異世代ホームシェアが広がる 高齢者と若者の相互とは

今、異世代ホームシェアという新しい暮らし方が広まりつつあります。ホームシェアを簡単に説明すると、一軒家などの1つの住宅に複数人で暮らすスタイルのことを言います。そして異世代については、異なる世代という意味ですが、ここでは高齢者と若者を意味します。では、異世代ホームシェアとは一体どういう暮らしなのか、ここでの記事で紹介していきたいと思います。

異世代ホームシェアとは

冒頭で説明した通り、同じ建物に複数人で共同生活をすることです。しかし、異世代ホームシェアの一番の特徴は、世代が異なるオーナー、もしくは権利者が同居している点です。オーナーにもよりますが、オーナーと2人っきりで住むという訳ではなく・・・

● 「オーナー」+「定員人数」
● 「オーナー夫婦」」+「定員人数」

といった形が主となります。また、多くのオーナーは、一軒家を改装して1ルームを提供することが多く、また、トイレや風呂場は共用、食事はダイニング(各部屋に設置している建物も有り)で摂るといった形です。食事については、オーナーが振舞ってくれる所もあります。

補足として、この異世代ホームシェアは、欧米では割と普及している住居スタイルで、高齢者と若者が同居する異世代ホームシェアの取り組みは、2000年前後からヨーロッパで拡大しました。

特にフランスでは、2003年の猛暑により独居高齢者を中心に約15,000人が熱中症で死亡したことを機に、運営団体の活動が活発化したと言われています。

フランスの異世代ホームシェア

異世代ホームシェアの先進国の1つでもある、フランスの事例について紹介したいと思います。

まず、高齢者(60才以上)と学生(18~30才)はNPOに登録料を支払い、条件が合う者同士で数回の面談を経たのち同居を開始し、同居時に仲介料を支払います。NPOは、入居後も定期的に住宅訪問や電話、メール等で双方をケアしていきます。

同居の形態については、高齢者の希望に応じて以下のような3タイプを選択。

同居形態 概要
無料住居 週6日の夕食の同席と夜間在宅が条件で、家賃は無料。
経済的住宅 週1日の夕食の同席と夜間在宅、買い物支援などが条件で、家賃は格安。
連帯住居 高齢者は部屋だけ提供、高齢者への配慮が条件で、家賃は格安。

(情報元:国土交通省 http://www.mlit.go.jp/common/001220376.pdf)

異世代ホームシェアのメリットとデメリット

何事にもメリットとデメリットはあり、異世代ホームシェアにもあります。しかし、次に書かれていることは絶対という訳ではなく、主にということです。

高齢者目線のメリットとデメリット

メリット デメリット
・会話をする相手が常にいる。
・孤独死の防止になる。
・若者と交流することで、日常では味わえない刺激が得られる。
・万が一、体調が悪い時は手を貸してくれる人がいる。
・特殊詐欺などの犯罪防止になる。
・空き部屋を活用し、家賃収入が見込める。
・家事の分担ができる。
・夜間の見守りをしてもらえる。
・生活スタイルが異なるため、活動時間がバラバラになる。
・世代の違いによる言動などで、戸惑う場合がある。

若者目線のメリットとデメリット

メリット デメリット
・家賃が限りなく抑えられる(場所によっては無料の所もある)。
・水道光熱費が限りなく抑えられる。
・バランスの良い食事を作ってもらえる(各自で自炊の所もある)。
・家に人がいるので、空き巣などの犯罪防止になる。
・寂しさの解消になる。
・コミュニケーションが苦手な人は合わない。
・オーナーが取り決めたルールに従わなくてはならないため、好き勝手には住めない。
・友達や恋人が招きづらい。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
わが国の高齢化率は年々増加しており、それに比例し独居高齢者も増えています。異世代ホームシェアには、メリットとデメリットはありますが、この新しい住居スタイルが広まっていけば、高齢者問題を代表する「孤独死・引きこもり・特殊詐欺」などといった問題を防ぐができるのではないでしょうか。