高齢者世帯の増加する原因とは

わが国では、少子化問題や高齢化問題などが相まって、高齢者世帯が増加しています。ここでの記事では、高齢者世帯が増加している原因や、どのように増加しているのかなどをお伝えしていきたいと思います。

高齢者世帯の状況

2018年6月7日現在における全国の世帯総数は、5,099万1,000世帯となっています。そのうち、65歳以上の高齢者がいる世帯数は2,492万7,000世帯で、全世帯の48.9%を占めます。

増える高齢者世帯の実態

● 世帯構造別(65歳以上の高齢者がいる世帯)
① 夫婦のみの世帯:32.3%(804万5,000世帯)
② 単独世帯:27.4%(683万世帯)
③ 親と未婚の子のみの世帯:20.5%(512万2,000世帯)
④ 三世代世帯:10.0%
⑤ その他世帯:9.8%

次は、年次推移をグラフで見ていきたいと思います。

(情報元:厚労省平成30年 国民生活基礎調査の概況より)

高齢者世帯が増える原因

少子化や核家族が主な原因だと思いますが、ここでは高齢者世帯が増える原因について、もう少し細かく見ていきたいと思います。

生活に満足している

厚労省が【60歳以上の高齢者の経済的な暮らし】について調査を行ったところ「心配ない」と感じている人の割合が全体の64.6%でした。年齢階級別にみると、80歳以上の高齢者が71.5%と極めて高かったことが分かっています。
(※平成29年度版高齢社会白書:高齢者の経済状況より)

高齢者全体の6割が生活に不安がないことから、敢えて親族と同居したり老人ホームに入る必要はないということでしょう。このような事も加味して、高齢者世帯は減少しないまま、核家族化などの影響で新たな高齢者世帯が増えていき、高齢者世帯の割合が増えていくのだと思います。

慣れ親しんだ場所を離れたくない

現役時代から転勤族でなければ、現在の場所に数十年は住んでいると思います。それだけ長く住んでいれば、地域に溶け込んでいると思いますので、余程生活に支障がなければ環境を変えてまで同居はしないと思います。※これは、地方と都会に住む家族に当たります。

家族に頼ることが出来ない

家族とは名ばかりで、家族と同居という選択肢が取れない高齢者は多くいます。また、生涯独身という方、子どもを作らなかった方も同じです。

厚労省の調査で「病気の時や、一人では出来ない日常生活に必要な作業が必要な時、同居の家族以外に頼れる人がいるか」を問うたところ、「頼れる人はいない」と答えた高齢者が全体の16.1%いたことが分かっています。ちなみに、「別居している親族」がいると答えた割合は66.2%でした。
(※平成27年度 第8回高齢者の生活と意識に関する国際比較調査結果より)

16.1%という数字は少なく見えるかもしれませんが、例えば単純計算で、上記で表した高齢者世帯2500万世帯の16.1%だと、約400万世帯が頼る人がいないということになります。ちなみに、単身高齢者世帯の生活保護受給者が約81万世帯(19年5月時点)と、世間では多いと言われていますが、それより約4倍多いことになります。

頼る人がいないということは、元気なうちは良いですが、体に不都合が生じた時などの問題が生じた場合はかなり危険です。何も対策をせずに生活をしていれば、フレイル予備軍・孤独死予備軍といっても過言ではないでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
ここでの記事では、いかに高齢者世帯が増えているかについてお伝えしました。高齢者世帯の増加は、今後も続くと思います。かく言う私も仕事の都合で両親と離れており、色々な問題を考え両親を招き入れようとしましたが、今住んでいる場所がいいとのことでした。こうした事情の方はたくさんいると思います。高齢者世帯というのは、さまざまな問題(詐欺・フレイル・孤独死など)がはらんでいるため、環境を変えることが難しいのならば、現段階でできるサポートをして高齢者世帯を支えていくことが重要になるでしょう。