シニアドライバーズスクールの目的と内容とは

昨今、高齢ドライバーによる重大事故が多発していることを受け、自治体や自動車関連企業などが高齢ドライバーが事故を起こさないようさまざまな対策を講じています。最近でいえば、東京都が70歳以上の高齢ドライバーを対象に急発進防止装置の補助金を出すことを決定し実施しています。そうした中、JAFでも【シニアドライバーズスクール】という50歳以上のベテランドライバーに向けて全国各地で運転に関する講習会を開催しています。ここでの記事では、JAFが行っているシニアドライバーズスクールの目的(趣旨)と内容について紹介したいと思います。

シニアドライバーズスクールの目的

シニアドライバーズスクールは、平成8年度から開催されている運転講習会で、50歳以上の高齢移行期(50~64歳)を含む高齢ドライバー(免許取得後1年以上)を対象に実施しています。主に高齢者の身体機能や運転特性に応じたカリキュラムにより、自らの運転技術や知識などを見直し、安全運転に繋げていくことを目的としています。

ちなみに、2018年度には744名がシニアドライバーズスクールに参加しており、これまでの参加者数は約9,800名に上っています。

カリキュラムの内容

カリキュラムの内容は、高齢者が交通事故防止に有効なプログラムになっており、大きく分けて6つあります。

いきいき運転講座
・受講者参加型の運転講座で、映像を観ながら自分の運転を振り返る。

視機能診断
・ドライバーの見る能力を診断する装置を使い、画面に映し出されたターゲットを瞬時にタッチし、その傾向と対策を学ぶ(確認)。

運転の基本
・車の日常点検の仕方や乗車姿勢、運転時の死角の確認などを行う。

急ブレーキ体験
・実際の車を使って走行し、合図と同時に急ブレーキを踏む体験を行う。この体験を通して、反応が出来ているか、制動距離はどのくらいなのかを確認する。

先進安全自動車(ASV)の体験
・ASVが搭載されている車に実際に乗ってもらい、どのような装置なのかを体験してもらう。補足として、ASVはわき見などで判断が遅れた運転手のサポートとしてブレーキがかかる装置です。

交差点講習
・見通しの悪い箇所で、複数回に分けて停車し、左右の確認をする多段階停止について学ぶ。

これらの内容は、開催会場で異なりますので、お気をつけください。

シニアドライバーズスクールの開催概要

シニアドライバーズスクールの開催趣旨(目的)については、50歳以上のドライバーを対象に実践的な運転教育プログラムで講習会を実施し、安全運転の重要性を広く社会に喚起することです。下記に、開催概要を載せていますので、ご覧ください。

シニアドライバーズスクールの開催概要
● 開催日程 ・2019年5月から2020年2月までの間
・全国50会場で順次開催予定(2019年4月11日時点)
● 開催会場 ・全国の50会場で開催しています。詳しくはこちらをご覧下さい。
http://www.jaf.or.jp/eco-safety/safety/senior/schedule.htm
● 参加資格 ・50歳以上の普通自動車免許所持者(免許取得後1年以上の方)
● 募集人数 ・各会場30人程度(会場によっては一部異なる)。
・応募者多数の場合は、抽選。
● 使用車両 ・参加者の自家用乗用車(3・5・7ナンバーの任意保険加入車、ABS付車両に限る)。
● 講習時間 ・全日コース:約6時間(休憩含む)
・半日コース:約4時間
● 参加料 ・JAF会員:全日コース1,905円から、半日コース952円から。
※会場で、異なる場合有り。
※会場によって非会員も募集している。
● 申し込み方法 ・WEB受付・電話・FAX・メール等

まとめ

JAFが開催しているシニアドライバーズスクールでは、安全運転に欠かすことの出来ない運転の基本操作【走る・曲がる・止まる・見る・判断する】をマイカーに乗って再確認する講習会です。対象者は50歳以上ですので、恐らくはベテランドライバーだと思いますが、講習会の参加で、長年の運転で染みついてしまった自己流運転や、安全に対する配慮を今一度見直すことが出来ると思います。今後の予防安全のためにも、一度シニアドライバーズスクールに受講してみてはどうでしょうか。