年齢を重ねていくと、ちょっとした買い物でも荷物を運ぶのが大変になりませんか?ましてや、買い物袋を片手もしく両手で持つとバランスが崩れやすくなり不安に感じる高齢者の方もいると思います。そういった荷物運びや歩行時のバランスを保つのに役に立つのがシルバーカーです。機能面だけではなく、オシャレなデザインもあるのでファッションとして楽しむこともできます。ここでは、安心安全に荷物運びや歩行ができるシルバーカーの選び方とおすすめを5つ紹介します。
シルバーカーとは
シルバーカーとは、歩行時のサポートや荷物が収納できる歩行補助具のことをいいます。車種にもよりますが、途中休憩をするために使う座面付きのシルバーカーもあります。
使用環境や用途に応じたシルバーカーを手にすれば、今よりも生活が快適になり、安心安全に過ごすことができます。
こんな方にシルバーカーがおすすめ
シルバーカーには、小さいサイズから大きいサイズまであり、サイズに応じて機能も異なります。「何となく良さそう」で買ってしまうと、本来求めていた役割を果たしてくれなく、結局使わなくなるというケースはよく聞きます。そうならないためにも購入前には必ず、移動時の困りごとを明確にし、それに応じた機能が付いているシルバーカーを選ぶことが大切です。
例えば、休みながらでないと歩けない方や、支えがないと歩くのが不安な方、物を持って歩くことができない方などの不安を感じている方は、シルバーカーがおすすめします。
シルバーカーの種類と特徴
シルバーカーには多くの種類があるため、どれを選んでよいか分からなくなると思います。ここでは、そういった方のために各シルバーカーの種類ごとの特徴をお伝えします。特徴を知ることで、本当に今欲しいシルバーカーが見えてきます。
コンパクトタイプ
コンパクトタイプは、軽量且つ小型サイズなので持ち運びには大変便利なシルバーカーになっています。電車やバス、タクシーなどを利用されることが多い方、室内や狭い場所をよく移動される方はコンパクトタイプのシルバーカーがおすすめです。
コンパクトタイプは車輪が細くて小さいので機動力や操舵性に優れ、小回りが利きやすいのが特徴です。
一方で、コンパクトタイプは小型サイズゆえに、座面がついていない車種もあり、収納スペースも小さいので、買い物でメインに使う方は不向きです。軽量という特性上、安定性にもやや欠ける部分があるので歩行が不安定な方は注意が必要です。
ミドルタイプ
ミドルタイプは、軽量且つ安定感があり、収納力もあるバランス型のシルバーカーです。小さすぎず、大きすぎずといったタイプなので、散歩だけではなく買い物にも適しています。
ミドルタイプのシルバーカーは、比較的他のタイプより使用している高齢者の方が多いため、さまざまな種類やデザインを各メーカーは出しています。そのため、選択の幅が広がる観点からも初めてシルバーカーを使う人は、ミドルタイプのシルバーカーがおすすめです。
ミドルタイプの特徴はコンパクトタイプとは違い、四輪が自動車のように並んでいるため安定性がとても高いです。例えば、小さい縁石などに引っ掛かりバランスを崩しても、四輪が並んでいることでシルバーカーごと倒れてしますリスクを減らしてくれます。そのため、歩行状態に不安を感じている方はミドルタイプが良いでしょう。
ボックスタイプ
ボックスタイプは、車幅が広く、車輪も大きいためシルバーカーの中では最も安定性に優れたシルバーカーです。車幅が広いことにより沢山の荷物が収納でき、座面も広く、ひじ掛けも付いています。
一方で、全体的に車体が大きいので小回りが利きづらく、重量もあるため、遠くへの移動や狭い場所での利用は不向きと言えます。
ワゴンタイプ
ワゴンタイプは、収納力に特化したシルバーカーです。どのタイプよりも収納力があるため、一度の買い物でたくさん物を買う方はおすすめです。また、車体も大きいので安定性があり、車輪も小さくなく四輪共に縦横に並んでいるため、歩行が不安定な方でも安心して使うことができます。
補足として、ワゴンタイプは、スーパーにあるショッピングカートのように外見が網目状になっているものが多いので、一見シルバーカーには見えないこともありません。そのため、年寄り臭いのが嫌だという方は、あえてワゴンタイプのシルバーカーを選んでも良いと思います。ただし、ワゴンタイプは、座面付きはあまりないので注意が必要です。
シルバーカーの選び方のポイント
ここでは、シルバーカーの選び方のポイントについてお伝えします。シルバーカーを選ぶ基準になりますので、購入を検討している方は参考にしてください。ポイントを抑えることで、シルバーカーの購入の失敗を無くすことができます。
車体の大きさ
車体の大きさは、シルバーカーを選ぶ上で最も重要です。シルバーカーのタイプによって、車体の大きさは変わるため、自身の歩行能力や使用環境をよく考えて選ぶ必要があります。
まず、車体が大きい程、車輪が大きくなり重さも増すため安定感があります。さらに収納スペースも広くなるため、買い物など物を多く収納する場面が多い人にはミドルタイプ以上がおすすめです。
一方で、車体が大きくなれば操舵性が悪くなり、小回りが利きづらくなります。そして、重量も増すので動かしづらくなるというデメリットがあります。
反対にコンパクトタイプのような小さいシルバーカーは、車体が小さい分軽いため、力が弱い人でも大変扱いやすくなっています。ただ、その分大きいサイズにあった安定感や収納力は劣ります。
座面の大きさ
年を重ねるごとに中長距離の歩行は辛くなってきます。そういった時に、場所を選ばず途中で座って休める座面付きのシルバーカーは大変重宝します。短距離でも休む可能性がある人は、座面付きのシルバーカーを選ぶと良いでしょう。
座面付きのシルバーカーを選ぶ際に注意したいのが座面の大きさです。座面付きのシルバーカーは、車体が大きくなればなるほど座面は広くなり、ひじ掛け付きといったアタッチメントも付いているタイプもあります。
ですが、人によって下半身の大きさはさまざまです。下半身が小さい人が大きな座面に座ると座った時にずり落ちてしまったり、反対に大きい人がサイズに合わない座面に座ろうとすると座れなかったり、座れたけどお尻が抜けずらいといったケースはよくあります。
歩行途中で座ることを想定して買う方は、事前に体のサイズを測り、座面の大きさなどをよく確認してください。
デザインの選定
シルバーカーと聞くと、年寄りくさいイメージを持っている方もいるかもしれませんが、最近ではオシャレなシルバーカーもあります。中には、シルバーカーをファッションの一部として使う方もいます。「好きなデザインのシルバーカーを押していると気分が上がる」、「外出するのが生活が楽しくなった」という方もいるので、機能面だけではなく、デザイン選びも重要です。
ハンドルの高さ
シルバーカーの持ち手の高さの目安は身長÷2+5~15cmです。持ち手の高さが高すぎると腕が疲れたり、肩こりの原因になります。反対に低すぎると、腰に負担がかかり腰痛や円背の原因になります。
安全面では高さが適正でなければ、目線も前ではなく下や上に行き、危険の察知が遅れ、視野も狭くなるので大変危険です。そのため、シルバーカーのハンドルの高さはしっかりと合わせる必要があります。
下記に、適正の持ち手の高さの目安を載せていますので、ぜひ参考にしてください。補足として、ここではプラス10cmで計算しています。
身長 | 130cm | 135cm | 140cm | 145cm | 150cm | 160cm |
---|---|---|---|---|---|---|
理想のハンドルの高さ | 75cm | 77.5cm | 80cm | 82.5cm | 85cm | 90cm |
シルバーカーの前輪角度について
シルバーカーの前輪には、使用目的や場所によって前輪をお好みの角度に曲がるよう調節ができる機能が備わっています。調節機能には2種類あり、2パターンの動きをする2WAYタイプと、3パターンの動きをする3WAYタイプがあります。どのような動き方をするのかを次で詳しく紹介します。
2WAYタイプの動き
上記の図のように、直進固定と左右45°の基本的な動きをするのが2WAYタイプです。
直進固定に調整すると、車輪が左右に曲がらなくなり、真っすぐ進むことができます。主に砂利道や雪道、舗装状態が悪い場所といった悪路を一気に突き抜ける時に使います。悪路で前輪を固定していないと車輪がぐにゃぐにゃに曲がり、なかなか前に進まないからです。
次に、左右45°は左右に車輪が曲がります。文字通り左右に方向転換するための機能です。
3WAYタイプの動き
3WAYタイプは、2WAYタイプの動きに360°回転をする機能です。360°回転は、屋内などで小回りしたい時に使います。例えば、スーパーなどで狭い場所を進んでいる時に、急に後ろに戻りたいと思った際に便利です。
もちろん、左右45°でも方向転換はできますが、左右45°の機能だと360°回転より多少大回りになります。例で紹介した出来事がありそうな方は、3WAYタイプがおすすめです。
キャスターの種類
シルバーカーには、シングルキャスターとダブルキャスターがあります。シングルキャスターにするのか、それともそうでないかでシルバーカーの扱い方や安全性などが変わるため、購入前にそれぞれの特徴を知っておくとよいでしょう。
シングルキャスターとは
シングルキャスターとは、前輪が1つずつ左右に付いており、総重量が軽く、小回りが利きやすいのが特徴です。主に、コンパクトタイプに採用されることが多いです。
ただ、前輪1つずつで支えているため、車輪が引っ掛かるとバランスを崩しやすいので安定感は劣ります。よくある事例として、線路の溝に前輪が挟まり躓いて転倒するといったケース事故もありますので注意が必要です。
ダブルキャスターとは
ダブルキャスターとは、前輪が2つずつ左右に並んで付いています。ダブルキャスターのシルバーカーは前輪に4つ、後輪に2つ、合わせて6つの車輪が付いているシルバーカーになります。前輪が4つあるので横ブレに強く、シングルキャスターよりも安定します。
一方で、車輪が増えて安定性が増す分、重量は増え、小回りが利きづらくなっています。ただ、歩行に不安を感じる方は、確実にダブルキャスターのシルバーカーがおすすめです。
おすすめのシルバーカー
ここではコンパクトタイプ、ミドルタイプ、ボックスタイプ、ワゴンタイプの4つのタイプのシルバーカーのおすすめを紹介していきたいと思います。
テイコブナノンDX CPS02 幸和製作所
テイコブナノンDXは、福祉用具、介護用品の総合メーカーの幸和製作所から出されているコンパクトタイプのシルバーカーです。前輪角度の調節タイプは、3WAYタイプです。
テイコブナノンDXは、シンプルなので年寄り臭さを感じさせないデザインになっているのが特徴です。重さは2.7kgと軽量で、折りたたみ時も高さ60cm、幅41cmまで小さくなりキャリーバックも付いているので持ち運びに大変便利なシルバーカーになっています。
安全面に関しては、ハンドルと一緒に両手で握れる手元ブレーキタイプなので、少ない力でもすぐにブレーキがかけられます。また、駐車するときの固定ブレーキもボタン1つ押すだけで手軽に車輪がロックできます。
カラーは、ブラック、ワインレッド、チェックブルーの3種類から選べます。
ウィズワン ヘルスバッグ ライトミニM
ウィズワンヘルスバッグライトミニMは、ミドルタイプのシルバーカーです。前輪角度の調節タイプは3WAYタイプです。容量は16.6Lと大きいため、買い物には大変便利なシルバーカーになっています。
サイズは少し大きめですが折りたたみ時の奥行サイズは31cm、高さ80.5cmまで縮めることができるので、玄関に置いても邪魔になりにくいのが特徴です。
カラーは、紺とワインの2色から選べます。
シルバーカー ペットカートファム MP-1
こちらは、ミドルタイプのシルバーカーになっています。そして、ただのシルバーカーではなくペットが入るカゴがついているため、ペットを飼っている人にとっては必見のシルバーカーと言えるでしょう。
ペットだけでなく、お買い物をした物も入れることができるので、1つで2役の役割を持っているシルバーカーです。バッグの容量は16L、重さは4kg。カラーはリーフネイビーとリーフワインの2種類から選べます。前輪角度の調節タイプは、2WAYタイプです。
シルバーカー レコルティ2
レコルティ2は、ボックスタイプのシルバーカーになっています。前輪角度の調節タイプは3WAYタイプです。
こちらのシルバーカーには、タイヤの取り替え時期を知らせてくれる機能がついているのが特徴です。タイヤのすり減りが起きると制動距離が伸びたり、固定ブレーキをしても動いてしまうといった事故の原因にもなり兼ねません。
そういった細かいことに気づきづらい人もいるため、お知らせしてくれる機能は安全に使用をする上でとても重要な機能と言えます。
他にも、座面の後ろには背もたれ、横にはひじ掛けがついてるので、疲れて座る際もリラックスして休むことができます。
カラーは、北欧デザインのブラックとオレンジの2色から選べます。
ツインワゴン SLT12 大容量 保冷バッグ
こちらは、ワゴンタイプのシルバーカーになっています。前輪角度の調節タイプは、3WAYタイプです。
こちらのツインワゴンは、買い物に重きを置いた設計になっているので大容量且つ、収納スペースは上段と下段に分かれているので、商品の形状などで分けて入れることができます。下段は、保冷バッグになっているので冷たい物や生物など、暑い時期でも安心して持ち運びができます
収納スペースだけではなく、スーパーのカゴ乗せ機能も付いているので、わざわざスーパーのショッピングカートに取り替える必要はありません。使い慣れたシルバーカーで、安全にお買い物を楽しめるのも、このシルバーカーの特徴でもあります。
注意点として、こちらのシルバーカーは、座面は付いていませんので気をつけてください。歩行途中、よく休むという方はミドルタイプもしくはボックスタイプがおすすめです。