朝晩の冷え込みが気になり始め、ところによっては木の葉も色づき、そろそろ暖房器具が恋しくなる季節になってきました。
暖房器具といえば石油ストーブ一択だった時代もあったようですが、安全性や煩雑性の観点から今では都心部では見かける機会はほとんどありません。
時代を超え、技術もかなり発達し、現代では様々な機能や安全性をを考慮した優秀な暖房器具が多く販売されています。ここでは、高齢者が安全に使える暖房器具を紹介します。
目次
高齢者が使う暖房器具を選ぶポイント
高齢者が暖房器具を選ぶ際には、安全性と快適性、そして省エネ性能が重要なポイントです。また、乾燥しにくい暖房器具も重要です。
これらを踏まえて、日常的に使いやすい暖房器具を選ぶことで、安心安全に快適な冬を過ごせます。
安全性を重視する
高齢者が暖房器具を使用する際には、まず安全性を最優先に考えることが重要です。
特に重要なのは、転倒防止機能が搭載されているかどうかです。
暖房器具が倒れた際に、自動で電源が切れる機能があれば、火災ややけどのリスクを防げます。
また、過熱防止機能がついているものは、長時間の使用による機器の異常な加熱を防ぎ、安心して使用できるため非常におすすめです。
高齢者は、皮膚が薄く敏感であるため、暖房器具の外側が熱くなりにくい遠赤外線ヒーターやパネルヒーターがおすすめです。
さらに、コードの取り回しにも注意が必要で、特にコードが長いと、つまずきの原因になりやすいため、コンセントの近くで使える暖房器具が望ましいです。
電気代の負担が少ないもの
高齢者が暖房器具を選ぶ際には、電気代の負担を抑えられるものを選ぶことも大切です。
エネルギー効率が高い暖房器具であれば、必要なスペースだけを効率的に温めることができ、電気代を節約できます。
特にセラミックヒーターや遠赤外線ヒーターは省エネ性能が高く、部屋の一部や小さなスペースを効率よく温めるのに適しています。
また、省エネ機能がついている暖房器具なら、設定した温度に達した時点で出力を自動的に抑え、無駄な電力消費を防ぐことができるため、電気代が気になる場合にはとても有効です。
使いやすい操作性
高齢者が暖房器具を快適に使えるよう、操作性がシンプルで分かりやすいものを選ぶことが重要です。
リモコン付きの暖房器具は、電源のオンオフや温度設定を手元で簡単に操作できるため、立ち上がる動作が難しい高齢者の方の負担軽減ができます。
さらに、タイマー機能がある暖房器具であれば、就寝前に時間設定を行うことで、一定時間後に自動で電源が切れるため、安心して使用することができます。
部屋の広さに適したものを選ぶ
高齢者が暖房器具を使う際には、部屋の広さに合った適切な暖房能力を持つ機器を選ぶことが大切です。
部屋が広い場合、小型の暖房器具では温まりにくく、電力を無駄に消費することにもなりかねません。
多くの暖房器具には、その性能に適した適正畳数が記載されているため、購入前に部屋の広さと照らし合わせて購入をしましょう。
乾燥がしづらいものを選ぶ
高齢者に適した暖房器具を選ぶ際、乾燥がしない器具や空気を汚さない器具を選ぶことがとても大切です。
特に高齢者は呼吸器が敏感な方も多く、石油ファンヒーターなどの燃焼式暖房は、室内の酸素を消費し、水蒸気を発せさせるため、空気の質が悪くなる傾向にあり、換気が必要になります。
代わりに、電気ストーブやセラミックヒーターなどの電気を熱源とする暖房器具は、燃焼を伴わないため燃焼式暖房よりは気になりません。
また、オイルヒーターも燃焼を行わず、室内の空気を乾燥させにくい特徴があるため、じんわりと部屋全体を温められるので、高齢者にも優しい暖房器具の一つです。
気をつける点・安全性について
高齢者が暖房器具を使う際には、特に安全性を考慮が必要です。
暖房器具は転倒や火災のリスクがあるため、転倒防止機能や過熱防止機能がついたものを選ぶと良いでしょう。
転倒防止機能
高齢者が暖房器具を使用する際に、機器が自動で電源を切る仕組みの転倒防止機能があると、万が一の事故を防ぐため非常に有効です。
寝室などで故意に接触しても、転倒防止機能のおかげで事故を防ぐことができるので、安心感があります。
過熱防止機能
暖房器具の温度が一定以上に上がった際に、自動的に電源をオフにし、温度を下げる安全装置のことです。
この機能があることで、暖房器具の長時間使用による火災や、暖房器具の消し忘れなど過熱防止機能は非常に重要です。
コードが短い暖房器具
暖房器具のコードの取り回しは、高齢者が安全に利用する上で非常に重要です。
コードが床にだらりと伸びていると、足を引っ掛けて転倒するリスクが高まり、また、コードに引っ張られて暖房器具が動いたり倒れたりする危険性もあります。
使用する際は、なるべくコンセントの近くに暖房器具を配置し、コードを短く保つことで、つまずきや引っ掛かりのリスクを抑えられます。
さらに、コードを壁際に沿わせ、必要に応じてクリップや結束バンドで固定するとより安全です。
延長コードは発熱やショートのリスクがあるため避け、直接コンセントに差し込むことで、より安心して使えるでしょう。
コードの取り回しに細心の注意を払うことで、高齢者が暖房器具を安心して使用できる環境が整うことができます。
省エネで選ぶなら、どの器具が良い?
結論からお伝えすると、短時間での使用なら遠赤外線ヒーターとセラミックヒーター。
長時間の使用とするならば、オイルヒーターとパネルヒーターです。
一般的に、遠赤外線ヒーターやセラミックファンヒーターは、省エネ性能が高く、短時間の効率的な暖房に適しています。
一方、オイルヒーターやパネルヒーターは、部屋全体をゆるやかに温め続けることに向いており、長時間使用することで快適さを保てる暖房器具です。
遠赤外線ヒーター
遠赤外線ヒーターの省エネのポイントは即暖性のため、短時間でスポット暖房に適しています。
必要な場所だけを直接暖めるため、効率的に暖かさが得られ、エネルギー消費が少ないのが特長です。
スポット暖房に優れ、無駄な電力消費を抑えられます。
セラミックファンヒーター
セラミックヒーターは、即暖性に優れた暖房器具であり、スイッチを入れるとすぐに温風が出るため、必要なときだけ短時間で使用することで効率よく暖められます。
部屋全体を温めるよりも、手元や足元など冷えやすい部分だけを温められるので、エネルギー消費を抑えられます。
パネルヒーター
パネルヒーターは低温でも快適な暖かさを提供できるため、部屋を必要以上に暖めすぎないように設定温度することで抜群な効果を発揮します。
室内が十分に暖まったらエコモードや低温設定にしておくことで、エネルギー消費を抑えながら温度を安定させることができます。
多くのパネルヒーターにはサーモスタットが付いており、設定温度に達すると自動的に電源のONOFFを調整するため、無駄な電力を消費せずに快適な室温を保ってくれます。
穏やかな暖かさをじんわりと提供し、適温での維持に向いているため、長時間の使用時の省エネ効果が期待できます
オイルヒーター
オイルヒーターは即暖性には劣るものの、熱が持続するため長時間使用する場合に向いています。
最初に部屋全体を暖める際には多少時間がかかるため、スイッチを入れてからしばらくはドア閉めるなどすると良いです。
暖まった後は、低温設定やエコモードを使って温度を一定に暖めることで、過剰なエネルギー消費を抑えられます。
暖房器具によっては、自動的に加熱を止めるサーモスタット機能が付いているオイルヒーターもあり、無駄な電力消費を抑えられます。
タイプ別に選ぶ
高齢者が安全に使用できる暖房器具には、以下のようなタイプがあります。いずれも、安全機能が豊富で使いやすく、空気を汚さず過乾燥も防ぐ特徴を持つものが多いです。
オイルヒーター
オイルヒーターは燃焼を行わないため、電気でオイルを加熱し、部屋全体をじんわりと温めることができます。
この仕組みにより、空気が乾燥しにくく、熱による肌への負担が少なく、またオイルヒーターには、温度が一定に上がると以上で自動電源が切れる高齢者危険防止機能にもあります。
オイルヒーターは重量があるので、躓きによる転倒が起きにくく安全性が高いのもポイントです。
ゆったりとした温かさを届けることができるオイルヒーターは、安心な高齢者の方におすすめの暖房器具といえます。
パネルヒーター
パネルヒーターは、パネルがじんわりと温まり、部屋全体を穏やかに暖めるタイプの暖房器具です。
暖房器具本体が熱くならない設計のものも多く、直接触れてもやけどのリスクが少ないため、高齢者に安心です。
また、パネルヒーターには倒れた際に自動で電源が切れる転倒防止機能や、一定の温度に達したときに電源をオフにする予測防止機能が搭載されている機種が多く、安全性が高い点も魅力です。
安心して使えるパネルヒーターは、穏やかな暖かさが求められる場所に最適な暖房器具です。
遠赤外線ヒーター
遠赤外線ヒーターは、遠赤外線によって体を直接温めるため、冷えやすい手足や足元をすぐに温めることができます。
必要な体の部位だけを集中的に暖められるため、エネルギー効率が高く、ムダなく暖を取ることができます。
安全面でも遠赤外線ヒーターには転倒したときに自動で電源がオフになる機能や、温度が一定以上に上がると自動で停止する危険防止機能がある器具もあります。
また、直接接触してもやけどのリスクが抑えられ点も、高齢者でも安心して使えます。
セラミックファンヒーター
セラミックファンヒーターは即暖性に優れ、スイッチを入れるとすぐに温風が出るため、寒い時でもすぐに暖かさを得られる暖房器具です。
サイズがコンパクトなので、部屋全体ではなく、特定の場所に設置する際にはおすすめです。
また、安全面では、過熱防止機能や転倒自動オフ機能が搭載されている器具もあるので、長時間使用しても安心です。