高齢者住宅の運営業者の棟・居室数ランキングTOP10

家族に介護が必要になった場合、在宅介護が困難な家庭では介護施設や高齢者住宅に預ける形になると思います。2018年度の介護報酬の改定がプラスに転じ、新規開設やM&A(Mergers(合併)&Acquisitions(買収))に意欲的な事業者も出てきています。しかし、多くの施設運営業者は、介護職員等の人材確保および職場環境の改善、収益向上の業務改善などといった組織体制を重視した1年になりました。ただ、こうした流れは、様々な条件(入居費、職員体制、設備など)を持った家族や本人の選択の幅が広がりますので、今後に期待できると思います。そうした中、ある高齢者住宅等を専門にした企業が独自に【高齢者住宅・施設運営居室数ランキング2018】と題した、施設運営をする業者の棟数や居室数などを調査した結果を発表しました。ここでの記事では、発表された結果を基にランキングTOP10を紹介したいと思います。

調査概要

調査期間は2018年6月~7月に実施され、運営棟数と居室数(多床室は1室計算)が多い企業がランキング上位になっています。施設の区分は【有料老人ホーム(住宅型・介護付・健康型)】【グループホーム】【シニア向け分譲マンション・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)など】【特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・ケアハウス(関連法人運営による施設)】です。

ランキングTOP10

順位 業者名 合計棟数/合計居室数 売上高 ブランド
1位 SOMPOケア
(品川区)
・431棟(前年比増-17棟)
・2万5,487室(前年比増-934室)
1,192億円
(18年3月期)
・そんぽの家
・SOMPOケアラヴィーレ
など
2位 ベネッセスタイルケア
(新宿区)
・316棟(前年比増5棟)
・1万7,061室(前年比増322室)
1,118億1,200円
(18年3月期)
・アリア
・まどか
・くらら
など
3位 ニチイ学館
(千代田区)
・427棟(前年比増2棟)
・1万3,867室(前年比増74室)
1,481億2,229万円
(18年3月期)
・ニチイのきらめき
・ニチイホーム
など
4位 ベストライフ
(新宿区)
・172棟(前年比増4棟)
・1万0,845室(前年比増228室)
302億円739万円
(17年8月期)
・ベストライフ
5位 川島コーポレーション
(千葉県君津市)
・113棟(前年比増12棟)
・9,520室(前年比増1,000室)
345億円2,220万円
(17年12月期)
・サニーライフ
・やわらぎ苑
6位 湖山医療福祉グループ
(中央区)
・181棟(前年比増16棟)
・7,955室(前年比増216室)
588億3,000万円
(18年3月期)
特定ブランドなし
7位 HITOWAケアサービス
(港区)
・112棟(前年比増7棟)
・6,686室(前年比増447室)
228億7,650万円
(17年9月期)
・イリーゼ
8位 創正会グループ
(福岡市)
・85棟(前年比増34棟)
・6,100室(前年比増1,171)
約350億円
(法人により決算期が異なる)
・グッドタイムホーム
9位 メディカル・ケア・サービス(さいたま市) ・288棟(前年比増16
棟)
・5,982室(前年比増290室)
265億7,400万円
(17年8月期)
・愛の家
・アンサンブル
・ファミニュー
10位 木下の介護
(新宿区)
・102棟(前年比増10棟)
・5,909室(前年比増452室)
245億7,700万円
(18年3月期)
・ライフコミューン
・応援家族
・リアンレーヴ

第1位 SOMPOケア

SOMPOケア株式会社は、設立が1997年5月26日、資本金が39億2,516万円、社員数(パート含む)が23,739名(※18年3月末時点)、本社は東京都品川区東品川4丁目12番8号品川シーサイドイーストタワーです。SOMPOケアの主な事業内容は、有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅・グループホームの運営、居宅サービス事業となっています。

SOMPOケアの特徴は【一体運営でサービスの質の向上、地域に根ざした運営、幅広い介護サービス】をモットーに、一人ひとりに合わせた介護サービスの実現に取り組んでいます。具体的な取り組みは下記の通りです。

● カスタムメイド
・生い立ちや嗜好、習慣などを考慮した上でケアプランを作成し、必要なサービスの提供を行う。
● 人材育成
・企業内大学を設立し、職員の知識・技術・心の育成に努めている。また、事例研究発表会を毎年開催し、質の高い介護サービスを追及している。
● 認知症ケア
・社外専門家がSOMPOケアのスタッフにアドバイス等を行い、常に高品質なケアを提供する。
●食事
・一人ひとりが「おいしい」と感じてもらえるよう、食事の内容(形態・制限食など)を合わせて提供する。
● 医療連携
・地域の医療機関と連携して情報共有を図り、介護と医療の密な連携を図っている。
● 余暇時間の充実
・介護付老人ホームでは、楽しみながら体を動かす習慣をつけてもらうために、オリジナルの体操やレクリエーションを行っている。まだ、外出レク(お花見や散歩、家族ツアーなど)も行っており、施設に居ても充実した生活の提供をしている。
● ICT・デジタルの活用
ICTとは【Information and Communication Technology(情報通信技術)】の略。SOMPOケアではICT技術を導入し、介護現場で利用者等の記録などをタブレット端末から見ることができるため、正確で迅速な情報共有が可能となっている。
● 産業連携
・国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター、国立大学法人 東京大学(医学部付属病院)といった機関とも連携し、現場の課題解決や介護事業の発展を目指している。

※引用:SOMPOケア株式会社HPよりhttps://www.sompocare.com/

第2位 ベネッセスタイルケア

株式会社ベネッセスタイルケアは、創立2003年12月1日、資本金は1億円、社員数は17,411人(19年3月時点)、本社は東京都新宿区西新宿2-3-1新宿モノリスビル5F。

主な事業内容は、高齢者介護サービス事業(在宅介護サービス、入居型介護サービス、研修・人材サービス)、高齢者住宅事業(サービス付き高齢者向け住宅)、保育事業、学童クラブ事業を展開しています。

ベネッセスタイルケアの事業理念は【その方らしさに、深く寄りそう】としており、ベネッセスタイルケア宣言【5つの行動宣言と10の行動基準】を掲げています。

◇ 5つの行動宣言
● 私たちは「お客様本位」を常に考えて行動します。
● 私たちは「公明正大」に行動します。
● 私たちは「人の和と思いやりの気持ち」に満ちた行動をします。
● 私たちは「プロとしての自覚と誇り」を持って行動します。
● 私たちの全ての言動は「会社(ホーム)の価値を左右する」ものとして認識して行動します。

◇ 10の行動基準
● お客様への思いを形(サービス)にしていくことに全力を尽くします。
● お客様のご満足のために徹底してサービス力を高めます。
● 契約やお約束を必ずお守りすることでお客様の信頼を裏切りません。
● 介護事業に関連する法令や公のルールを遵守します。
● お客様が信頼して預けてくださる情報の管理を徹底します。
● 万一の場合の危機管理、リスクを徹底します。
● 互いに気持ち良く働ける職場環境を築きます。
● 誇りをもって働ける職場を維持するために行動します。
● 会社に不利益をもたらす行為は行いません。
● 会社の代表として行動し、不正に関わりません。

※引用:株式会社ベネッセスタイルケアHPよりbenesse-style-care.co.jp/company/action

第3位 ニチイ学館

ニチイ学館は、創業1968年12月・設立1973年8月、資本金は119億3,300万円、従業員数(連結)が社員35,745人、業務社員が60,247人(19年3月末時点)。本社は、東京都千代田区神田駿河台2丁目9番地。

ニチイ学館の社名の由来は【(日:ニチ)本の(医:イ)療を(学)ぶ(館)】で、診療所の医療保険請求業務の受託から始まり、日本初となる通学形式の医療事務講座を開講後、人材育成(教育)事業も開始。現在の主な事業は、医療関連事業・介護事業・保育事業・ヘルスケア事業・教育事業・セラピー事業・グローバル事業です。その中でも、ニチイの介護事業は【経験豊富なスタッフ】【全国に約1,400拠点で展開】【常に利用者に寄り添ったサービスを提供】を特長としています。
※引用:ニチイ学館HPよりhttps://www.nichiigakkan.co.jp/