高齢ドライバーが起こした重大な交通事故 5選 2019年

皆さん、明けましておめでとうございます。令和元年からあっという間の令和2年になりましたね。
さて、高齢者情報.comでは高齢ドライバーにまつわる記事をいくつも上げていますが、過去の記事を見てもらえたら分かるように、2019年に高齢ドライバーが起こした交通事故は数知れず、政府や自治体なども高齢ドライバーが事故を起こさないようさまざまな制度の実施、検討が行われました。

それはいかに、高齢ドライバーによる事故が世間に与えた影響が大きかったということです。

ここでの記事ではタイトルの通り、2019年に高齢ドライバーが起こした交通事故の中でも、特に重大だった5つの交通事故をピックアップしましたので、凄惨な事故を忘れない意味を込めて紹介したいと思います。

東池袋自動車暴走死傷事故 11人死傷

2019年4月19日12時25分頃、東京都豊島区東池袋の東京メトロ東池袋駅付近の信号交差点で、飯塚幸三容疑者(当時87歳)が運転する乗用車が暴走し、11人が絡む(飯塚容疑者除く)多重追突事故が発生しました。

事故の概要

事故当日、飯塚容疑者は予約していたフレンチレストランに向かうために妻を乗せて運転中に、ガードパイプに接触後、およそ150メートルにわたり暴走し、速度を落とさないまま横断歩道に突っ込みました。車は、横断歩道を自転車で渡っていた母子をはね死亡させ、9人が負傷(飯塚容疑者の妻含む)しました。

その後の調べで、飯塚容疑者はレストランの予約に遅れるといった理由でスピード超過や車を抜くために車線変更を何度も繰り返し走行していたということです。そして、事故直前に赤信号を無視し交差点に進入し事故を起こしました。ドライブレコーダーの記録にはブレーキをかけた形跡がないことが分かっています。

飯塚容疑者は、事故直後に息子に電話をかけ「アクセルが戻らなくなり、人をひいた」と説明していましたが、警視庁が行った車体調査では事故車両(プリウス)に不具合が見つからなかったことが判明しています。

事故からおよそ7か月後の2019年11月12日、飯塚容疑者は自動車運転処罰法違反(過失運転致死傷)の容疑で東京地検に書類送検されました。下記に【事件の概要、遺族のインタビューと飯塚幸三容疑者が書類送検をされた理由】などが詳しく解説された動画を載せましたので、ご覧ください。

事故が起きた現場

福岡市早良区 10人死傷

2019年6月4日午後7時5分頃、福岡市早良区百道2丁目の早良口交差点付近で、高齢夫婦が乗るワゴン車が暴走し、歩行者や数台の車が巻き込む多重事故が発生しました。この事故で、ワゴン車に乗っていた夫婦2人が死亡、歩行者など含む8人が負傷しました。その後、2019年10月29日、福岡県警はワゴン車を運転していた小島吉正容疑者(当時81歳)を容疑者死亡のまま書類送検しました。

事故の概要

事故現場は、市営地下鉄藤崎駅の近くで福岡市内を東西に延びる市道【明治通り】の早良口交差点で起きました。小島容疑者のワゴン車は、早良口交差点の手前約600メートルで反対車線を逆走。その時の最大時速は約135キロにも達していたということで、そのスピードで2台の対向車に次々と衝突し、交差点付近で4台の車を巻き込みました。

巻き込まれた車の衝撃は、車を転覆させるほどで、ワゴン車を運転していた小島吉正容疑者とその妻が死亡し、14~71歳(当時)の男女計8人が重軽傷を負いました。警察によりますと、数十台の防犯カメラやドライブレコーダーを解析しましたが、事故原因の特定には至らなく、死亡した小島容疑者に目立った病歴や車の異常は確認されなかったということです。

事故が起きた現場

渋谷区・千駄ヶ谷 5人負傷

2019年1月16日午後1時半頃、東京都渋谷区千駄ヶ谷で79歳の男が運転する乗用車が歩道に突っ込みました。この事故で、20代から80代男女5人が重軽傷を負い、そのうち21歳女性が重傷を負いましたが命に別状はありませんでした。

事故の概要

事故を起こした運転手は、横浜市に住む79歳の男で、事故当時の事情聴取で「運転中にお茶を飲んだらムセた」「ブレーキとアクセルを踏み間違えた」などと話していました。

車はガードパイプに接触後に暴走。現場検証では、ブレーキをかけた痕跡が見つからなかったということです。その後、事故を起こした男は事故の翌月に病気で死亡し、2019年5月20日、警視庁は運転操作ミスが原因として、容疑者死亡のまま過失運転傷害の疑いで書類送検しました。

事故が起きた現場

神戸三宮バス暴走死傷事故 8人死傷

2019年4月21日午後2時ごろ、兵庫県神戸市中央区にあるJR三ノ宮駅前で市営バスが歩行者の列に突っ込む事故が起きました。この事故で、2人死亡、6人が負傷しました。警察は、市営バスを運転していた大野二巳雄容疑者(当時64)を過失運転致傷の疑いで現行犯逮捕しました。その後、2019年10月30日、大野被告は神戸地裁で禁錮3年6カ月が言い渡されました。

事故の概要

事故は、終点である地下鉄三ノ宮駅前停留所、神戸市中央区布引町3丁目の辺りの三宮北交差点付近で起きました。警察によりますと、事故を起こしたバスはAT車で、事故原因はバスのクリープ発進とブレーキとアクセルの踏み間違いによるものとされています。

大野被告は横断歩道で歩行者らをはね、この事故で女子大生ら2人が死亡し6人が重軽傷を負いました。

2019年9月18日に神戸地裁で初公判が行われ、同年10月30日、神戸地裁で検察側は「散漫な態度や意識で基本的な操作を誤り続けた執行猶予は回避すべき」として禁錮5年を求刑し、川上宏裁判長は人通りが多く、1つのミスが重大事故に直結する場所で操作ミスの過失は相当重大とし「実刑は免れない」、「最も基本的かつ重要な注意義務に反した」と指摘。大野被告に、禁錮3年6カ月を言い渡しました。

事故が起きた現場

大阪・此花区 4人負傷

2019年6月3日午後6時半頃、大阪市此花区伝法のスーパー付近で80歳の男が運転する車が歩道に突っ込みました。この事故で、2歳と7歳ぐらいの子ども2人を含む男女計4人が負傷しました。警察は車を運転していた80歳の男を過失運転致傷の疑いで現行犯逮捕しました。

事故の概要

過失運転致傷の疑いで現行犯逮捕されたのは、大阪市此花区の無職・増永弘明容疑者(当時80)です。事故が起きたのは、大阪市此花区伝法5丁目にある【ライフ此花伝法店】付近の歩道です。

警察によりますと、増永容疑者はスーパーの駐車場で車を停めようとバックをした際に、敷地内の駐輪スペース付近にいた親子3人をはねた後、歩道に突っ込み信号待ちをしていた女性をはねたということです。

警察の取り調べに対し、増永容疑者は「アクセルとブレーキを踏み間違えた」と話しています。

事故が起きた現場