終活とは? 終活の方法、メリットとデメリットを解説

終活と聞けばご存知の方も多いと思いますが、終活の起源は平成21年に週刊朝日で終活に関する連載が行われたことから広まった造語と言われています。そこから終活本や映画・エンディングノートといった物が出回り、人が終わりに向けて準備(計画)をしていくことの大切さや必要性などが世間で話題になりました。

もし、自分が亡くなれば家の片づけや葬儀、墓、相続などの色んな問題がでてきます。そうした事は家族がやってくれると思いますが、これら全てを家族がやると相当な負担になります。そこで、体が元気なうちに自分でできることは事前にやっておくのが【終活=生前整理】です。他にも、身辺整理以外にも新たな発見ができたり、終活が完了したことで残りの人生を楽しく過ごすことできるメリットがあると言われています。ここでの記事では、終活のやり方(方法)と、そのメリットとデメリットについて詳しくお伝えしたいと思います。

終活とは

高齢になれば、若い頃と比べ【死】というものを意識し始めます。意識する年齢については人それぞれでしょうが、70・75・80歳と年を重ねていくごと「自分はいつまで生きれるのか」といった不安や「家族に迷惑をかけたくない」「病気やケガで寝たきりになったらどうしよう」といった考えが出てくると思います。そうした不安をなくし、残りの人生を楽しく生きていくために行うのが終活です。

終活のメリットとデメリット

上記でも軽く触れていますが、ここでは終活で得られるメリットとデメリットを詳しくお伝えします。

終活のメリット

● 残された家族の負担を減らすことができる
・あなたが何もしないで亡くなった場合、家族はあなたに変わって事後処理をしなければなりません。よくある話が【遺品整理・財産関係(相続等)・葬儀場探し・墓の手配など】です。特に、遺産相続など金銭が関わる問題は、大きなトラブルに発展する恐れがあります。相続に関わる親族と事前によく話し合っておけば回避ができます。話し合う機会がなければ、書面等に残しておくと良いでしょう。

● 家族にケガや病気になった時の意思を伝えておく
・年を重ねればケガや病気になることはよくあります。ケガや病院の程度は直面しなければ分かりません。自分の意思を伝えられる状態の程度ならば良いですが、自分の意思が伝えられない状態もありますので、そうなった時に備え【希望の医療介護施設の場所・延命治療の有無】などを事前に伝えておくと、互いの負担がなくなると思います。

● 残された老後生活が楽しめる
・「今後どうなってしまうのか」と先行きが曖昧な状態より、ある程度整理がついている方が気持ちが楽になります。また、残りの時間をどのように使うかといったアイディア等が浮かびやすいので、時間を有効に使うことができます。

一番のメリットは、体が動くうちに整理をしておくことで、残された人生を前向きに過ごすことが出来ます。例えばですが、小学校の夏休みの宿題を【先にやって、残りの日を思う存分楽しむ】かといった感じに似ています。先に、大変なことを終わらせておくと今よりも自分らしい生き方が出来るのが終活の最大のメリットです。

終活のデメリット

本末転倒かもしれませんが、終活そのものを不安に感じてしまうことです。終活を行うと必ず自分の死と向き合うことになります。特に葬儀や墓を決める時などは死に直結することなので、死に対する恐怖を感じてしまいネガティブな気持ちになるかもしれないので注意が必要です。対策としては、同じ考えを持った友人や家族に付き添ってもらうなどすれば少しは楽になるかもしれません。

終活の方法

実施にどのようなにして終活を行うのか疑問に思った方もいると思います。そこで、ここからは代表される終活のやり方について紹介したいと思います。

遺言書を書く

遺言書を書く目的は、財産の相続人や分配を明確にすることが目的です。ただ、収入ばかりではなく借金や相続税といったマイナス部分もあるため遺言書の内容次第ではトラブルになるケースもありますが、この場合は遺言書を書くよりかは生前に負債を処理した方が良いです。

話は戻りまして、遺言書には【自筆証書遺言:自身で遺言書を作成】【公正証書遺言:公証役場にいる公証人によって作成・発行・保管される遺言書】【秘密証書遺言:遺言書は自身で作成し、公証役場に持ち込み保管してもらう】の3つの種類があります。遺言書は、適切な方法で書かなければ無効になるので、よく調べて書くことをオススメします。可能ならば、専門家に依頼した方が無難かもしれません。補足として、のちに紹介するエンディングノートは遺言書にはなりませんので、勘違いして書かないように注意してください。

葬儀・墓を決める

自分がどのような葬儀をして最後を終えるか、そしてどこの墓に入るのかを後悔しないために決めておくことが大事です。

葬儀の種類もいくつかあり【一般葬・家族葬・1日葬・直葬】があります。これらだけでも費用の差はかなりあります。費用を予め決め、事前に葬儀を申し込んだり、家族に依頼することをオススメします。

墓にも【公営・民営・寺院・永代供養】といった墓地があり、宗派、立地、設備、墓の大きさや、使用料、管理費などそれぞれ違います。これも葬儀同様、家族環境や経済状況を考慮して予め決めておくと良いでしょう。

生前整理を行っておく

生前整理をある程度しておくことで、残された家族の負担が軽減されます。本人が亡くなった後、葬儀の手配や火葬などやることは山ほどあります。そんなところに、手つかずの状態の遺品があれば、それを処分(整理)するだけでもお金や時間がかかるので大変です。そうならないためにも、体が動くうちにコツコツと生前整理を進めておくと家族に迷惑がかからずに済みます。

ただ、何でもかんでも整理をするのではなく、効率よく生前整理を進められるよう下準備をしておくと良いでしょう。例えば【財産目録(預貯金通帳・年金手帳・有価証券・宝石や骨とう品など】の作成や、家族に予め重要な物を聞いておくことで、実はあとで必要だったというトラブルなどが回避できます。

あと、よくあるのが写真や賞、映像の処分方法ですが、人によっては沢山持っている人もいると思います。そうした場合には、DVDやUSBメモリーなどに保存することで生前整理が効率的良く進められます。

エンディングノートを書く

エンディングノートとは自分の【生と死】を綴るためのノートです。基本的には、何を書いても良いのですが、一般的に言われているエンディングノートの書き方についてお伝えします。

● これまでの人生を振り返る
・エンディングノートにこれまで歩んできた人生の出来事を書いて振り返ることができます。そして、振り返ったことにより残りの人生の過ごし方を考えるきっかけができます。また、生い立ちなどを書くことで残された家族の心に残る場合もあります。

● 資産や貴重品の情報を残しておく
・金銭問題は自分の死後でもトラブルになります。そのため自分の資産状況(借入金・ローン・貸しているお金・不動産など)を細かくまとめておくと良いでしょう。また、パスポート・通帳・印鑑・マイナンバー等の保管場所などを記しておくと、自分が亡くなった時に家族の負担が軽減できます。

● インターネット情報
・SNSをやっている場合、自分が亡くなった場合もアカウントを残しておくかなどの有無を記載しておくと家族も困らないと思います。パスワードなどのログイン情報を記載しておくと良いでしょう。

● 親族や友人について
・葬儀に参列してほしい友人や同僚などの氏名や住所を記載しておくと、最高の葬儀になると思います。

● 医療や介護について
・病気などで自分の意思が伝えられなくなった時に備え、延命治療の有無などを書いておくと家族が混乱しないで済みます。

● 葬儀や納骨について
・希望する葬儀内容や、宗派、遺影に使って欲しい写真、納骨する方法など自分の死後についての内容を詳しく書くことで家族の負担が軽減できます。

エンディングノートのオススメ3選

書店に行けばエンディングノートの種類は沢山あります。ただ、どのエンディングノートを買ったら良いか迷う方もいると思います。ここでは、筆者オススメのエンディングノート3選を紹介したいと思います。

このエンディングノートは、医療介護・銀行情報などの分野ごとにチェック方式に書くことができます。また、マンガで終活などの事例も紹介しているのでイメージが掴みやすくなっています。

上記のエンディングノートと同じ、各分野ごとにチェック方式で自分の想いを書くことができるノートになっています。唯一違うとすれば、値段が安い点と、明るい色や花のイラストなど温かみのあるデザインが採用されている点です。

こちらのエンディングノートは、ビジネス風のエンディングノートになっています。そのため、中身非常にスッキリしており、ビジネスマンだった人なら馴染み深いノートになること間違いありません。また、表紙も【エンディングノート】を連想させるデザインではないので、「エンディングノートは、あからさま過ぎて嫌だな」と思っている方には最適な商品だと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
人生の最終章を迎えるにあたり、どのように過ごしていくのかを考えるのが終活です。正直な話、終活というものに定義はなく、ここでは一般的に終活とされている事を述べさせてもらいました。正直、終活に正解はありませんので、あなたが【これだけはやっておかなければならない】というものを行えば良いと思います。そうすることで、気持ちが晴れ、残りの人生を有意義に過ごすことができるはずだと私は思います。