認知症が原因とする行方不明者の件数が5年連続更新

認知症が原因とする行方不明者の件数が5年連続更新

全国の警察に行方不明の届け出が受理された中で、認知症が原因での行方不明者数が2016年は1万5,432人だったのに対し、2017年は1万5,863人と2012年から統計を取り始めてから5年連続更新したことが分かった。
また認知症が原因での行方不明者の性別の内訳を見てみると、男性が8,851人、女性が7,012人となっている。

認知症による行方不明者の性別の内訳
男性 8,851人
女性 7,012人

都道府県別での最多地域は大阪府1,801人

都道府県別の行方不明届け出件数では、大阪府が最も多い1,801人。次いで埼玉県1,734人、兵庫県1,396人、愛知県1,341人、東京が1,284人。そして最も件数として少なかったのが、島根県38人ということが分かった。

認知症による行方不明者、都道府県別の届け出数の内訳
大阪府 1,801人
埼玉県 1,734人
兵庫県 1,396人
愛知県 1,341人
東京都 1,284人
島根県 38人

2017年に認知症による行方不明者が発見できた件数が、1万5166人

2016年以前の行方不明の届け出を含めて、昨年2017年に発見された認知症の方は1万5166人でした。確認されるまでの期間については、行方不明の届け出が受理されてから当日に発見された方が1万1027人。2~7日目が4,034人ということが分かっており、ほとんどの方が行方不明の届け出が受理されてから1週間以内に発見されている。しかしその中で470人が死亡していた。

2017年中に発見された認知症行方不明者数 1万5166人
当日に届け出を提出し、発見された認知症行方不明者の人数 1万1027人
2~7日目で発見された認知症行方不明者の人数 4,034人
1週間の間で、認知症行方不明者が亡くなった人数 470人
届け出の取り下げ 125人
1週間の間での発見率 99.3%

補足として、2017年のすべての年代の行方不明者が8万4850人だったのに対し、70代の行方不明者が9,425人。80代以上が1万476人となっている。(認知症の有無とは別)

行方不明にならないための対策とは

一番オーソドックスで効果的なのが「GPS」です。「GPS」を身に着けることにより居場所が瞬時に分かるからです。しかし認知症の方は意識して「GPS」を持つことができないため、介助者が事前に普段身に着けている物に「GPS」を着けなければ意味がありません。装着場所としては、バッグ、衣服、マンポケ、靴、普段手放さない物などが良いでしょう。
また「GPS」は電池式なので、介助者が頻繁に充電をしなければ、いざという時に電池切れという事態が起きてしまうので注意が必要です。

今では民間セキュリティ会社でも「GPS」のレンタルサービスを行っています。民間セキュリティ会社の特徴としては、介助者が迎えに行けない場所に行ってしまった場合や都合により出向くことが出来ない際に、代わりに依頼し迎えに行ってもらえる点です。そのため、もし可能でしたら民間セキュリティ会社との契約をお勧めします。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
2012年から統計を取り始め、認知症が原因となる行方不明者数が5年連続増え続けています。背景としては、高齢者の増加に比例し、認知症患者が増加しているためと考えます。そのため、今後も認知症が原因となる行方不明者は増えてくるでしょう。それには認知症にならないために予防をすることが大事なのですが、既に患っている人に至っては認知症の進行を少しでも抑えることが大事です。またよく外へ出かけてしまう認知症の方でしたら、前述で紹介した「GPS」をお勧めします。「GPS」ですべてが解決されるわけではありませんが、やみくもに探すよりかは一定の効果が得られると思います。「GPS」などを活用し、少しでも認知症による行方不明者が少なくなることを願います。