高齢者の不眠症の原因、対策について

高齢者の不眠症は、活動量の低下や身体的、精神的影響により眠りが浅くなることが主な原因です。また不眠症はただ眠れないだけではなく、病気の発症リスクを上げたり、精神に異常をきたしたりもします。
ここでの記事では、不眠症の原因について解説した上で、対策を紹介したいと思います。

高齢者の不眠症の原因とは

高齢者の不眠は、主に下記に記載したことが原因とされています。

1.身体面、精神面からの影響

高齢者の多くは、身体的及び精神的に何らかの悩みを持っています。例えば、睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群、老人性うつ病、腰や肩の痛みなどです。また高齢者の多くは何らかの薬を服用しているため、睡眠薬と他の薬との組み合わせによる副作用により、睡眠が阻害されることもあります。そういった影響により熟睡が出来ず不眠症に繋がります。

2.セロトニンとメラトニンの生成不足

基本的にはセロトニンとメラトニンの生成不足により不眠症に陥ります。そのため、これらの物質を効率よく生成しなけらば、不眠症の解消は難しいです。では、そのセロトニンとメラトニンというのは一体どういった物質なのか、簡単に解説したいと思います。

・セロトニンについて

セロトニンは、基本的に日光を浴びることで分泌される物質です(曇りでも分泌されます)。さらにセロトニンは、メラトニンという「睡眠ホルモン」を生成するのに重要な役割を果たしている物質でもあります。
そのため日光を浴びることで、睡眠を促すセロトニンの物質が生成されるので、日照不足ですとセロトニンが生成されにくいので、不眠に繋がりやすくなります。

・メラトニンについて

メラトニンは、セロトニンからの影響を受けています。睡眠ホルモンといわれているメラトニンは、体内時計と連動して「覚醒後14~16時間前後」に生成されるといわれています。そのため、例えば朝8時に起床すれば、だいたい22時頃からメラトニンが生成され、体は眠りに向けて準備をします。

しかしメラトニンの減少は、加齢に影響されるため若い人と比べると生成が少ないといわれています。そのため、眠りに入るまでに少し時間がかかる、もしくは浅くなるといったことが起きてきます。

また先ほどでもお伝えしたように、メラトニンを生成するにはセロトニンが必要となります。起床していても、セロトニンが分泌されていなければ、メラトニンは生成されません。

さらに高齢者は、心身の影響を受けやすく生活リズムや自律神経が乱れやすい傾向にあります。メラトニンは、そういった影響からも生成が減少するといわれています。

☆セロトニンとメラトニンの簡単まとめ

・セロトニンは、基本的には日光を浴びることで生成される。
・メラトニン(睡眠ホルモン)はセロトニンから生成される。また「覚醒後14~16時間前後」に生成される。
・すなわち、日光をたくさん浴びてセロトニンを大量に分泌させて、メラトニン物質を生成させることにより、快眠に繋がる。

3.夜間頻尿

夜間頻尿になってしまう原因が大きく分けて2つあります。

●多尿
●膀胱機能の低下

・多尿

一般的に健康な成人の尿量は、「1000~2000ml」といわれており、1日の尿量が3000ml以上を超えた場合は、多尿を疑います。水分の飲む量にもよりますが、一回の平均排出量は「150ml~200ml」以上といわれています。

ちなみに多尿の人の傾向では、糖尿病、高血圧、うっ血性心不全などの疾病を持った人が多いです。また利尿作用のある薬や飲み物、寝る前の水分補給をしている人も原因になります。

・膀胱機能の低下

高齢になると、膀胱の萎縮や弾力性の衰えてきます。また骨盤底の衰えや尿道の狭窄といった問題も出てきます。

このように膀胱機能の低下により、尿を溜めておく膀胱の容量が減少し、過活動膀胱や前立腺炎、膀胱炎などの影響により膀胱が過敏になっていくのです。

多尿や膀胱機能の低下から夜間に覚醒してしまい、頻回にトイレに行くことで不眠症になっていきます。さらに「また今夜もトイレに行きたくて起きるのかな」、「何だかまたトイレに行きたくなってきた気がする」といったような不安にかられ、精神的なストレスも加わり、不眠という悪循環が生まれてしまうのです。

高齢者の不眠の対策について

1.生活のリズムを整える

前述したメラトニンという物質は、眠りを促すホルモンです。メラトニンの分泌は、一般的に目覚めてから14時間~16時間の経過から分泌されます。

しかしこれはいつもの時間帯に起き、寝ることでの計算です。そのため体内時計が狂っている人は、分泌の時間に差異が生じてきます。

生活のリズムを整えるということは、決められた時間にメラトニンを分泌させることに繋がります。またメラトニンを分泌させるには、セロトニンの分泌が必要不可欠です。そのため、日中に出来るだけ日の光を浴びてセロトニンを分泌させ、メラトニンの生成を行うことにより、良質な睡眠が行えることに繋がります。

2.生活環境の改善

・セロトニンの分泌をさらに促す

前述したとおり、セロトニンの分泌は日光を浴びることです。しかし日光以外にもセロトニンを分泌させる方法があります。ここでは、さらに効率よくセロトニンの分泌を促す方法について紹介したいと思います。

〇適度な運動

運動を行うことで、セロトニンの分泌が促進するといわれています。特にリズム運動が絶大な効果を生むといわれています。

例えば…

●テンポよく足踏み
●ウォーキングやガムをリズムよく噛む
●体操や水泳といった運動

こういった運動を約20分程行うことで、セロトニンの分泌が促されるといわれています。ですので、習慣的に行われることをお勧めします。

〇食生活の改善

セロトニンという物質は、アミノ酸の一種といわれています。そのためバランスのよい食事を摂ることで、セロトニンが補えるとされています。

アミノ酸は、たんぱく質が豊富に入った食品から摂れます。ですので、「肉や魚」、「大豆製品」、「乳製品」などを積極的に食べることで、セロトニンの素が摂れます。

セロトニンの素を摂るということは、メラトニンの分泌を促すことにも繋がりますので、是非積極的に食べてみてください。

〇笑いましょう

笑うことで、セロトニンの分泌を促すといわれています。またうつ症状にかかっている人は、セロトニンの分泌が減少しているともいわれており、セロトニンは私たちの気持ちに大きく作用されています。ですので、積極的に笑うことをお勧めします。

3.寝る前に極力水分を飲まない

寝る前に水分を飲んでしまうと、体内に水分を溜め込んでしまうので、夜間頻尿の原因にもなります。そのため、「寝る1~2時間前」は極力水分を控えましょう。また利尿作用のあるお茶なども控えることで、夜間のトイレの回数が減ると思います。

4.早い時間での就寝は控えましょう

高齢者の方でよくありがちなのが、やることがないと布団に入ってしまうといった行為です。確かにやることもないし、起きていることが辛いという高齢者もいますので、必ずしもやめた方が良いとはいえません。

しかし、早い時間帯に布団に入るということは、そのまま眠りにつき中途半端な時間帯に起きてしまう可能性があります。また体内時計も崩れることになりますので、お勧めしません。

また睡眠時間の前倒しをすることで、就寝時間が徐々に早まることになります。それは日中の活動時間帯が減少することになるので、セロトニンの分泌が抑えてしまうことに繋がります。そのため、なるべく早い時間帯での就寝は避けましょう。

手軽にセロトニンの分泌を促すサプリメント

前述した通り、セロトニンの分泌はいかに重要なのかは、もうお分かりだと思います。しかし、体調や気分などにより、外に出て日光に浴びれない方もいると思います。ましてや天気が悪い日が続けば、効率よく日光を浴びることすらできません。そんな方のために、手軽にセロトニンの分泌を促すサプリメントを紹介したいと思います。それがこちらです。

こちらの商品は、正確にはセロトニンの物質を手助けるサプリメントです。セロトニンの摂取ではありませんが、結果は同じ事です。こちらのサプリメントを効率よく摂取することにより、セロトニンを生成することが出来ます。

念のためお伝えしますが、こちらは睡眠薬ではありませんので、飲んだからといって直ぐに眠れるわけではありません。またサプリメントは栄養補助食品ですので、基本的には規則正しい生活を行った上で飲むことにより最大の効果を発揮します。

しかし出来ない方でも、補助してもらえますので、飲まないよりは、快眠に近づけると思います。そして、飲み続けることでより効果は実感できると思います。

※他にお薬を飲んでいる方ですと、万が一副作用がある場合がありますので、主治医に相談をした上でご検討ください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
睡眠を促す作用のメラトニン、そのメラトニンを生成するセロトニン。この二つの作用により、私たちは眠りにつくことが出来ています。しかし加齢や外的要因により生成が減少し、良質な睡眠がとれなくなります。

不眠症にならないためにも、決まった時間の起床と就寝、栄養バランスが摂れた食事、定期的な運動を心がけることが必要です。

それらの生活を行った上で、症状の改善が見られない場合は、主治医へ相談してみるとよいでしょう。