介護士が起こした暴行事件まとめ 2019年

介護士および介護福祉士という職種は、日常生活を送ることが困難な高齢者を介護という形で支援するのが本来の役割です。介護士が主にいる場所は【介護施設・病院・訪問介護ステーション】です。

日常生活をまともに送れない高齢者からすれば、これらの場所は無くてはならない存在なのは言うまでもありません。しかし、近年安全に過ごせるはずの場所で介護士による暴行事件が後を絶ちません。ここでの記事では、2019年で起きた介護士による暴行事件について紹介していきたいと思います。

宮城県 特別養護老人ホームで暴行事件

2019年10月上旬ごろ、宮城県大衡村の特別養護老人ホーム【万葉の里】の入所者の共有スペースで、女性介護職員が車いすの女性入所者(90代)の頭を叩く行為を別の介護職員らが目撃。さらに、12月上旬、介護職員に就寝中の女性入所者2人の手首や腰をヒモでベッド柵に繋がれていたということです。

大衡村は高齢者虐待防止法に基づき、施設側に聞き取り調査を行い、2019年12月に虐待の可能性があるとした報告書を宮城県に提出しました。また、警察は複数の介護職員が関与した可能性があるとして、暴行などの疑いで捜査を行っています。

暴行事件が起きた老人ホーム

宮崎県 介護職員が入所者を馬乗り

2019年7月8日、宮崎県宮崎市にある有料老人ホーム【フェニックスフォレスト(定員40人)】で、20代の男性介護職員が90代の女性入所者に馬乗りになっている動画がインターネット上に投稿されていたことが分かりました。女性は認知症で歩けない状態でした。

動画は、馬乗りになっている職員が撮影したということで、内容については介護職員が施設の床に横たわった女性に馬乗りになり「危ないことをしたら、この体勢に戻るからな」などと大声を出している様子がモザイク付きで投稿されていました。

この動画が撮影された3日後の明け方、別の介護職員が女性の部屋に訪室したところ女性の意識がなく、すぐに病院へ救急搬送されましたがその後死亡が確認されました。

施設側は「死因は老衰だった」として、馬乗りとの因果関係は否定しています。この騒動を受け、施設側は馬乗りになった男性介護職員を懲戒解雇とし、宮崎市は老人福祉法に基づき施設を立ち入り調査を行ったということです。

暴行事件が起きた老人ホーム

岡山県 特別養護老人ホームで暴行事件 介護士の女が逮捕

2019年12月15日、岡山市中区海吉にある【特別養護老人ホーム 富山荘】で96歳の女性入所者に車いすをぶつけてケガをさせたとして、33歳の女介護士が逮捕されました。

傷害の容疑で逮捕されたのは、岡山市南区妹尾の介護士、林田沙織容疑者(33)です。15日午前5時50分頃、林田容疑者はベッドに座っていた96歳の女性入所者に対して車いすをぶつけました。女性は、左ひざに約12センチの切り傷を負い、傷は骨にまで達していたということです。

救急搬送された病院から「ケガをしている高齢の女性が老人ホームから救急搬送された」と110番通報があり、警察が職員の勤務状況などから林田容疑者を特定し、逮捕に至りました。

暴行を受けた女性は重度の認知症があり、林田容疑者は「度重なるナースコールや理不尽な言動に腹が立っていた」などと供述し、容疑を認めているということです。

この事件を受け、特別養護老人ホームを運営する社会福祉法人の事務局長は「あってはならないこと。運営する全施設で再発防止に努めていく」と話しています。

暴行事件が起きた老人ホーム

神奈川県 ディサービスで暴行事件 介護士の男が逮捕

2019年7月2日午前7時20分頃、神奈川県横浜市神奈川区六角橋にある介護施設【デイサービスクティール六角橋】を利用していた90歳の男性利用者の顔面を複数回殴り、顔面打撲や外傷性クモ膜下出血などのケガをさせたとして、58歳の介護士の男が逮捕されました。

暴行の容疑で逮捕されたのは、介護士・細池志郎容疑者(58)です。細池容疑者は、食堂で90歳男性の食事介助の最中に殴って暴行した疑いが持たれています。事件当時、他の男性職員1人と入所者4人がおり、暴行の様子を目撃していた人もいたということです。

警察によりますと、細池容疑者は7月1~2日の夜勤に別の介護士2人と勤務しており、2日朝に出勤した職員が男性のケガに気づき、119番通報し事件が発覚しました。

警察の取り調べに対し、細池容疑者は「暴言を我慢していたが、怒りが頂点に達し殴った」と容疑を認めています。

暴行事件が起きたディサービス

広島県 グループホームで暴行事件 介護士の男が逮捕

2019年7月3日午前7時頃、広島県北広島町にあるグループホーム【松籟荘】で、93歳の女性入居者が介護士の男に椅子を投げつけられるなどの暴行を受けケガをしました。警察は、介護士の男を暴行の容疑で逮捕しました。

暴行の容疑で逮捕されたのは、広島県北広島町の介護士・波出本忠司容疑者(32)です。波出本容疑者は、93歳の女性を床に引き倒し、椅子を投げつけるなどの暴行を加えた疑いが持たれています。この暴行で、女性は左肩や左目尻に全治2週間の軽いケガを負いました。

防犯カメラの映像に波出本容疑者が女性に暴行する様子が映っていたため、施設職員が警察に通報し事件が発覚しました。

警察の取り調べに対し、波出本容疑者は「間違いなく暴力を振るってケガをさせました」と容疑を認めています。

暴行事件が起きたグループホーム

まとめ

ここでは、介護士が起こした暴行事件を紹介しました。私も実際に特別養護老人ホームやグループホーム、ディサービスで介護していたことがあるので、肯定するわけではありませんがカッとなって手が出てしまう気持ちは分かります。

やはり、忙しいところに利用者から暴言や暴行、繰り返しのナースコール(用はなし)があるとストレスが溜まってくるからです。
しかし、介護士になった以上はそのようなことは想定内なので、どんな理不尽なことがあろうとも暴力等は働いてはいけません。

こうした事件が少しでもなくなることを切に願います。