死後の手続きは誰がやる?死後事務委任契約について

生前生活をする上でいろいろな手続きがあるように、死後にも手続きがあります。身寄りがいる方でしたら、死後の手続きは通常身寄りの方が行ってくれると思います。では、身寄りのいない人は?とふと疑問に思いますよね。

身寄りがいない人でも、然るべき契約を行っておけば、問題ありません。その契約というのは「死後事務委任契約」です。成年後見制度と同様に、弁護士や司法書士などの方と契約を締結します。ここでは、身寄りがいない人でも安心して死後のことを任せられる「死後事務委任契約」についてお伝えしていきます。

一般的な死後の事務処理とは

まず死後の事務処理および手続きは大変です。一般的な死後の事務処理および手続きについて、箇条書きにはなりますが、まとめてみました。

● 死亡診断書の依頼と受け取り。
● 葬儀屋の選定。
● 葬儀屋との段取りを行う。(住職・火葬場の予約・葬儀屋の予約・左記を含めての葬儀の調整)
● 役所へ死亡届の提出(身寄りなしの方は代理人の選定)・火葬許可証の依頼と受け取り。
● 葬儀・納棺・通夜告別式・火葬・収骨など
● 生前利用していた公共料金や電話、新聞料などの解約手続き、支払い
● 介護保険証や医療保険証などのの抹消手続き
● 生前居住していた場所の解約手続き、支払い
●遺品整理
など

身元が分からない状態で亡くなった場合

人は突然死ぬことがあります。交通事故や、疾病により道中倒れ、そのまま亡くなる。または自宅内で倒れ亡くなってしまうなどです。こういう状態は、まず警察が介入し、そのあと役所の方で、身元などを調べ親族などに連絡を取るのが一般的な流れです。

しかし見つからない場合は、火葬しどこかのお寺へ安置する形になります。だいたいは遠い親戚などを見つけ、死後にかかった料金などを請求するのですが、それでも身寄りがいなかった場合は、役所の方で対応を行うことになります。

しかし最終的には何とかなるとしても少なくても関係のない人が、動かざるを得ないことになります。厳しい言い方かもしれませんが、他人に迷惑をかけることになります。
そうならないためにも、次に紹介する「死後事務委任契約」が身寄りのいない人、身寄りが居ても頼めない状況などでも死後の整理を行ってくれる契約です。

死後事務委任契約

前述した内容もそうですが、「身寄りがいない・親族とは疎遠・子どもとは不仲」などそれぞれいろいろな事情を持っている方がいると思います。またそういった方でもいつか死は訪れます。そんな方には、「死後事務委任契約」の検討を勧めます。

死後事務委任契約とは

死後事務委任契約とは、生前に契約することにより、亡くなったと同時に死後の事務処理、や手続き、整理などを行ってくれるものです。生前に身辺監護や財産管理を行ってくれる成年後見制度もありますが、通常その方が亡くなったと同時に契約が解除されます。
そのため、死後からはタッチしないことになります。しかし、死後事務委任契約を行うことにより、滞りなく事務処理や手続き、整理を行ってくれるのです。

死後事務委任契約が行ってくれる事務内容とは?

基本的な死後直後の事務処理や手続きから、プライベートの手続きまで行ってくれます。プライベートの手続きの例としては、ペットの引き渡しやSNSの退会、クレジットカードの解約、老人ホームの退去手続き、遺品整理なども行ってくれます。あくまで生前に契約した内容のものになりますので、勝手に行うことはありません。

また家族がいる方でも行えます。例えば、遠方で手続ぎが出来ない方や○○の部分は出来るけど、○○は出来ないなどの一部委任も可能です。そのため、家族がいる方でも上手に利用することで、家族も体に負担をかけることなく死後の手続き、整理などが行えます。

死後事務委任契約の費用は高い

死後については契約を行えば、手続きや処理、整理を行ってくれるので何も心配いりません。しかし、頼むとなるとやはり高いです。まず依頼先ですが、弁護士や司法書士などが主となります。

まず公正証書にて契約の締結を行うのですが、その書類の作成だけでも10万~15万円かかります。またその他に行ってもらう手続きなどに関しては、その事務所によって異なりますが、だいたい一つの手続きに「何万」は覚悟してください。
そのため、依頼する死後の手続きなどが多い場合は、金額が増えていくので注意が必要です。

元気なうちに早めに手続きを

自身の置かれている状況は、一番自分が分かっていると思います。そのため、今後どのような生き方をしていくのか、常に想定して生活をすべきだと思います。

ここでの記事では、死後事務委任契約について紹介しましたが、死ぬ間際にもやらなければならないことはまだまだあります。
もちろん情報収集も含めです。もし他に頼む人がいないと早期に判断できれば、他人に迷惑をかけることはありません。またこれらの作業を行うには、判断力のある元気なうちしかできません。
だからこそ、自分の最期くらいは、自分で行うべきなのではないかと思います。