高齢者が生きがいを持てる生活とは

何故単身世帯が増えるのか

1.未婚率・死別率の高さ

単身世帯が増える原因としては、未婚率と死別率の高さが原因となっているのではないでしょうか。厚生労働省より、65歳以上の配偶関係別の割合が出されているので、まずご覧ください。

平成27(2015)年の有配偶率は、男性80.1%、女性は51.4%となっています。女性の高齢者の約2人に1人が配偶者ということを表しており、傾向としては上昇しています。男性に至っては、ほとんどが奥さんがいることになってます。しかし未婚率については男性5.3%、女性4.3%、離別率は男性4.4%、女性5.6%となっており、有配偶率よりかはパーセンテージが遠く及びませんが、いずれも上昇傾向となっています。

またこの図の女性の欄を見ていただけたら分かるように、死別については年々減少していますが、離別や未婚については徐々に増加しています。それらを合わせると約5割は独居で暮らしているということになります。また平均寿命は女性が長いですので、これからは女性の単身世帯が今よりも増えてくると考えて間違いないでしょう。

2.夫婦世帯と単独世帯率が約6割

・わが国は、少子高齢化、核家族といった問題を抱えています。そしてこれらの理由から今よりも独居高齢者が増加していくといっても過言ではありません。まずこちらの図をご覧ください。

平成27(2015)年時点で、夫婦世帯と単独世帯率は、約6割となっています。しかし夫婦のみでの世帯で、夫婦が同時に亡くなるということはあまりありませんので、 単独世帯予備軍といっても間違いはないと思います。そのため、家族などが何らかの手を打たなければ、将来的には単独世帯となってしまいます。

もしどちらが亡くなった場合単独世帯になった場合に起きてしまう現象が、最愛を亡くした影響による意欲低下及び無気力状態です。この状態に陥ってしまうと、外出の頻度が減り、ご近所付き合いも比例して減少してきます。

そういった状態が続くと、さらに老人性うつ病の発症や認知症発症のリスクをの原因にもなります。ではどのような生活をすれば、意欲低下から脱却し、そして老人性うつ病の発症や認知症の発症をせずに、生きがいをもった生活が出来るのか一緒に考えてみましょう。

生きがいを持った生活

基本的には、意欲低下なので何もしたくないということに陥っています。ですので、連れ出すまでが大変だと思います。私の経験上では、「いきましょう」などの誘いをしつこくすると、逆に意固地になるケースや関係を切られるケースをよく見ます。ですので、まず何かのアイディアを出すのもいいですが、本人の話を聞き、傾聴することが大事です。そういった状態を続けた中で、下記にいくつか案を出していきたいと思います。

ディサービスの参加

高齢者ということは65歳以上ということになりますので、介護保険の申請を行い、認定が下りた時点でディサービスに通うことが出来ます。ディサービスでは、同じ境遇の方や近い年代の方もいるので、一人ではないという気持ちになる可能性があります。

また現在のディサービスの特徴としては、外出行事(四季に合わせた外出)や工作、カラオケ、リハビリ、盤上遊び(麻雀、将棋、囲碁)など多種多様な活動を行っていますので、自分に合いそうなディサービスを見つけ、気分転換を図るのには良いと思います。

シニア向けの仕事

こちらは少し難易度が高くなりますが、現在では高齢者の方でも仕事が出来るシニア向けのアルバイトなどが数多くあります。例えばコンビニやファストフードなどで高齢者を雇っている会社もあります。

一般的なアルバイトの他にも、自身が住んでいる市町村が運営しているシルバー人材センターに登録するのも良いと思います。仕事内容は多種多様ですが、今までの経験や技術を活かした仕事に就くことも出来ますし、新たなチャレンジとして全く違った仕事も行うことが出来ます。基本的にはシニア向けですの、重労働な仕事はありませんので、安心ください。

また適度に体を動かすため、健康維持にもなります。仕事ですので報酬がもらえるため、生活に張りが出るのではないでしょうか。

インターネットの活用

インターネット??なに言っているの?と思われた方もいるか思いますので、まずこちらをご覧ください。

インターネットを利用したことがある高齢者が、70歳~79歳までで53.5%です。また5年前と比較すると14.3%も上昇をしています。図の通り、高齢者の間では年々インターネットの利用をする方が増えています。ちなみに60~69歳に至っては76.6%と若者世代とあまり変わらないのが現状です。

しかし利用はしたことがあっても、使用頻度が低いのでは?と疑問を持たれた方もいるでしょう。それはごもっともであり、年に数回しか利用しない方でも、上記のグラフにはカウントされます。では実際に高齢者の使用頻度について次の図をご覧ください。

この図の質問はインターネットの利用をしたと回答した65歳以上の高齢者にどのくらいの利用頻度なのかを問うたもので、約半数近くの45.2%が「毎日少なくとも1回」は利用をしていると回答しています。

ということは、高齢者の2人1人が利用していることになりますので、ネットの世界で会話をしてみたり、対戦ゲームなどをするのは良いのではないでしょうか?

またインターネット利用することで、インターネットショッピングも手軽に行えます。「遠くのスーパーに通うのも大変」、「車を使わなくては買い物へいけない」という方はいませんか?そういった方は是非インターネットショッピング活用するのはどうでしょうか?

しかしそうはいっても「パソコンなんて触ったことない」 という方もいると思います。それは高齢者に限らず誰もが最初に通る道です。分からなければ習えばいいのです。パソコン教室に通うのもありですし、ご家族に聞くのもありです。そういったことを始めるのもまた社会参加の1つだと思います。

インターネットの活用というのは、1つの案ですが上記の図を見ていただけたらお分かりのように、あながち無い話ではないと思いますので、ご参考していただけたらと思います。

③まとめ

いかがでしたでしょうか。
わが国では約6割が夫婦世帯、単身世帯というのが現状です。前述でも説明しましたが、夫婦世帯はいわば単身世帯予備軍です。もし何らかの手を打たなければ、単身世帯になります。

単身世帯になっても、元々生きがいを持ち、生活をしていた方でしたら、何ら問題のない話ですが、すべての方がそうとはいえません。単身世帯の方の「老人性うつ病の発症」や「認知症の発症」がしやすい傾向にあります。

そうならないためにも、生きがいを持った生活をするのが大切だと私は思います。最後にインターネットの提案をしましたが、図を見ていただけたらお分かりのように、論外な話ではないと思います。

今の時代はほぼIT社会です。私は高齢者にお話を聞くため、お会いする機会があるのですが、だいたいのがはスマートフォンか携帯電話を利用しています。持つきっかけになったのは、自主的な方もいますが、だいたいの人は家族や友人に勧められたという方がほとんどでした。

そして最初はぎこちなく利用していたが、教えてもらうにつれて徐々に使いこなせるようになってきたと話しています。要は、教えてくれる方がいれば出来るのです。ですので、最初からあきらめるのではなくまずチャレンジをしてみてください。やってみてダメなら諦めて他の方法を探せばよいのですから。