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現役並みの所得がある方は、介護負担割が3割に
いよいよではありますが、2018年8月から介護負担割合「3割」の導入が始まります。3割負担の導入が始まる理由については、「世代間・世帯内の公平性を確保し、介護保険制度の持続可能を高める観点」からとなっています。そのため2018年8月1日より現役並みの所得がある方については、介護保険サービスを利用した際の負担割合が3割になることが2018年4月の制度改正により決まりました。では、どのような方が3割負担の対象となるのか、ここでは解説していきたいと思います。また合わせてですが、介護費用の自己負担額が大幅に増えてしまった方に対して、一定の条件を満たせば支払金額が戻ってくる「高額介護サービス費制度」についてご紹介をしたいと思います。
3割負担の対象者は・・・65歳以上の第1号被保険者
まず3割負担の対象者は、2018年8月から65歳以上の第1号被保険者が対象となります。そのため、40歳~64歳までの第2号被保険者は対象外となり、所得に関わらず1割負担のままです。
しかし65歳以上の第1号被保険者が誰でも3割になるわけではありません。介護負担割合については、その方の合計所得金額で決まります。そのため収入が高いと介護負担割合は高くなります。
では、次に65歳以上の第1号被保険者で、3割負担になる所得条件について解説を行いたいと思います。
合計所得金額が220万円以上の方が3割負担の対象となる
ここでいう合計所得金額とは、年金やその他収入から公的年金等控除や給与所得控除、必要経費を控除したのち、基礎控除(※1)や人的控除等(※2)の控除する前の所得金額をいいます。
※1基礎控除とは・・・住民税や所得税を計算する際に、総所得金額などから一律で差し引かれる控除のことをいいます。
※2人的控除とは・・・扶養控除、配偶者控除、障がい者控除、寡婦控除など、本人やその家族の状況等から、1人当たりの控除額を定額で定めた所得控除です。
ただし例外もあります。合計所得金額が220万円以上でも・・・
①「単身世帯で、(年金収入)+(その他の合計所得金額)の合計が340万円未満の方」
②「単身世帯(年金収入のみ)で344万円未満の方」
③「2人以上の世帯で合計所得金額が463万円未満の場合の方」
①~③までの方については、今まで通り2割負担もしくは1割負担となります。
3割負担の条件早見表 | ||
合計所得金額:220万円以上 | ||
単身世帯(年金収入+その他合計所得金額) | 単身世帯(年金収入のみ) | 2人以上の世帯(年金収入+その他合計所得金額) |
340万円以上 | 344万円以上 | 344万円以上 |
※給与所得者である場合は、給与所得―所得控除=○○万円。
現在の介護保険受給者の人数は約496万人となっています。その中で3割負担になると想定されている人数は、全国で約12万人とされており、介護保険受給者の全体の3%となっています。
負担割合が上がっても会計が圧迫しない対策はあるのか
・高額介護サービス費の申請により介護費用の負担軽減
高額介護サービス費とは、介護保険サービスを利用して支払った自己負担額の合計が一定の負担上限金額を超えてしまった場合、超えた分の金額が戻ってくる制度です。
☆お住まいの自治体へ申請を行えば「お金が戻ってきます」。
一定の負担上限金額というのは、世帯の合計所得金額で区分分けをされています。ここでいう合計所得金額とは、収入金額から所得控除額を引いた金額のことをいいます。下記に一覧表を作成しましたので、自身がどの区分に入るのかご確認ください。
段階区分 | 対象者 | 負担上限額 |
第1段階 | ・生活保護受給者の方 ・老齢基礎年金受給者で、世帯全員が市民税非課税の方 |
個人:15,000円 |
第2段階 | ・世帯全員が市民税非課税の方 ・前年合計所得金額と公的年金収入額の合計金額が年間80万円以下の方 |
個人:15,000円 世帯:24,600円 |
第3段階 | ・世帯の全員が市区町村民税を課税されていない方 ・第2段階の条件に該当しない方 |
世帯:24,600円 |
第4段階 | ・世帯の1人が市区町村民税に課税されている方 | 世帯:44,400円 |
第5段階 | ・現役世代並み所得者に該当する方が、1人でもいる世帯の方 | 世帯:44,400円 |
高額介護サービス費の対象とならないサービス
・下記の3つサービスについては、高額介護サービス費の対象とはなりませんので気を付けてください。
●特定福祉用具販売にかかった費用
●住宅改修にかかった費用
●短期入所療養介護・短期入所生活介護(ショートステイ)を含む介護保険施設でかかった「食費」「居住費」「日常生活費」などの自己負担の費用
高額介護サービス費の申請方法について
通常は、介護保険適用のサービスの利用をし、段階区分ごとの負担上限額が上回った月の約3か月後に、自身が住んでいる自治体から「高額介護サービス費の申請書」が届きます。
あとは、届いた申請書に必要項目に記入をし、お住まいの自治体の窓口(介護保険課)に提出もしくは郵送を行えば完了です。その際に、介護保険サービスで利用した領収書が必要となりますので、日ごろから捨てずに保管しておきましょう。
また各自治体によりますが、一度申請書の提出を行えば、それ以後の申請は不要となる場合があります。しかし各自治体で用紙も違えばやり方も違うことがあるので、お住まいの自治体へ確認をするのが確実です。
老婆心ながらではありますが、条件を満たした月の約3か月後に申請書が届くとされていますが、やはり約3か月後は少し時間も経っていますし、本当に自分が該当するのかなど心配でしたら、期間を問わず直接自治体に確認された方が良いと思います。
※注意・・・高額介護サービス費の支給申請期間は、2年以内となっていますので、申請書が届いたら直ぐに提出することを勧めます。