いきなりですが、皆さんも一度くらいは、椅子選びに悩んだことがあると思います。そして、椅子を決める判断はデザインや色、高さ、座り心地といった所ではないでしょうか?実は、これは高齢者になってもその椅子選びというのは必ずやってきます。
仮に昔からずっと椅子を使わず生活をしてきた人でも、高齢になれば身体的な問題で床からの立ち上がりが大変になり、椅子を使い始めたという人が多くいます。ですが、椅子なら何でも良いというわけではありません。椅子は椅子でもその人に合ったサイズというのが存在するため、椅子選びは慎重に行わなければなりません。そこで、ここでの記事では高齢者の椅子選びについて紹介したいと思います。
目次
高齢者の椅子選びの基本:座面の高さを合わせる
一般的に普及している家具のサイズは、身長165cm、座面の高さ42cmで新JIS規格でいうと5号が基準になっています。ただ、高齢者の場合だと身長165cmを下回る方が多くいるので、市販で売られている家具のサイズに合わないことが多いと思います。では、どのようにして自分の身長にあった椅子の高さを探せばよいのか。大きく分けて2つの方法があります。
方法1:人間工学で算出して選ぶ
人間工学なんて普段聞きなれない言葉かもしれませんよね。簡単に説明しますと【人間が出来る限り、自然な動きや状態で使えるように物や環境を設計してデザインに活かす学問】のことを指します。これを椅子に例えると「研究に研究を重ねて座りやすい椅子の指標があります」ということです。では、その人間工学の椅子とは何なのか、下記をご覧ください。
・例えば、ひざから足首までが35cmだとしたら、35cmからマイナス1cmを引いたセンチが適正とされています。この場合だと【34cm】の座面の高さが適正です。
2. (身長)÷4=○○cm
・単純に自分の身長を割る4をして、出た数字をcmに置き換えるだけです。
・130cm:32.5cm
・140cm:35.0cm
・150cm:37.5cm
方法2:JIS規格を参考にする
JIS規格とは、日本工業規格【JIS=Japanese Industrial Standards】の略です。いわゆる、日本の工業製品に関する規格や測定法などが定められた歴とした日本の国家規格のことを指します。椅子を選ぶ際にJIS規格を参考に選ぶというのも1つの方法です。
椅子の号数(旧号) | 適応身長 | 椅子の高さ |
---|---|---|
特号 | 173cm~ | 46cm |
1号 | 166~179cm | 44cm |
2号 | 159~172cm | 42cm |
3号 | 152~165cm | 40cm |
4号 | 145~158cm | 38cm |
5号 | 138~151cm | 36cm |
6号 | 131~144cm | 34cm |
7号 | 124~137cm | 32cm |
8号 | 117~130cm | 30cm |
9号 | 110~123cm | 28cm |
高齢者の椅子選びの基本:機能性と安全性を重視する
一言に椅子と言っても【食事の時に使う椅子】【リラックスをする時に使う椅子】【風呂場で使う椅子】があると思います。
そのシーンによって椅子は変わりますので、機能性や安全性を重視することが大事です。では、その機能性や安全性とは一体何か。
角度調整が出来る椅子
いわゆる、背もたれの角度が調整できる椅子です。この椅子はどちらかと言うとリクライニング寄りになると思いますので、リラックスしたい時に使う場合が良いと思います。この背もたれを調整出来る椅子の特徴としては、座りっぱなしだと腰が痛くなったりする人だと背もたれを後ろに倒すことにより、腰への負担が軽減できることが一番のメリットだと思います。また、背もたれを倒すことで足元のオットマンが上がってくるタイプもありますので、足が浮腫みやすい人にはオススメだと思います。
安全性で言えば、椅子の脚が4点だけで支えている訳ではなく、4点を面で支えているので背もたれ機能を使っても安定するのが下記の商品の良いところです。
高さ調整が出来る椅子
上記で高さの選び方を紹介しましたが、測ったつもりが違ったということは良くあります。また、用途や机の高さによって変えたいという方もいると思います。そういった方には高さ調整が出来る椅子がオススメです。ちなみに、下記の椅子は8段階の調整(25~48cm)が可能となっています。
立ち上がりやすい椅子
立ち上がりやすい椅子は、介護施設などでよく選ばれる椅子の特徴です。立ち上がりやすい椅子は、それなりに重量があるので立ち上がる時に椅子が大きくズレる心配はありません。
また、立ち上がりやすいように、ひじ掛けが手でつかみやすいよう工夫されています。座面に関しては軟らかい素材が使われているので座っていてお尻が痛くなるという方は、下記の商品はオススメです。
風呂場での椅子
入浴時にシャワーチェアが必要な方がいると思います。ただ、どんな椅子が良いかと悩まれる方もいると思いますので、シャワーチェアの購入ポイントについて説明したいと思います。
・折りたたみができる椅子。だいたいの家の浴場は狭いと思いますので、家族と共有して浴場を使っている場合だとかなり邪魔になります。使用しない時は隅に置いておける折りたたみ機能がついた椅子がオススメです。
● 2つ目
・高さ調整が出来る椅子。これは、上記でも説明しているので深く説明はいらないと思いますが、物によっては高さ調節が出来ない椅子もありますので高さ調整が出来る椅子を選んでください。
●3つ目
・肘の跳ね上げ機能がついている椅子。シャワーチェアの中には、肘がない椅子もあります。ひじ掛けがあることで、座っている時は安定します。また、立ち上がる際にひじ掛けがあれば楽に立ち上がることができます。もし、使わないのであればひじ掛けを上げておけばいいだけですので、使用の幅が広がる肘の跳ね上げ機能ついている椅子がオススメです。
この3つを網羅したシャワーチェアが下記になります。
また、介護認定が下りている人であれば、介護保険でシャワーチェアを購入することが出来ます。
高齢者向け おすすめのニトリの椅子
ニトリは、デザイン性や機能性に優れ、コストパフォーマンスの良さに定評のある家具屋さんの一つです。
昨今では、高齢化社会の影響を受け、高齢者の方が使いやすい家具も多く販売されており、それは椅子も例外ではありません。
そういったことからも、私自身も実家に住んでいる祖母にニトリの椅子をプレゼントしたことがあります。
私がニトリの椅子を選んでいるときに「これはいいな!」と思ったものがいくつかありましたので、その中のおすすめの3つを紹介したいと思います。
補足として、私がプレゼントしたのは3つ目ですので、ご参考までに。
天然木回転式ダイニングチェア
こちらは、天然の木を使用した回転式ダイニングチェアになっております。タイトルの通り、回転式なので、椅子を引かなくてもどの方向からでも座ることができます。
回転式のダイニングチェアの使い方の一例ですが、食事介助が必要な方に座っていただくと、介助側の好きな方向へ向けられるので、食事介助がしやすくなります。
また、両肘付きなので立ち上がる時も楽に行えるため、大変おすすめです。
高座椅子 ロータイプ(L ハープ3) ニトリ
ニトリの高座椅子のロータイプは、高さが3段階に調整でき、背もたれは6段階のリクライニングができます。
高座椅子は、立ち上がりにかかる腰や膝への負担を大きく軽減してくれますので、普段使いとして居間で使うのもよいですし、玄関先に置いて靴を履いたり脱いだりするときにも便利です。
また、使用しない時は背もたれを倒してコンパクトに収納ができるのも魅力の一つです。
色は、ブラウンやグレーといった定番色を6種類揃えているので、お部屋のテイストに合わせて選ぶことができます。
すき間にも収納できるあぐら・正座椅子
ローテーブルを使っている方、床に座ることが多い方は、こちらの正座椅子が大変おすすめです。
この商品の良いところは、正座椅子を使うことで、直接床もしくは畳に座るよりも遥かに膝や足首、腰への負担が軽減することです。
これは実際に体験した私の祖母の話ですが、祖母は普段、床に正座して前かがみになり、床に新聞を一面に開いて読むのが日課でした。
そのような姿勢で見ているので、いつも「膝や足首、腰が痛い」と言っていました。
私は「テーブルに新聞を置いて見ればよいのでは?」と助言をしたことがあるのですが、新聞紙は置けても、スペース的に一面に開いて見ることができないとのことでした。
そんな時に、今回紹介した正座椅子をプレゼントしたところ「新聞を見るのが楽になった」と言ってくれました。
本人曰く、正座をすることによってかかる「膝などへの負担が減った」と言っていました。
また、祖母は仏壇にお経を唱えるのも日課だったため、正座をする場面では、よく活用しているそうです。
これはあくまで、私の祖母の体験した感想なので、全ての状況に当てはまらないかもしれませんが、一般的な椅子までは必要ないけど、正座は辛いという方には、大変おすすめな椅子だと個人的には思っています。
土台の裏面には、傷防止フェルトが付いていますので、畳で使っても傷がつきません。
ぜひご検討ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
高齢者の椅子選びというのは、結構重要です。若い人であれば、筋力や柔軟性などがあるのでちょっと合わなくても何とかなりますが、高齢者の場合だとそうはいきません。
まず、本記事でもお話したように、高さが合わない椅子は立ち上がり時にとても危険になります。そのため、自身の身長にあった座面を選ぶことで立ち上がり時の疲労や事故防止に繋がります。また、用途に合わせて椅子を選ぶのも大事で、食事時やリラックスをする時の椅子を分けることで日々の生活がストレスなく過ごせるようになります。ここでの記事を参考に最適な椅子選びができることを願っています。