内閣府は、2017年12月~2018年1月にかけて、全国の55歳以上の男女個人(施設入所者は除く)3000人を対象とした、「高齢者の健康に関する調査」を行いました。そのうち1998人の高齢者が回答しています。(全体の66.6%が回答)
その調査の1つに「医療サービスの利用時の移動手段は?」というアンケートを行い、80歳以上の男女の約5割が自動車(バイク)で通院を行っていることが分かりました。ここでの記事では、内閣府が行ったアンケートデータを使い、高齢者の通院手段や通院頻度などの現状について皆さんにお伝えしたいと思います。
医療機関に通院している高齢者に「通院手段」のアンケートを行ったところ、「自分で運転する自動車等(バイク)」が46.5%が最も高く、次いで「徒歩」が15.8%、「家族による送迎」が11.8%でした。下記に他の回答もまとめましたので、ご覧ください。
通院手段 | 割合 | 通院手段 | 割合 |
徒歩 | 15.8% | タクシーの利用 | 3.5% |
自転車(電動車いす) | 9.1% | 自宅などへの往診 | 0.7% |
自分で運転する自動車等(バイク・スクーター) | 46.5% | 近所の人や友人の運転による送迎 | 0.2% |
公共機関 | 10.8% | その他 | 1.4% |
家族による送迎 | 11.8% | 不明 | 0.1% |
また「自分で運転する自動車等」と回答した80歳以上の男女についてですが、男性「38.1%」、女性「10.8%」となっており、約5割の方が自身の運転で通院していることが分かりました。
当サイトでも、「高齢者ドライバーによる交通事故」で高齢者ドライバーについて紹介していますが、やはり高齢者ドライバーによる交通事故は絶えません。高齢者ドライバーによる交通事故の主な原因が、「身体能力の低下」「経験による自信」です。この感覚の違いが相反するが故に、思った動きが出来ずに誤った操作や勘違いなどによることが原因で事故が起きてしまいます。
今回の内閣府が調査を行った「通院の移動手段」についても80歳以上の約5割の方が自身で運転していることが分かり、いかに高齢者の方が自動車の利用をしていることが明らかになりました。
しかし自動車は、生活の一部として利用を行っている方も少なくないため、急に運転を辞めさせるというのは難しいと私は考えます。そのため、いかに自動車を運転しなくても済むような、街づくりや施策が大事だと思います。
「医療機関への通院や往診などの医療サービスの利用頻度」についてアンケートを行ったところ、35.8%の男女は「月に1回くらい」と回答しており、全体の約半数が月1回以上ということが分かりました。下記に他の回答についてもまとめましたのでご覧ください。
頻度 | 割合 |
ほとんど毎日 | 0.6% |
週4,5回くらい | 0.6% |
週2,3回くらい | 3.3% |
週1回くらい | 3.7% |
月2,3回くらい | 10.4% |
月1回くらい | 35.8% |
年に数回 | 22.6% |
利用していない | 23.0% |
不明 | 0.1% |
利用の全体 | 76.9% |
利用の全体を通して、76.9%は病院受診を行っていることが分かります。
一方で、「利用していない」と回答した方の割合が23.0%がいました。その内訳で31.8%の方が「大都市」ということが分かっています。
いかがでしょうか。
ここでは内閣府が行った、高齢者の健康に関する調査アンケートの一部を紹介しました。やはりこのアンケートで気になるのは、80歳以上の高齢者の方が自身で運転して通院を行っていることでしょうか。
中には仕方がなく運転しているという方もいると思いますが、高齢者ドライバーの運転は危険が伴います。その証拠に道路交通法の一部を高齢者に対応した内容に改正しているくらいです。前述した内容と被りますが、高齢者がいかに自動車を使わずして、生活を送れるかが高齢者ドライバーによる事故防止の鍵となると思います。そのためには、政府はもちろん、国民全体で知恵を出し合いよりよい日本を築いていくことが大事だと私は思います。