昨年末頃からCMやニュースなどで多く聞かれるようになったキャッシュレス決済。まず、その筆頭としては、ソフトバンクとヤフーの両社によって設立されたPayPayだと思います。それに競合するようにLINEPayや楽天ペイなども参入し、利用者を獲得するために各社でポイント還元などといったキャンペーンを実施しています。まさに、キャッシュレス決済の戦国時代といったところでしょう。また、民間企業だけではなく、政府も利便性やインバウンド振興などといった狙いでキャッシュレス化を推進しています。そんな中、高齢者のキャッシュレス率が直近5年間で87%も増加しており、多くの高齢者世代もキャッシュレス決済を利用していることが分かりました。
ここでの記事では、まだキャッシュレス決済を利用していない高齢者の方に向けての【キャッシュレス決済の仕組み】や【オススメ】について簡単に説明していきたいと思います。
目次
キャッシュレス決済とは
まず、キャッシュレス決済について簡単に説明します。キャッシュレス決済とは、電子マネーやクレジットカード、口座振替を利用して、紙幣や硬貨などといった現金(金券)を使わずに支払いが出来る決済方法のことをいいます。
3種類の支払方法がある
次に、キャッシュレス決済をするタイミングには【前払い】【即時払い】【後払い】の3つの種類があります。
・予め一定の金額を記録媒体にお金をチャージしておき、チャージした金額内で使用します。例えば、記録媒体に1,000円をチャージした場合は、1,000円までの買い物しか出来ません。
即時払い(例:デビッドカード)
・買い物やサービスを終えると同時に支払いも終える決済のことです。例えば、1,000円の物を買い物した場合、同時に指定の銀行口座から代金が引き落とされます。
後払い(例:クレジットカード)
・買い物などをした半月から1か月後に支払いをするのが後払いです。
キャッシュレス決済は2種類に分かれている
キャッシュレス決済をするには、下記の図の端末もしくはスキャナーで読み取ることで支払いが完了します(図は一例です)。
① ストアスキャナー
② ユーザースキャン
③マルチ電子マネー決済端末
キャッシュレス決済と言っても1つではなく、大きく分けて【QRコード決済】と【非接触IC決済】の2種類に分かれています。
QRコード決済とは
支払う際に、スマートフォンなどに表示させたQRコードもしくはバーコードを特殊な端末(図1)で読み取るか、店舗にあるQRコード(図2)をスマートフォンで読み取ることで支払いができます。主なサービスは下記の通りです。
サービス名 | LINE Pay | PayPay | 楽天ペイ |
---|---|---|---|
精算方法 | ・前払い(銀行口座・コンビニなど) ・後払い(クレジットカード) |
・前払い(銀行口座) ・後払い(クレジットカード) |
・即時払い(楽天ポイント・楽天キャッシュ) ・後払い(クレジットカード) |
主な利用可能なクレジットカード | JCB、Visa、MasterCard、American Express | Yahoo!Japanカード、Visa、MasterCard | 楽天カード、JCB、Visa、MasterCard、American Express |
チャージ方法 | ・銀行口座 ・セブン銀行ATM ・ファミリーマートやローソンのレジ |
・銀行口座 ・Yahoo!Japanカード |
なし |
オートチャージ | 1000円単位 | なし | なし |
ポイント(特典など) | ・マイカラー制度(毎月の決算金額に応じて0.5%~2%のLINEポイントを付与) ・毎週101円(税込み)以上のお支払いで、100円クーポンを配布(2019年8月12日~9月15日) |
・paypayボーナス(支払額の3%を付与) ・PayPayチャンス (20回に1回の確率で最大1000円のPayPayボーナスを付与) ・101円(税込み)以上のお支払いをすると、100円相当のPayPayボーナスを付与 |
・楽天スーパーポイント (200円につき1ポイント(還元率0.5%)を付与。楽天カードを設定した場合は、3ポイント(還元率1.5%)付与) ・楽天カードを設定したお支払いでずっと実質最大5%還元キャンペーン。 |
出金 | 可能 (手数料216円) |
不可 | 可能 (楽天キャッシュを介して行う。手数料10%) |
(楽天キャッシュを介して行う。手数料10%)
非接触IC決済とは
非接触IC決済とは、電子マネー(SuicaやWAON、nanacoなど)やクレジットカードなどの情報を登録したスマートフォンをマルチ電子マネー決済端末(図3)にかざすだけで支払いができます。
サービス名 | Suica | nanaco | WAON |
---|---|---|---|
精算方法 | 前払い(現金・銀行口座・クレジットカード) | 前払い(現金・クレジットカード) | 前払い(現金・イオンの銀行口座・クレジットカード) |
チャージ方法 | ・駅の券売機 ・セブン銀行ATM ・コンビニのレジなど |
・セブンイレブンやイトーヨーカドーなどのグループ店舗のレジ ・セブン銀行ATMなど |
・イオン銀行ATM ・コンビニのレジなど |
オートチャージ | ある | ある (5,000~10,000円(千円単位)・15,000円~30,000円(5千円単位)) |
ある (1,000円~49,000円(千円単位)) |
主な利用可能なクレジットカード | ビューカード、JCB、Visa、MasterCard、American Expressなど | JCB、Visa、セブンカード・セブンカードなど | ワンカード・プラス、ワオン一体型のイオンカードなど |
ポイント | ・JREポイント (1000円につき5ポイント。オートチャージは15ポイント) |
・nanacoポイント (対象店舗での買い物で100円ごとに1ポイント) |
・WAONポイント (対象店舗での買い物で200ごとに1ポイント) |
残高上限 | 2万円 | 5万円 | 5万円 |
【非接触IC決済】が高齢者にオススメ
では、どちらがオススメかと聞かれると【非接触IC決済】がオススメです。理由としては、QRコード決済は、QRコードもしくはバーコードを表示させるという一手間がかかってしまうのに対し、非接触IC決済は特殊端末にかざすだけで決済が行えるからです。さらに言えば、Suicaなどが入った財布ごとを端末にかざすだけで支払いができるので、凄く楽に支払いができます。
特典より使いやすさを優先すべし
上述で説明したように、キャッシュレス決済の最大の特徴は会計時の【利便性】です。
例えば、ポイント還元率やクーポン配布などといった恩恵が多いキャッシュレス決済にしても、会計時に手間取っていては元も子もありませんし、特典に釣られて普段行かないお店のものを持っていても意味がありません。
それらを考慮した上で、高齢者がキャッシュレスを始めるポイントが下記のとおりです。
・利便性を重視し、行き慣れたお店に通い、買い物全般の負担軽減。
● 非接触型IC決済を使う。
・面倒な操作がない非接触型IC決済を使い、会計時の手間をなくす。
● 前払いのキャッシュレス決済を行う。
・決めた金額を事前に入金し、使いすぎを防止する。
● 慣れるまでは、オートチャージの利用はしない。
・オートチャージは、残高が無くなると自動で入金されるため、使いすぎる恐れがある。
● ①利便性>②非接触IC決済>③特典
・慣れていない人(初めての人)は、①②を重視。あくまで特典はおまけと捉える。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
わが国でも着々とキャッシュレス化が進んできています。キャッシュレス化の一番の利点は【利便性】です。これは、記事内でもお伝えした通りです。それともう一つが防犯です。現金で支払いをするということは、手元にお金を持つことになるので危険が増します。例えば、ひったくられたり、現金詐欺に遭うなどです。しかし、キャッシュレスにしておけば、ひったくりや現金詐欺からの防止ができ、万が一スマホやICカードを盗まれても電話1つで第三者が使えないようにすることが出来るので、被害を最小限に抑えれます。ぜひ、この機会に活用してみてください。