世界の平均寿命ランキング 日本の平均寿命は何位?

日本の高齢化率は世界の中でも断トツに進んでいることは皆さんご存じだと思います。では、日本の平均寿命はどうでしょうか。ちなみに、WHO(世界保健機関)が公表した2019年版の【世界保健統計】によると、現在の世界の平均寿命(男女)は72.0歳です。これは2000年より5.5歳も延びており、発展途上国の5歳未満の子どもの死亡率減少などが影響と言われています。地域別で見ていくと、日本や欧米などの高所得国の平均寿命は80.8歳に対し、アフリカなどの低所得国は62.7歳に留まっています。この結果について、WHOは「国の豊かさによる格差がはっきりと表れた」と指摘しています。前振りが少し長かったですが、これらのことを踏まえて、日本の平均寿命は何歳なのか。そして、世界から見た高齢大国日本の平均寿命はどの位置にいるのかをランキング形式にしてお伝えします。

世界の男女の平均寿命ランキング

ここでは、WHO加盟国194の国と地域を対象に統計を出したデータをランキング形式にしました。また、基になったデータは2019年版の【世界保健統計】に発表されたものです。
※平均寿命の統計データは2016年時点。

順位 国名 男女平均寿命(男・女平均寿命)
1位 日本 ● 84.2歳・男:81.1歳(※18年:81.25)・女:87.1歳(18年:87.32)※()内は2019年7月30日、厚労省発表
2位 スイス ● 83.3歳・男:81.2歳・女:85.2歳
3位 スペイン ● 83.1歳・男:80.1歳・女:85.7歳
4位 オーストラリア ● 82.9歳・男:81.0歳・女:84.8歳
4位 フランス ● 82.9歳・男:80.1歳・女:85.7歳
4位 シンガポール ● 82.9歳・男:80.8歳・女:85.0歳
7位 カナダ ● 82.8歳・男:80.9歳・女:84.7歳
7位 イタリア ● 82.8歳・男:80.5歳・女:84.9歳
9位 韓国 ● 82.7歳・男:79.5歳・女:85.6歳
10位 ノルウェー ● 82.5歳・男:80.6歳・女:84.3歳
100位 ウズベキスタン ● 72.3歳・男:69.7歳・女:75.0歳
150位 ・シリア・ジブチ ● 63.8歳・男シリア:59.4歳ジブチ:62.2歳・女シリア:68.9歳ジブチ:65.5歳
最下位 レソト ● 52.9歳・男:51.0歳・女:54.6歳
世界平均値 ● 72.0歳・男:69.8歳・女:74.2歳

ランキングの上位国は80歳以上の平均寿命をたたき出している一方で、最下位のレソトの平均寿命は52.9歳、100位のウズベキスタンですら72.3歳と10歳近く開きがあります。

ちなみに、レソトの現在の平均寿命52.9歳は、日本で言うと1947年の戦後間もない頃の平均寿命52.01歳で、男女別では男性50.06歳、女性53.96歳となっています。

1位 日本

日本の平均寿命は年々延び続けています。厚生労働省が公表している完全生命表・簡易生命表によると、1960年~2018年までの推移で、58年間の男性の平均寿命が15.93歳、女性は17.13歳延びています。

ちなみに、日本で平均寿命の調査を始めたのは明治24年からで、明治24~31年の第1回目実施調査の平均寿命の結果は、男性42.8歳、女性44.3歳でした。これを見ると、近代に入った日本人が急速に長生きするようになったのが分かります。

2位 スイス

スイスは、中央ヨーロッパに位置する連邦共和制国家で、永世中立国です。首都はベルンですが、スイスの最大都市はチューリッヒです。スイスの総人口は約855.6万人(2019年時点)となっています。

スイスの平均寿命は年々延び続けており、1960年比で19歳(36%増)も延びています。さらに、スイスの出生率も年々低下しており、1960年比で5人から2.5人(日本:1.42人)に出生率が低下する一方で、高齢化率は18.63%と上昇していることから、スイスでも日本同様に少子高齢化問題を抱えているのが現状です。

最下位 レソト

レソトという国を初めて知った人もいると思います。まず、レソトの首都はマセルで標高1,600m(北海道:神威岳と同じ)の場所にあり、全土の標高でも1,400mあります。国面積は四国の1.6倍ほどの大きさがあり、河川や山脈に囲まれた乾燥地帯です。

国の総人口は219万人、首都圏の人口は約30万人となっていますが、1990年代以降にHIV感染者が激増、国民の約1/4がHIV感染者となり1990年には220万人もいた人口が、2006年には180万人と激減し、平均寿命が35歳にまで低下するほど死亡率が高かった国でもあります。

インフラについてですが、マセルには南アフリカと鉄道で繋がっていますがレソトにある鉄道はこの1本のみで、国内の移動手段は車やバス、そして、馬かロバ。幹線道路から外れると車が通れる道が無くなり、馬かロバでの移動になります。また、国民の24%(08年)が職についておらず57%が貧困層(2010/11年)と、とても貧しい国です。

WHOは、低所得国では妊産婦の死亡率の高さや、ガンや呼吸器系疾患、糖尿病患者が多く、そういった疾病が平均寿命を縮めていると分析しています。レソトの国事情を見ても、決して環境が良いとは思えないので、WHOが分析している内容はあながち間違いではないのかもしれませんん。