高齢者マークとは? 使用義務や未使用時の罰則はあるのか?

近年、高齢者による交通事故が世間を騒がせていますが、事故の映像などを観ると意外と高齢者マークを付けていない車が多いように感じます。

高齢者マークについてよく理解されていないのか、それとも「自分はまだ高齢者ではない」と思って付けていないのかは分かりませんが、高齢者マークを付けることによるメリットはありますので、対象の方は是非付けていただきたいと思います。

では、高齢者マークとはそもそも何なのか。そして、使用義務や罰則、メリットなどについて深堀していきたいと思います。

高齢者マークとは?

高齢者マークとは【高齢運転者標識】の別名で呼ばれており、1997年に道路交通法の改正によって誕生しました。当初の高齢者マークは赤と黄色が入ったもので通称【もみじマーク】と呼ばれていましたが、次第に【落ち葉マーク・枯葉マーク】と俗称で呼ばれるようになってしまいました。昔と今のマークの違いについて下記のツイート画像を参照下さい。補足すると、右が以前の高齢者マーク(もみじマーク)、左が現在の高齢者マークです。

https://twitter.com/goosuke1110/status/1129326766625968128/photo/1

現在の高齢者マークに変わった理由としては、やはり俗称で呼ばれることが多くなり、イメージが悪いという反感の声が多数出たことが原因です。確かに、付ける立場からしたら【枯葉、落ち葉】と、老いや終わりを連想させるようなマークを進んで付けたいとは思いませんし、気分が良いものではないですよね。

補足として、高齢者マークは現在のものへと変更されましたが以前の高齢者マークも現行と同様に引き続き使用することができます。

高齢者マークの罰則は?

結論からいうと、付けていないことでの罰則は【ありません】。

自動車免許を取得している70歳以上の高齢者は、【加齢の影響で生ずる身体機能の低下が自動車の運転に影響を及ぼすおそれがある】場合には、車の前面と後面の両方に付けて運転するように努めなければならないとされています。
※一部引用:道路交通法第71条の5第3項等より

上記の通り、いわゆる努力義務のため付けても付けなくても本人の判断に任されているということになります。以前は、高齢者マークが初めて誕生した時は、75歳以上の高齢者に義務付けし、2001年の法改正で70歳以上に変更。そして、2008年に施行以来初めての罰則が設けられましたが、反感の声が多く翌2009年に努力義務に変更になった経緯があります。

高齢者マークの取付位置

高齢者マークの取り付け位置は、道路交通法施行規則第9条の6で定義されているため、自分の好きな場所に取り付けていいわけではありません。

定義では、地上0.4メートル以上1.2メートル以下の見やすい位置に取り付けることになっています。

また、高齢者マークについては、マグネットタイプと吸盤タイプがありますので取り付け位置に注意しながら使い分けると良いでしょう。

マグネットタイプ(2枚入り)

吸盤タイプ(1枚入り)

・愛車のボディを気遣うなら吸盤タイプがオススメです。吸着が弱くなった場合は、吸着面に水をつけるか、吸盤を熱湯に4~5分浸し、手で触れるまで冷やすと戻ります(冷やした後すぐに装着してください)。

マグネットと吸盤タイプのセット売り(2種1セット)

高齢者マークを付けるメリット

高齢者マークは、ただの高齢者が運転しているというお知らせマークではありません。高齢者マークを付けるとメリットがあります。では、どのようなメリットなのかを紹介します。

幅寄せ行為や割込みの車に対して罰金制裁

高齢運転者標識(高齢者マーク)を付けた車に危険防止のため、やむを得ない場合を除き【幅寄せ】や【割込み】をした自動車運転者は処罰の対象となります。罰金等については以下の通りです。

● 5万円以下の罰金
●反則金
・大型自動車・中型自動車等:7,000円
・普通自動車・自動二輪車:6,000円
・小型特殊自動車:5,000円
● 基礎点数:-1点

※道路交通法第71条第5号の4より
つまり、危険運転をされない抑止力になるということです。高齢者マークにプラスして、ドライブレコーダーを装着すれば証拠が残りますので、トラブル回避の可能性がさらに上がります。

周りが運転に配慮してくれる

これは個々のドライバーによりますが、高齢マークを付けている車に対して配慮をしてくれる可能性があります。また、基本的には上記の法律もありますので、わざわざ高齢者マークを付けている車に対して、危ない運転をしてくるとは思えません。

また、世間を騒がせている【あおり運転】の対策にもなりますので、安全に運転する上でも高齢者マークを付けて周囲に分かってもらうことが重要だと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
基本的には高齢者マークは努力義務というスタンスではありますが、取り付けることによるメリットは記事で紹介した通りです。高齢者マークを取り付けることで周囲のドライバーも運転の配慮がしやすいので、まだ取り付けていない高齢ドライバーの方は自身の安全を確保する意味合いでも取り付けの検討をしてみてはどうでしょうか?