近年、車の運転に自信がないことで、車の運転を諦めた高齢者が新たな足として「電動アシスト自転車(以下、電動自転車)」に乗り換える高齢者が増えてきています。電動自転車といえば、電力により少しの力でも加速し、坂道も問題なく走れるという点が高齢者に好評なようです。しかし、そういった電動自転車のいいところがかえって危険な場合もあります。ここでの記事では、電動自転車の特長や危険性などを深掘りしていきたいと思います。
目次
電動自転車の特性をよく理解する
事故の原因は、乗っている人の操縦技術や判断力によるものもありますが、一番は電動自転車の性能を過信したことが原因で起こるとされています。例えば、「スピードの出しすぎ」「スピードに頼った無茶な横断」などです。
電動自転車は、一般的な自転車よりも「重く・速い」です。しかし、「重い」ということは、バランスを崩しやすく、「速い」ということは、制動距離が伸びます。事故を防ぐには、まず電動自転車の特性をしっかりと理解することで、交通事故を引き起こすリスクは限りなく減少できると私は考えています。
電動自転車は重い
電動自転車の重さは、メーカーにもよりますが「26~35キロ」ほどあります。この重さは、若い人でも重いと感じる重量です。乗って走ってしまえば、さほど重さを感じることはないでしょうが、急に止まるような事態になった場合、バランスを崩し転倒する危険性があります。
例えば「急に車や人が出てきた」などといった場面です。道路を走行していたらよくある話ですよね。
こういったことで、急に止まった場合、軽い自転車ならば自身の力で支えられると思いますが、「26~35キロ」もある自転車を急に支えるのは高齢者には危険が伴います。重いということは重心が傾きやすいので、転倒しケガをする可能性があるので注意が必要です。
電動自転車はスピードが出る
タイトルで、当たり前だと突っ込まれそうですが、電動自転車はどのくらいのスピードが出るかご存知でしょうか?
一般的な自転車(ママチャリ)の平均速度は、「12~18キロ」くらいで走行すると言われています。対する電動自転車は、通常より少ない力で「時速20キロ以上」のスピードで走ることができるのです。このように、電動自転車の最大の特長は、「少ない力で速く走れる」というところです。
しかし、少ない力で早く走れると、無意識のうちにスピードを出してしまい、思わぬ事故に引き起こしてしまうこともあります。
例えば、スピードの出しすぎで止まりきれず、車や人に衝突するといった事故です。
ちなみに、電動自転車は、モーターによる補助力で速く走り、補助力は、人のこぐ2倍の力があるといわれています。しかし、10キロを超えると徐々に低下していき、24キロ以上では補助力が働かないようになっていますが、一般的な自転車よりスピードが出やすいのには変わりありませんので、注意が必要です。
高齢者は自信過剰になりがち
まず、民間都市開発推進機構が公表している資料によると、60歳以上の高齢者が自転車に乗る理由の約65%が「気楽に乗れる」と回答しています。
さらに、日本自転車普及協会の調査によると、60歳~80歳の153人を対象に自転車運転技能についてのアンケートを行い、4割以上の64人が「50代頃と比べて変わらない」と回答してます。
このように、高齢者の方は無意識に、若い頃と今の自分との身体能力のギャップに気づいていない可能性があるので、自転車に乗る際は、昔の感覚で走行することは控えるべきだと私は考えます。
若い頃のイメージで走行
上記で話したギャップの怖いところが、頭ではイメージしているけど体が思うように動かないという状態です。
例えば、「スピードを出してもすぐ止まれる」「スピードを出しても危険回避ができる」などといったことです。もしかしたら、若い頃は出来たことなのかもしれませんが、高齢者になると身体機能や認知機能などといった機能が確実に低下しているので、頭で思っていることが体が連動して行えないというケースはよくあります。そのため、自身の能力に過信するのはとても危険が伴うので、すぐに考えを改めることをお勧めします。安全第一です。
電動自転車の事故は年々増加
年を重ねていくと、人間だれしも身体能力および認知機能は衰えていきます。また、近年は車の運転が危ないから、電動自転車に乗り換えるという高齢者も増えてきています。しかし、電動自転車だから決して安全というわけではありません。
実際に、高齢者が乗る電動自転車の交通事故は年々増えていることが、警視庁の調べで分かっています。詳しくは、こちらの記事を参照ください。「高齢者の電動自転車 全国で死亡事故相次ぐ」
自分にあった電動自転車を選択する
まず、電動自転車というのは、電動部分が搭載されているため、一般的な自転車より重く設計されています。そのため、急にバランスを崩し転倒することなど十分にあり得ることです。そのため、自分の体にあった電動自転車を選択することが大事となります。
その中でも、2輪車よりバランスが保たれる3輪電動自転車が良いと思います。中でも、下記の国内大手メーカー「Panasonic」の3輪電動自転車がオススメです。
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この電動自転車は、3段階の切り替えがついており、状況に応じて可変ができます。前後にはカゴもついているため荷物を運ぶのにも便利です。
そして一番重要なのがバランスです。当たり前ですが、3輪タイプはバランスが保ちやすく安全に走行できるので大変おススメです。また、完全組み立ての状態で運ばれるので、すぐに乗ることができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
年々、電動自転車に乗り換える高齢者が増えてきています。しかし、それに伴い電動自転車による交通事故も増えているので、自転車だから安心とは言えません。また、電動自転車も軽車両の一部ですので、乗れば危険が伴います。そして、まず電動自転車の特長を知り、自身の体に合った自転車を購入することをおススメします。