自治体によって新型コロナウィルスのワクチン接種の進捗に差はありますが、徐々に高齢者へのワクチン接種は行われています。
ただ、ワクチン接種の目的は、新型コロナウィルス感染を未然に防ぐためではなく、重症化を防ぐことを目的としています。
そのため、少しでも「怪しいな」と感じた時にPCR検査をする必要があります。
「症状が出ていないのに病院に行くのは・・・」と思う方もいると思いますが、現在では、病院や保健所に行かなくても自宅でPCR検査ができるキットが販売されています。
そこで、ここでは自宅でできるPCR検査キットの特徴と、5つのおすすめを紹介していきたいと思います。
PCR検査キットの精度は?
従来の考えでは、PCR検査の精度は70%と考えられていましたが、令和2年9月28日に公表された北海道大学病院の研究報告によりますと、PCR検査の精度は約90%であることを結論づけています。
この研究成果は、令和2年9月時点では世界最大規模の研究とされています。
研究方法は、国際便での空港検疫および保健所での濃厚接触者、計1,924名の無症状者から唾液と鼻咽頭ぬぐい液を採取し、PCR検査を実施。
研究成果については、唾液での陽性者は48例、鼻咽頭ぬぐい液の陽性者は46例で、それぞれの感度は唾液が83-97%、鼻咽頭ぬぐい液が77-93%、特異度は両者99.9%以上ということが分かりました。
PCR検査で使われる感度とは、新型コロナウィルスに感染している人の中で、検査で陽性になった人の割合をいいます。
特異度については、新型コロナウィルスに感染していない人の中で、検査で陰性になった人の割合をいいます。
この研究成果によって、PCR検査の精度は高いということが証明されましたが、PCR検査を行うタイミングによっては精度が下がるため、適切な期間で検査をする必要があります。
PCR検査の実施のタイミングは?
令和3年1月29日に出された令和2年度 地域保健総合推進事業 新興感染症対策班
の資料によりますと、潜伏期間は平均5日間とされており、感染者との濃厚接触から1~2日後は偽陰性率が高く、4~8日後には偽陰性率が低くなることが分かっています。
つまり、検査時期が早すぎると偽陰性と診断されるため、濃厚接触者と接触した日より4日以上経ってからのPCR検査が推奨されています。
「陰性証明書」が発行できる。陰性証明書とは?
新型コロナウィルスのPCR検査による陰性証明書とは、検査結果が陰性であったことを証明および保証する書類です。
陰性証明書は、日本国内以外にも主要国に対応した正式な陰性証明書のフォーマットを出している機関もあります。
ただ、主要国に対応した検査方法と規定内で検査した時期での陰性証明書でなければ受け付けてもらえないないため、各国のホームページで確認する必要があります。
例えば、フランスでは、検体採取日時から出国前72時間以内で「鼻咽頭ぬぐい液検体」による検査での陰性証明書でなければ、陰性と判断されません。
補足として、陰性証明書に類似した検査結果通知書がありますが、これは検査結果を通知するものであって、検査結果を証明および保証するものではありません。
PCR検査キットの使用から結果までの流れ
使用する検査キットによっては多少は異なりますが、PCR検査キットの使用から検査結果の通知までの基本的な流れは、上記の図のようになります。
詳しい流れが知りたい方は、PCR検査を積極的に行っているにしたんクリニック
のホームページを参考にされるとよいでしょう。
PCR検査キットは、こんな方にお勧め
PCR検査の精度は、100%保証するものではありませんが、不安な方は検査をした方がよいです。
新型コロナウィルスで一番怖いのは、無症状の状態で人と接触してしまった場合です。
そういった事を避けるためにも「ちょっと怪しいかも」と思った時に、自宅で気軽にPCR検査ができるのは、感染拡大の防止の観点からもよいと思います。
ここでは、こんな方はPCR検査キットがお勧めという例をお伝えします。
無症状だけど感染しているかもしれない
新型コロナウィルスに感染していても、症状が現れない方もいます。
当然、無症状でも感染力はありますので、安心はできません。
例えば、「周囲で感染者がいた場合」や「濃厚接触者した場合」などで、数日経っても症状が現れないと不安ですよね。
そういった時に、自宅でPCR検査キットを使えば、自分が感染しているかがすぐに分かるので、悶々とした不安は解消されます。
孫に会う前に確認したい
「数日後に孫に会う予定があるけど、無症状で感染していたらどうしよう」といった時は、自宅でできるPCR検査キットが便利です。
新型コロナウィルスは、十分に感染対策を行っていたとしても、どこで感染するか分かりません。
自分は無症状でも感染している場合がありますので、マナーとして、大切な人と会う前はPCR検査を行いましょう。
病院で「検査はしなくてよい」と言われた
病院によっては「濃厚接触者ではないので、PCR検査はしなくてよい」と判断する機関もあります。
病院で「検査はしなくてよい」と言われても、中にはスッキリしない人もいるはずです。
そうした不安を解消したい方は、自宅でできるPCR検査キットがおすすめです。
病院や保健所には行きたくない
病院や保健所では、厳重な感染対策を行っているので安全ではありますが、心理的に行きたくないという方もいると思います。
特に症状がなく「不安解消のために、病人の集まる病院に行くのは抵抗あるな・・・」という方は、自宅でできるPCR検査キットがおすすめです。
高齢者におすすめのPCR検査キット
今ではPCR検査キットを使えば、病院や保健所に行かなくても検査ができます。
「でも、どこで手に入れるか分からない」という方のために、ここでは自宅でできるPCR検査キットを紹介したいと思います。
PCR検査キット 1回分:株式会社メデカルアシスト PCR検査キット
株式会社メデカルアシスト、極東製薬および日本製の唾液PCR検査キットになります。
検査の流れは、問診票に現在の状態などを記入し、唾液採取15分前の飲食や歯磨き、うがいを避けたうえで、唾液を専用の容器に入れます。
検査キットの他に、検査機関宛の返信用のPE宅配袋が入っているので、問診票と容器を入れて送ります。
送る際の注意点として、月曜日から水曜日の午前中に唾液を採取し、その日の午前中のゆうパックで送る必要があります。
PCR検査キット 1回分:楽天 新型コロナウイルス唾液PCR検査キット
楽天は医療機関と提携し、新型コロナウィルス唾液PCR検査キットを販売しています。
こちらの新型コロナウイルス唾液PCR検査キットプーリング方式は、慶応義塾大学医学部西原教授監修によって開発されたPCR検査キットです。
プーリング方式とは、4検体をまとめて検査を実施する方法で、検体1個毎に行う検査が通常方式となります。
検査の流れは、スマートフォンやパソコンで楽天IDでログインし、サービスの利用規約に同意されると登録が完了です。
完了後は、検査キットが自宅に届きますので、検査キットの中に唾液を入れて送ります。
検査機関に検体到着後、最短即日から土日祝を除く2~3日営業に、登録した端末に結果が届きます。
陽性と判断された場合は、医療機関から直接連絡がきますので、指示に従ってください。
下記の動画に、楽天のPCR検査キットの特徴や登録の仕方、PCR検査キットのサービス提携医療機関の八王子クリニック院長が、楽天のPCR検査キットについて話しています。
一度視聴していただき、購入の判断材料にされるとよいでしょう。
PCR検査キット 1回分:にしたんクリニック PCR検査キット
こちらの商品は、にしたんクリニックが対応しているPCR検査キットで、検査キットの回数は1回分になります。
検査の流れについては、検査キットの購入後、にしたんクリニックWEBサイトで検査の申し込みをします。
その後、自宅で検査キットを使い、唾液を採取し郵送します。
郵送後に、メールで検査結果通知書が届きます。検査結果は、最短で3時間です。
最短3時間で検査結果が届く機関はほとんどありませんので、お急ぎの方は、にしたんクリニックのPCR検査キットが大変おすすめです。
補足として、オンライン診療が必須にはなりますが、追加料金5,000円を支払うことで、陰性証明書の発行もしています。
検査結果が陽性だった場合は、にしたんクリニックより直接連絡がきます。
その後、にしたんクリニックから保健所へ陽性結果が報告され、最寄りの保健所から連絡がありますので、保健所の指示に従ってください。
PCR検査キット 5回分:にしたんクリニック
こちらの商品、にしたんクリニックのPCR検査キット5回分になります。
内容につきましては、1回分と一緒になりますので、上記を参照ください。
PCR検査は、100%の保証するものではないので偽陰性と判断される場合があります。
複数回キットを買うことで、日にちを置いてすぐに検査をすることができますので、心配な方は、複数回キットを買われるとよいでしょう。
PCR検査キット 10回分:にしたんクリニック
こちらの商品、にしたんクリニックのPCR検査キット10回分になります。
内容につきましては、1回分と一緒になりますので、上記を参照ください。
検査回数が10回分になりますので、家族と同居している方にはおすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ここでは、高齢者向けのPCR検査キットの特徴や商品の紹介を行いました。
令和3年6月時点でのPCR検査の精度は、検査時期によって偽陰性の確率が大きく異なるので、検査結果を100%保証するものではありません。
ただ、それでも検査をするタイミングによっては高い確率で判断できることが分かっています。
それでも不安という方は、日にちを置いて、2回、3回と複数回の検査をするとよいと思います。
お金はかかりますが、一番怖いのは無症状で大切な人に感染させてしまうことです。
特に抵抗力の弱い高齢者や、小さいお孫さんに感染させてしまえば大変なことになります。
周りで感染者が出ていたり、「ちょっと、心配だな」という時には、自宅でPCR検査ができるPCR検査キットは大変便利ですので、感染収束するまではぜひ活用してもらえたら幸いです。
※参考文献:・厚生労働省