高齢者のインフルエンザ対策 早めのワクチン接種がカギ

今年のインフルエンザは例年より早くに流行し始めたのはご存知でしょうか。2019年9月末時点で【東京・鹿児島、福岡、佐賀、石川、沖縄】などの10都県が流行期に入り、早くもインフルエンザ警報が発令されました。

それから1か月ほどが経ち、秋風が吹き少しずつ寒くなってきた今、さらにインフルエンザウィルスの感染の危険性が高まってきています。
そして、特に注意をしなければならないのが高齢者の感染です。高齢者の場合、若者と比べて免疫力が低下しているため感染すると重症化しやすく、最悪の場合、死に至ることもあるため、早めの対策・予防がカギとなります。

何故、早めの対策・予防が必要なのか。ここでは、高齢者のインフルエンザ対策・予防についてお伝えしていきたいと思います。

2009年の大流行の傾向と似ている?

冒頭でお伝えした通り、9月のまだ暑い時期にインフルエンザの流行が確認され、20都道府県、68学級が学級閉鎖になりました。特に沖縄県での流行が著しく、夏場(6~9月)の警報発令は、新型インフルエンザが流行した2009年8月以来となります。

患者の年齢別では1~9歳の小児が最も多く、次いで80代以上、70代の高齢者と続いています。流行の型について厚労省によりますと、2009年に大流行した新型の【AH1pdm09】が73%と最も多く、次いでA香港型(17%)、B型(10%)でした。2009年は8月の夏に流行り、10月~12月が発生のピークを迎えているため、こうした傾向から今年のインフルエンザは要注意と考えられます。

旅行者が全国に広めた可能性も

インフルエンザウィルスは、低温と低湿度を好むため、冬の寒気に流行しやすい傾向にあります。しかし、近年インフルエンザの流行は夏でもすることが明らかになってきており、2009年の大流行の年、2015年7月末~8月では沖縄県でインフルエンザA型の集団感染がありました。

また、インフルエンザは1年中、世界中どこでも常に流行しており、北半球であれば1~3月、南半球では8~9月、東南アジアでは7~9月が流行のピークで、さらに今年は日本でラグビーワールドカップの開催により多くの観光客が来日し、インフルエンザウィルスが持ち込まれた可能性もあります。

高齢者の罹患が怖いワケとは

高齢者の免疫力は、60歳を超えると20代のおよそ半分と言われており、年齢が上がるにつれて顕著になります。

免疫力が衰える理由としては、年を重ねるごとに菌を倒す白血球を生み出す数が減るため活動が衰えていきます。また、白血球の成長を助ける脾臓やリンパ節の機能も低下するため、病原体への反応も弱まっていくことから、高齢者の体全体の免疫力が低下していきます。

合併症の肺炎は死に至る

インフルエンザで体が弱っていると、肺炎にかかりやすくなります。

まず、インフルエンザで炎症を起こした気道の防御機能が弱まります。それにより、元々常在している肺炎球菌やインフルエンザウィルス菌が免疫力の低下によって肺で感染しやすくなり、肺炎が引き起こされます。

さらに、高齢者の場合は、肺炎の典型的な症状(高熱・咳・喀痰など)が出づらく、気づいた時には重症化しているケースが多々あるため、十分に注意が必要です。

インフルエンザ対策・予防

今年も11月に入り、これからインフルエンザウィルスの感染が全国的に広まっていきます。インフルエンザウィルスに感染しないためにも、流行る前に対策・予防が重要です。

ワクチン接種

インフルエンザの予防には、ワクチン接種が一番効果的です。インフルエンザワクチンは、体内に弱いインフルエンザウィルスを注射することで、抗体が作られます。効果は、5か月程です。

ただ、抗体が出来るまで2週間程度がかかるため、どんなに遅くても12月上旬までにはワクチン接種を終えていることが望ましいでしょう。

接種の回数は、健康な成人や基礎疾患(慢性疾患)のある方を対象に行われた研究で、インフルエンザワクチン0.5mLの1回接種で、2回接種と同等の抗体価(※)の上昇が得られるという報告があることから、厚生労働省では、13歳以上であれば原則1回としています。

また、高齢者の場合はインフルエンザウィルスに感染すると重症化あるいは死に至る恐れがあります。特に【心臓・腎臓・呼吸器系】に持病がある方は、早めのワクチン接種を強く勧めます。
※抗体価とは、抗原と反応できる抗体の量であり、ウイルス感染やワクチン接種により体内で産生された抗体の量を測定することで得られる値のことです。

栄養をしっかり摂る

ワクチンが一番効果的と言いましたが、栄養状態が悪ければワクチンを接種していてもインフルエンザに罹る場合があります。そうならないためにも、体をしっかり作ることが大事です。では、どのような食事を摂れば良いのか。

一番は、免疫力の低下の原因でもある活性酸素(※)を防ぐ、抗酸化力のある食べ物が良いとされています。具体的には【良質なたんぱく質と野菜】です。
※活性酸素:免疫機能の武器として活躍しますが、過剰に放出されると体を傷つけてしまうため、活性酸素に対抗する抗酸化物質を取り込むことで、免疫機能の維持ができると考えられています。

● 良質なたんぱく質
・良質なたんぱく質とは、アミノ酸がバランスよく含まれているたんぱく質のこといいます。動物性たんぱく質であれば【肉・魚・牛乳・乳製品】。植物性であれば【豆類】です。

●野菜
・β-カロテン(マクロファージの増殖・リンパ球の機能を高める)
かぼちゃ・人参・ほうれん草・小松菜・ブロッコリー
・ポリフェノール(活性酸素の除去、白血球の働きの向上)
赤ワイン・緑茶・ココア
・β-グルカン(マクロファージを刺激し免疫力UP)
キノコ類(マイタケ・シメジなど)
※マクロファージ:マクロファージが体内に侵入したウイルスの情報を集め(病原体を食べるなど)、そのウイルスの情報を免疫のT細胞に伝えます。

ただ、それだけを食べていれば良いという訳ではなく、バランスよく食べることが大事です。また、不規則な生活をしていれば、当然体は弱っていくので、十分な睡眠をとり、適度な運動を行って生活リズムを整えてください。

念入りに手洗いをする

分かり切っていることかもしれませんが、インフルエンザウィルスの感染経路は【飛沫感染】と【接触感染】の2つです。

●飛沫感染
・感染者の咳やくしゃみなどから一緒に放出されるウィルスを、口や鼻から吸い込むことで感染します。

●接触感染
・感染者が放出したウィルスが、手や物(ドアノブやつり革、スイッチ)などに付着し、それを触った手を介して自身の粘膜(目・鼻・口)から感染することです。

米国の国立衛生研究所が地下鉄の乗客に行った調査では、つり革や手すりを触る回数が1人平均3.3回、顔は3.6回。さらに別の調査で、3時間のうち鼻を平均16回、唇を平均24回触るという調査結果があり、人は無意識に顔および粘膜に触れていることが分かります。

自ら無意識にウィルスを取り込んでいる可能性もあるため、手洗いは感染対策・予防の観点からも重要となります。

水を使わなくても手を瞬時に除菌が出来るアイテムがあります。それが下記の商品です。値段もお手軽且つコンパクトなので、この商品をカバンに1つ入れておくだけで外出時でも手洗いが出来るのでオススメです。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。
今年のインフルエンザは2009年に大流行した傾向と似ていると言われています。私の知り合いでも既にインフルエンザに罹った人もいます。これからは、ますます寒くなるため、インフルエンザウィルスがさらに活発化すると予想されます。そして、高齢者の場合は若者と比べて免疫力が低下しているので、早めにワクチンを接種し、体調管理・手洗いを徹底して無事に冬を乗り切ってください。