高齢者の恋愛事情~恋愛は元気の元~

人間だれしも人生の中で一度は恋愛をすると思います。その恋愛は若い世代だけではなく、全世代の男女がします。何故なら、人は人を愛するようにできているからです。しかし、世間の人たちは、年老いたら性に対して枯れると思われがちですが、それは誤解です。高齢者の方たちも恋愛はします。ここでの記事では、高齢者の恋愛について深掘りしていきたいと思います。

老人ホームでの恋愛

意外と多いのが老人ホームでの恋愛です。もちろん、老人ホームにはさまざまな種類があるので、全ての老人ホームとは言えませんが、比較的自立されている方が入居する老人ホームだと高齢者同士の恋愛が多いと言われています。では、何故なのか。

死別による寂しさから

比較的自立されている方で、老人ホームに入居されている方で、配偶者に先立たれていることも少なくありません。また、ご家族とも遠く離れている場合などから「寂しさ」を抱いている高齢者も多いです。

そんな心境の中、老人ホーム内で、話や趣味が合う異性がいれば感情が芽生えるのは、ごく自然なことだと言えます。

若い世代の恋愛環境に照らし合わせていうならば「ずっと好きだった恋人と別れて、寂しい思いをしていたら、話や趣味の合う異性が現れた」といった感じです。

そう考えると、老人ホームでの恋愛もごく自然な現象だと思いませんか?もちろん、老人ホーム以外の環境(老人会など)にいる方でも同じことがいえます。

恋愛はQOLを高める

まず、恋愛をするには相手が必要です。その相手の存在が、全ての原動力になるのです。私の身近で起きた体験ですが、高齢者の方が恋愛した途端に「今まで1人で寂しかったけど、○○さんといると寂しくない」「○○さんは散歩が好きだから私も始めた」や「○○さんと何処どこに行きたい。あなた(筆者)、ここをインターネットで調べてもらえる?」など、寂しさが改善されたり、1人ではやらなかったことが相手がいることで、積極的に行動をする高齢者の方たちが多かった印象があります。

このように、何かを人と「共感・共有・楽しむ」ということは、その人自身の生活の質を高めるこに繋がります。ちなみに、例に出した人たちは、お互い配偶者に先立たれているので、問題ありません。

認知症の予防にもなる

当サイトでもいくつか、認知症の予防についてお伝えをしていますが、実は、恋愛をすると認知症の予防に繋がると言われています。

認知症の種類によって主な原因は変わってきますが、基本的には「生活の乱れ」と「心の問題、気持ち」が認知症の発症に大きく関わってきます。

◇ 効果的に栄養を摂る

まず、バランスの良い食事です。バランスの良い食事というのは、体を作るためには必要不可欠なものです。しかし、1人になると食べる嗜好が偏ってきたり、食事を作るのが億劫になってくる傾向にあります。これでは、バランスの良い食事を摂れることが出来なくなります。

ここに、恋人がいれば、自分の好みだけでメニューを決めるわけには行かないと、当然思ってくるので、自然とバランスの良い食事になる傾向にあります。さらに、相手がいると料理をしようという人も中には出てきます。

◇ 気分の高揚でセロトニンを分泌

「誰かと楽しく食事をする」「誰かと楽しく会話をする」などの行為は、脳内でセロトニンと言われる幸せホルモンが分泌されます。

セロトニンというのは、神経細胞同士が情報を伝えるために分泌する「神経伝達物質」の1つと言われており、この物質が、認知症の予防に一役買っているのです。

最近の研究では、認知症にかかっている人の脳内のセロトニン量を調べたら、低下している人が多いことが分かっています。そのため、恋愛して楽しく過ごすということは、セロトニンの分泌を促すことにも繋がるので、結果、認知症の予防になるのです。

家族の動揺

正直な話、自身の親が恋愛をしていることを知った家族の反応は、あまり良いもの(好意的)ではありません。男性の高齢者の場合ですと「籍を入れたい」と家族に相談した方もいて困惑させた方もいました。こういったことから、高齢者の恋愛はトラブルに発展するケースも少なくありません。

否定をせず、温かく見守る姿勢

まず、自身の親が恋愛をしていることを知ったら、温かく見守って下さい。少なくても本人たちは、真剣であり楽しんでいます。そこで、否定をしてしまうと、本人は凄く傷つきます。家族からしたら、戸惑うかもしれませんが、しばらく様子を見るのが良いです。

私の友人の家族の話ですが、友人の70代の祖母が友人の両親に「結婚したい程好きな人がいる」と急に打ち明けたそうです。家族は急な話だったため動揺し、間髪入れずに「何ふざけたこと言ってるの」と言ってしまったそうです。その後、祖母は友人の両親とは口を利かず、ほぼ絶縁状態になったと友人は言っていました。

というように、家族関係が悪化することもあるので、まずは様子を見るのが良いと思います。

相手の家族とも知り合いになるべき

恋愛は、いつ何時何が起こるかは分かりません。別れる場合もありますが、盛り上がり「結婚」となった場合は、少しややこしくなる場合があります。ある程度の交際期間を経ている場合には、本人たちの恋愛で何かあった時に協力をしてもらえるように、一度相手方の家族と顔見知りになっておくことをお勧めします。

まとめ

冒頭でもお話ししましたが、世間一般的には、年を取ると枯れてくると思っている方はいると思います。しかし、それは大きな誤解で、いくつになっても「男は男」「女は女」です。また、生殖機能は失っても性欲もあります。恋愛というのは、わくわくするような感情が生まれることで、心身に活力がでてきます。それは、生活習慣や健康にも影響が出てくるので、もし自身の親が恋愛をしていたら、まず温かく見守る姿勢で接してください。