要介護1~5までの高齢者を対象とした施設です。

また認知症に罹っている方でも入居が可能です。しかし施設によっては、受け入れてもらえないこともありますので、事前の確認が必要です。

費用

基本的には入居一時金や保証金がかかりますが、施設によってはかからない場所もあります。しかしかからない場合は、月額に上乗せされていることもありますので、要確認が必要です。また費用に関しても、施設によってピンキリとなっていす。一般的な費用は10万円~が多いです。

介護・医療面

各施設によって違いはありますが、施設によっては24時間看護師が常駐している施設があります。そのため、胃ろう・ストマ・気管切開・常時点滴が必要となる方など医療処置が必要な方も受け入れてもらえる施設もあります。

問題点

医療費控除について

民間が運営を行っている介護付き有料老人ホームでは、ほとんどが医療費控除が受けられません。理由としては、そもそも介護付き有料老人ホームは医療施設ではないからです。しかしおむつ代や訪問診療代などは医療費控除の対象となるケースもありますので、希望される施設に確認を行ってみてください。

費用が高額

内容だけみれば、介護と医療がセットになっている大変頼もしい施設です。しかし、あくまで運営は民間企業でありますので、クオリティが高ければ高いほど入居費用は高いです。

そのため、入居費を抑えれば抑えるほど、高い施設とのサービスに異なりが出てきます。介護施設に限ったことではありませんが、安いものには何か理由がありますので、入居をお考えの方は慎重に選択されることをお勧めします。

住宅型有料老人ホームとは

必要に応じて介護保険サービスの利用が可能

住宅型有料老人ホームの入居条件は、「自立可能な高齢者」が対象となっています。しかし入居中に介護度が重くなった場合でも、介護保険サービスの理由が出来るため、直ぐに退去ということにはありません。

イメージとしては、常駐スタッフのいる自宅と考えていただけたら分かりやすいと思います。
そのため予算や身体の状況に合わせた介護保険サービスを利用することで入居を続けられます。
ちなみに常駐スタッフは基本的には、介助は行いません。見守りなど簡易的なサービスがメインとなっています。コンシェルジュのような感覚で良いと思います。

・レクリエーションやイベントごと多い

基本的に自立度の高い人が入居しているため、多種多様なイベントがあります。また交流も出来るため、一人孤独に生活ということはありません。そのため楽しく日々の生活が出来ることが大きな特徴といえるでしょう。

費用

・費用については基本的には、介護付き有料老人ホームと同様ピンキリです。月額10万円~が一般的です。
・入居金については、0~1000万超以上です。もはや青天井です。

問題点

介護付き有料老人ホームとは違い、介護が必要となった場合は、月額費用プラス利用を行った介護保険サービスの費用がかかります。

現在の介護保険サービスの負担の割合は1割か2割ですので、少ないサービスであれば、そこまで費用はかかりません。しかし介護度が重くなればなるほど介護保険サービスの利用頻度が多くなる傾向にありますので、費用面から考えて住宅型有料老人ホームに居続けるのが難しくなってくると思います。

そのため、入居する際は、先のことを考えて入居をすることをお勧めします。

健康型有料老人ホーム

全く介護の必要がない高齢者が対象

入居条件は、おおむね60歳以上が対象です。また病気をしていない「健康な高齢者」を対象としています。

娯楽やイベントの充実

イメージとしては、複合型住宅といった感じです。元気な高齢者が家事を行わず、一人でもさみしくなく、アクティブに生活をする施設です。

施設にもよりますが、食堂や露天風呂、プールがついていたり、トレーニングジムや理髪店、などの娯楽の複合施設です。

また施設内だけではなく、外出イベントも多様にあります。例えば、花見や温泉旅行、果物狩りなど多種多様なイベントがあり、暇がないくらい充実しているのが特徴です。

介護が必要になったら

あくまで「元気な高齢者」が条件です。介護が必要になった場合は、退去しなければなりません。介護施設という概念ではなく、健康な高齢者が住む施設です。

そのため、現在の日本の現状にマッチする施設ではありません。健康型有料老人ホームの件数的にも、全国で1割程しか存在していません。

費用

入居をするには、月額料金と入居一時金がかかってきます。
月額料金は、10万円~50万円が目安となっています。入居一時金について0~数千万円となっています。

問題点

ここでの入居条件は、あくまで「健康な高齢者」が対象です。そのため、日常的に介護が必要となった場合や認知症の発症、医療が必要となった場合は、退去しなければなりません。

そのため、退去した時のことも考えて入居をしなければなりません。また入居一時金についても退去時に返還されるものかも各施設に違いますので、入居前に必ず確認をしておくべきでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
ここでは民間企業による有料老人ホームについてご紹介をしましたが、全て料金が高額です。しかし公的機関では、なかなかない設備やイベントが多様にあるのが特徴でもあります。

介護付き有料老人ホーム以外の施設では、基本的には元気な方を対象としております。そのため介護が必要になった場合は、次の住処を探さなければなりません。多額な費用を払い入居をした後ですので、次の住処へ移れる財力に不安がある方は最初から介護付き有料老人ホームの混合型をお勧めします。

介護付き有料老人ホームの施設の設備は、楽しみにという分野に関しては他施設に劣る部分は多いですが、元気な方でしたら「外出して遊べばいいんです」。外に出れば施設以上の娯楽がありますので、施設内で全て完結しなくても良いのです。あくまで私の主観ではありますので、流す程度で留めておいてください。

いずれにせよ有料老人ホームの選択は、「今を楽しむために入居」か「先を考えて入居」だと思いますので、慎重に考え選択してください。

長文お読みいただきありがとうございました。