高齢者のキャッシュレス決済の利用率 2019

2019年10月の消費増税に伴い、キャッシュレス還元制度などの後押しもあり、キャッシュレス化への流れが急激に加速しました。また、キャッシュレス還元制度の狙いの1つとして、高齢者のキャッシュレス化です。個人消費全体を占める高齢世帯の消費の割合は上昇傾向にあり、前年では48%と全世代の過半数に迫る勢いです。

政府は、個人消費率が高い高齢者が増税の影響で買い控えを避けるためにも、還元があるキャッシュレス決済を利用してもらうのが狙いですが、実際のところ高齢者のキャッシュレス決済は進んでいるのでしょうか。ここでは、ある調査機関が高齢者のキャッシュレス決済の利用率の調査を行ったデータが公表されていますので、それらをお伝えしていきたいと思います。

キャッシュレス決済の実態調査

高齢者のキャッシュレス決済の利用率

市場調査などの事業を行っているモズエンタープライズ株式会社が、全国の60代以上のシニア世代男女10,000名に電話で【キャッシュレス決済に関するシニアの実態・意識調査】を2019年12月25日に実施しました。
ここではその調査の結果をグラフを使ってお伝えしていきます。

調査結果では、26%の高齢者が利用していることが分かりました。この結果を26%「しか」か、それとも「も」と捉えるかは微妙なところですね。これは私の主観ですが、高齢者の約4人に1人がキャッシュレス決済をしていると考えれば多いのかもしれません。

キャッシュレス還元制度は知っているのか?

これはそもそもの話で、高齢者はキャッシュレス還元制度について知っているのか。名前くらいは聞いたことあるかもしれませんが、名前を知っていても制度の仕組みが理解できていないと実際の利用には至らないと思います。

「内容まで知っている」と答えた高齢者はわずか10%でした。上記のグラフを照らし合わせると、還元制度を知って利用したという人は多くないように見受けられます。

●キャッシュレス還元制度とは?


※引用元:経産省

いわゆる【キャッシュレスポイント還元事業】というもので、2019年10月1日から2020年6月末まで、対象店舗で買い物をし、登録されたキャッシュレス決済をすると、最大5%(もしくは2%)のポイントが還元される事業です。そのポイントで、他の店舗などで購入ができるので、購入額の最大5%のお金(ポイント)が返ってきたという解釈で良いと思います。

上記に添付してあるステッカーやポスターが貼ってあるお店がキャッシュレスポイント還元事業の加盟店です。ポイントは加盟店のみでしか還元が受けられませんので注意してください。
※記載の内容は消費者の制度です。

キャッシュレス決済の決済方法

「キャッシュレス決済をしている」と答えた26%の高齢者に、どのようなキャッシュレス決済を使用しているかと尋ねたデータがこちらです。

グラフを見ると、クレジットカードが55%で、他のキャッシュレス決済より断トツに多いことが分かりました。ただ、クレジットカードと他キャッシュレス決済の普及の歴史が違うので、偏ってしまうのはある程度仕方がないのかもしれませんね。

余談ですが、日本で電子マネーが本格的に始まったのは2001年11月からで、そのサービスは【Edy】。現在は【楽天Edy】に名称を変え、2019年の発行枚数は1億2,060万枚と多くの人が全国で利用しています。ちなみに、楽天Edyの次に多いWAONが7,723万枚、次いでSuicaが7,616万枚となっています。

高齢者がキャッシュレス決済を使うメリット

高齢者がキャッシュレス決済を使うメリットは大いにあります。2つ例を挙げたいと思います。

会計時がスムーズになる

まず1つ目は【小銭を出す、計算する手間が省ける】ことです。やはり、高齢になると認知機能の低下や指先の感覚が鈍くなるため、紙幣を出す機会が多くなる傾向にあります。

また、僅かな金額でも単位が大きい紙幣を出し、お財布が小銭だらけになる高齢者は少なくありません。そうしたことからも、キャッシュレス決済にすることで、会計がスムーズになり、余分な小銭も持たなくて済みます。

特殊詐欺の被害防止になる

2つ目は、【特殊詐欺の被害の防止】になるという点です。やはり、現金が手元にあると、パニックになりすぐに振り込んでしまう可能性があります。もちろん、現金がなくてもATMで下ろせば変わらないかもしれませんが、手元にないことで振り込むまでのテンポが悪くなります。

手元がないことで、お金を下ろすとなってもATMだと高額な金額は一回では下ろせないですし、銀行窓口で下ろせば行員が不審に思い声をかけてくれます。さらに、キャッシュカードなどの管理を家族が行っていれば容易に引き出すことはできません。

近年では【アポ電】強盗といった事件も多発しており、手元に現金がなければそういった被害にすぐに巻き込まれる可能性は低くなります。

そういった点からも、キャッシュレス決済に変えることで特殊詐欺から身を守ることができます。

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高齢者のキャッシュレス決済の普及

まとめ

いかがでしたでしょうか。
全ての高齢者を対象にした調査結果ではないですが、1万人にアンケートを行い26%の高齢者がキャッシュレス決済を使っていることが分かりました。4人に1人と考えれば「多いのかな?」というのが私の正直な印象です。

ただ、これらの人たちがキャッシュレス決済を利用したキッカケが、政府が打ち出したキャッシュレス還元事業が後押ししたと勝手に思っていたのですが、どうやら約9割の高齢者がイマイチ分かっていなかったみたいです。

現在、政府はキャッシュレス決済化を推し進めていますが、さらなる普及のために、利用していない高齢者に対して、利用しやすい環境作りや体制強化をしていく必要があると思います。